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『ファントムメナス』⑧
鍵の閉まる音を切っ掛けに、たきなは音もなく、そして迅速に警戒しながら進んで行く。
まずは隣の家の敷地に入り込み、そのさらに隣の家の敷地に……ぐるりと大きく迂回しつつ、再び公園が見える位置に付く。
彼女は、相変わらずそこにいながら、たきなを見ていた。まるで動きを完全い捕捉していたかのように。
向こうは手には何も持ったずにベンチに深く腰掛けている……が、リュックは前にある。そこに銃が入っているのは間違いなく、リコリスと同様に素早く抜けるはずだ。
たきなは銃を構えながら彼女へと近づいていく。