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RICE処置とかとか

前回の捻挫記から一週間が経過し、状態にだいぶ改善が見られてはいるものの、さすがにまだjog等も再開はできずにおります。。。


亜急性期からのリハ内容をアップしたいのですが、まだできることも少ないのでやはりそれはまた次の機会にということで、今回は予告通りRICE処置「など」についてということで。


「など」と書いたのは、教科書一般のRICE処置ではなく、もう少し役に立つ小ネタ的なことを多めにしたいと思ったので、いつも通り本流ではなく傍流な記事として酒のツマミにでもしてもらえればと思います笑



1.RICEかPRICESか、はたまたPOLICEか

最初にしてメインとなるテーマかと思いますが、聞いたことありますかね?

多分RICE処置というワードはだいぶ市民権を得ているのでかなり多くの方が知っている(知っていて欲しい)言葉だと思いますが、、、

念の為

  • Rest:安静

  • ICE:冷却

  • Compression:圧迫

  • Elevation:挙上

の4点セットの急性期処置のことを言いますよね。


では次に「PRICES」、聞いたことある方ってどのくらいいらっしゃるでしょうか…?

上の4つの頭に「P」、お尻に「S」がくっついたもので、

  • Protection:保護

  • Stabilization/Support:安定/固定

という、言ってみればRICEの上位互換なやつです。

まぁ分かりますよね、痛いし、患部が二次的な損傷を受けるのを防いだり、ちゃんと保護しましょうという考え方です。


そして最後の「POLICE」、これはどうでしょう?
聞いたことありますか?

ついつい犬優先で画像チョイスしてしまう笑
  • Protection:保護

  • Optimal Loading:最適な負荷

  • Ice:冷却

  • Compression:圧迫

  • Elevetion:挙上


なんだか一つ、仲間外れのようなワードが入ってますね…?

最適な負荷、、、だと…?


そうなんです。

近年は過剰な保護と安静よりも、早期に最適な負荷をかけることで組織修復を促進させたりリハ期間の短縮を目指したりすることがもはや一般的になっています。


なりつつある、ではなく、もう一般的だと思ってもらって構いません。


ですが、あくまでも「POLICE」であって、受傷→ガンガン行こうぜ!ではないので笑、受傷直後の疼痛コントロールや浮腫の軽減等を適切に行わないと、早期の可動域訓練の意味とか効果が薄れてしまうため、そこはちゃんとやっておきましょうね💦



2.POLICE処置の実際

私も今回、受傷直後、は残念ながら氷やトレーナーバッグを常備していなかったので(トレーナー失格)、受傷後30分後くらいからやっとアイシングと圧迫を始め、でも運転して帰らなきゃ行けなかったので挙上と安静はできず、

IC処置

IC処置ってなんか科学的に聞こえるけど実際には全然足りないやつ笑

しか出来ませんでした😨


が、帰宅して一旦馬蹄パッドによる圧迫と挙上、安静を挟み、一旦シャワーを浴びてからその後またアイシングも入れてというRICE処置を行いました。

※急性期のアイシングの正しい行い方は後述します。


で、就寝中にAT-miniというマイクロカレント(超微弱電流)治療器を貼って、バンテージでとパッドで緩めに圧迫し、クッションに足を乗っけて挙上した状態で寝ました。


このマイクロカレントに関しても「適切な負荷」の一部になるわけですが、微弱な電流を流すことで組織の炎症反応を促進させることになります。


で、翌日はちょっともう全然仕事にならなそうだったので予定をキャンセルさせていただき(ゴメンナサイ💦)、リハに専念しました。


朝までマイクロカレントを貼っていたら結構疼痛と腫れが強くなっていたので、一旦アイシングをして疼痛を緩和させた上で、午前中から自動底背屈の可動域トレーニングを始めました。

そんな感じで受傷後2日目、24時間も経たないうちから「最適な負荷」を与えています。


お陰で受傷後3日目にはテープでガチガチに固定すれば何とか荷重・歩行が出来る状態になり、早期の仕事復帰ができました💦

ホワイトでスターアップとホースシュー、ハード伸縮でルイジアナ、ソフト伸縮で全体のカバーの意味も含めてエイトを巻いてます。


テーピングについてもいつか書きます👌



3.炎症は悪者ではない

ここで先ほどの話に戻りますが、得てして炎症反応というのは悪者のように扱われがちですが、そんなことはなくてあくまでも「組織修復のプロセス」なので、痛いからと言ってなんでもかんでも湿布=消炎鎮痛剤を使ったりすると、かえって修復が遅れる場合もあるのです。

痛みだって、「ここの組織壊れちゃってヤバイよ〜」というメッセージを痛覚によって知らせる信号なので、それを無条件に遮断してしまうということは、せっかくの身体の善意を無下に扱うようなことでもあるわけです。


ちゃんと身体からのメッセージを聞いて、既読スルーとかしないようにしましょう。


しかしそのメッセージというのは基本的にスヌーズ機能が備わっているので、メッセージを受け取ったら「りょ」というスタンプでも送っておく感じで、その疼痛に対する然るべき対処をするのです。


