『One’s duties』②
相も変わらず退屈な任務だった。
深夜二時四〇分、東京の片隅にある田舎。
そこそこの広さがあるものの、遊具も何もかもが朽ちつつある公園の、さらに片隅の暗闇の中で、春川フキと、まだ相棒となって日が浅いセカンドの乙女サクラは、たまに寄ってくる蚊を払うだけの時間を過ごしていた。
「なんつぅか……フキ先輩と組んでから、むしろ仕事の機会が減った気がするんスよね」
「だろうな」
サクラはその場にしゃがみ込み、うなだれた。
濃い紺色のセカンドの制服は、昔ながらの日本の学生服のような色合いでありながら、夜によく溶け込み、学生服という都市迷彩に加えて、夜間迷彩の効果も生んでいた。
ただ、サクラはその特徴的過ぎるツーブロックの髪型のせいで、迷彩効果はないに等しい。