『A Day of No Guns』⑥
カスミが穴を見上げてみると……どうやらフキは小さな空調の穴を無理矢理に通り抜けてきたらしい。小柄なカスミでさえ躊躇う小さな穴なのだが……。
よくここを……これがファーストリコリスの力なのか。
カスミは初めてファーストの凄みを感じた。
「んだよ、終わってんのか。誰が……」
フキはマッチョ達を見た後、確認するように辺りを見渡す。
すると、ぼうっと立っていたカスミを彼女の視線が通り過ぎていく。
「あの」
危うくスルーされそうになったのを感じたので、カスミは小さく手を上げて声を出した。