それがアイシングですね。冷却で感覚を鈍麻させ、C線維から発せられるスヌーズ的な痛み信号を止めてあげます。


炎症ってものについてもまたちゃんと書きたいですが、、、書きたいことだらけですね😅




4.初期可動域訓練

基本的にはまずは自動(自分で動かす)の底屈/背屈の動きから行います。※底屈:つま先を脛から遠ざける動き/背屈:つま先を脛に近づける動き

最初は痛みも多少あったり、何よりも不安感が強くてぎこちないと思いますが、本当に徐々にで良いので1°、2°と、可動域を回復させて行く感じで。

可動域の回復というのは筋のタイトネスによるものももちろんですが、身体が感じている不安感を「これくらいなら大丈夫。これくらいなら大丈夫。」と、段階的に解消して行くことで再獲得するという側面もあります。


これを早くやっておかないと本当にガチガチで荷重・歩行開始が遅くなります💦



5.正しい冷却

ここはいくつか覚えておいて欲しいトピックスを箇条書きにしておきたいと思います。

  1. 家庭用の冷凍庫の氷は温度が低すぎて(0℃以下)表面に霜がついている状態です。
    氷というのは0℃の状態が一番熱を奪う力が大きい&0℃以下になると凍傷の危険性が高まるため、そういう氷を使う場合は一度水で濡らして表面がツルツルの状態で使うようにしましょう。
    業務用の製氷機の氷はそのまま使ってOKです👌

  2. 氷の形状による使い分けとして、
    キューブアイス⇒大腿部など広い面に
    クラッシュアイス⇒足関節など凸凹が多い部位に
    アイススラリー⇒一般的には入手不可だと思うのでパス笑

    考え方としては、組織に密着すればするほど冷却効果が高まるということ。そのため氷のうに氷水を入れたものも密着度が高く冷却効果は高いが、温度が高くなってしまうため、深い部分(時間がかかる)を冷やすのには適さない。

    ゴミのペールやごみ箱とかに氷と水を大量に入れたアイスバスは最強のアイシングツールなので、使えれば活用しましょう!

    ただ、同時に圧迫が出来ないという難点はあります。

    ので、、、とりあえず最短で入手出来る氷でなるはやで冷やすのがベストです笑

    コンビニとかのロックアイスはできればアイスピックで細かく砕いて使いたいです。。。

  3. アイスパックや氷のうは空気を抜いて使いましょう。
    空気が入ると溶けやすくなり、冷却効果もさることながら、特にビニール袋でアイスパックを作る場合、べちょべちょになりすぎて後処理が大変です笑

    氷を平らに並べたら、氷のうの場合は思いっきり捻って空気を抜いてからキャップを閉め、ビニール袋の場合は死ぬほど口で吸って真空に近くしましょう。

    コツは頑張って吸ったらそのままもっと頑張って吸うことです笑

  4. 冷却時間は部位によりますが、基本的には「感覚がなくなるまで」というのが目安です。時間にして約20~30分。もちろん季節・気温・湿度などによっても変わります。

    中途半端な冷却は「冷却反射」を引き起こし、かえって血流を増加させてしまうので、特に急性期に関してはしっかり冷やしきること。

    ただし凍傷には注意。

  5. コールドスプレーはただの誤魔化しです。冷却効果はありません。
    冷湿布も「冷感」を感じるだけで組織のを冷やすものではありません。消炎鎮痛効果はありますが、短時間に炎症反応を一時停止させるような効果は期待できないので、急性期の湿布はほぼ無意味くらいに思っておいてもらって間違いありません。

    保冷剤も凍傷の危険性が高い割には氷よりも冷却効果が低いので、できる限り氷で冷やしましょう。

というくらいでしょうか?

難しいわと言われるかもしれませんが、効果的なアイシングでなければあまり意味がないので、このくらいはちゃんとしておきましょう😅



6.馬蹄パッド

これ↓のことです。

note用に端切れで作ったのですみません、チビデブになりました。。。


ホームセンターのウレタンパッド7mmくらいのもので良いので、馬蹄型に切って、U字の空いている方を脛の方向に向けて腫れの強いくるぶしに当て、バンテージ等で圧迫します。

ただバンテージ等で圧迫するよりも圧迫効果が高まり、また馬蹄型にすることで腫れの逃げ道を作ることが出来ます。

軽微な捻挫の場合は不要ですが、腫れが強い場合はできるだけ使ってみてください。


ちなみに今回私はパッドを店に忘れた&試しにやってみたかったので、家にある断熱材で作ってみたんですが(なんで断熱材があんねんw)、ウレタンよりも硬くて寝起きに結構皮膚に食い込んでいて痛かったので、あまり適さないようです😅



7.その他の道具

アイシングに必要な道具として、氷のうまたはビニール袋、バンテージまたはラップがあればOKです。

個人的にはやっぱり氷のうとバンテージの組み合わせがベストだと思ってます。

20年愛用の氷のう2号。3号までいます笑
ちなみにバンテージも20年愛用してます笑

ビニール袋よりも皮膚表面へのストレスが低いこと、バンテージの方が圧迫力を調整できることが理由です。

が、環境にやさしいという意味でもやっぱり氷のうとバンテージ推奨ですね!

↑これも結構真面目に。



そんなこんなでまた長くなってしまいました…。


でもそれだけRICE処置、改めPOLICE処置というのはちゃんと知っておいて欲しいものなので、もちろん全部完璧に出来なくても構いません、できる限りで良いので、皆さんの怪我の急性期に役立てて頂けますと幸いです!



そしてもっと細切れにして読みやすいnoteにするように心がけます。。。笑


すがわらこうよう

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