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『One’s duties』④


――なめんな。

 フキは、動く。後ろでも横でもなく、自分に向けられた銃口――今し方自分に向けて発砲するライダーへと向かって、飛び出す。
 しゃがんだ体勢から床を這うような低さで、前のめりに倒れるように、だった。

 放たれた弾丸がフキの頭上をかすめていく。

 全身が床に落ちる直前、フキは左手を先に床へ突いてわずかばかり体を持ち上げると同時に、さらにそこから床を蹴り、体勢を上げることなくさらに加速。

 ライダーとの距離、七メートル前後あったそれが一瞬にして消失する。二発目はまだ、ない。

 フキ、体をねじって右肩から床に落ち、背中を滑らせつつライダーの股の間を頭から抜ける。

 その際に、撃った。
 直下からの二発。二発目は外れたが、初弾がライダーの右太ももを貫いた。

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