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SOMPO美術館「珠玉のコレクション」

「東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館」から「SOMPO美術館」に名前が変わり、新しい建物に生まれ変わったnewな美術館。

ナショナル・ギャラリー展で4番目のひまわりが来日するので、ぜひこれは日本に唯一所蔵されている5番目のひまわりも一緒に見たい!と思ってSOMPO美術館にも行ってきた。


旧館名のとおり東郷青児の作品が多いことは分かっていたのだが、ナショナル・ギャラリー展の方の予習で手いっぱいで、ざっくりとした予習のみ、波瀾万丈みのある人生だったのだな…くらいの知識で(愛人と自殺を計ったり、既婚の身でありながら別の女性と結婚披露宴をあげたり???)

東郷青児の作品はなんとなく見たことはあったけど、独特のグラデーション使いが特徴で、私の安い感覚だと「イラレっぽい」と思っていて。
確かに実物で見てもものすごいきれいなグラデーションなんだけど、近くで見ると当然手描きなわけで。
しかも制作年が後になるにつれ、よりグラデーションの精度が上がっていて、信じられないレベルだった。


展覧会のビジュアルにも使われているような、「目が白目!」というイメージがあったんだけど、展示されている作品の中にはちゃんと黒目が描いてあるタッチのちがう絵もあって、私はそっちの絵の方が好き!と思った。
東郷青児は保険会社のパンフレットデザインやカレンダーなど、今で言うグラフィックデザインみたいなことも多く手がけていたようで、こちらは今の時代でもすごく勉強になりそうなおしゃれなもので、ぜひ参考にさせていただきたい。

東郷青児とゴッホ以外で気になった作品は、まず平山郁夫の「ブルーモスクの夜」

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平山郁夫って寺や仏教のイメージで全然知らなかったんだけど、シルクロードをくまなく旅した方で、こちらの「ブルーモスクの夜」もその時に見た光景のよう。
これは実物を見ないと分からないんだけど、月の光に照らされている建物の輪郭線は、光っているところが金の絵の具でシャッシャッシャッと毛が生えたように描かれていて、光の強くあたっているところはシャッシャッが長くて、それで光の強さを表現しているの。
さらに空には星がキラキラしていて、本当にきれいだった!
平山郁夫さんの他の絵も見てみよう!と思った。

それからグランマ・モーゼスの作品たち。
この人はなんと70歳から制作活動を始めたそうなんだけど、とにかくかわいい!
こちらは「春うらら」という作品。

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この真ん中にいる人たちが☺️という顔で、ポーズもなんとも言えない味がある。
色々一生懸命見てちょっと疲れたところでこの絵たちが現れて、すごく癒やされた。
すごい上手いかと言われると、絵が上手なおばあちゃんって感じなんだけど、何かを始めるのに年齢を言い訳にするのはもったいないな!と改めて思った。

肝心の「ひまわり」は、ナショナル・ギャラリー展の4枚目のひまわりよりも「黄色い!」とは思わなくて、落ち着きのある雰囲気。
4枚目のひまわりより丁寧にじっくりと描かれたかんじで、特に中央下部分の重なっている3輪など、こんなに立体感があるものか…と思った。
花びらの1枚1枚が立体に作られている感じ。
ナショナル・ギャラリー展より圧倒的に空いているから、見ようと思えば近くでずっと見ていられるのもよかった。

次回は10月6日から「ゴッホと静物画 伝統から革新へ」という展覧会を開催するそうで、この時には「ひまわり」がケースから出されて展示されるそう!
でもケースが無いとちょっと遠くから見ないといけないのかな…
分からないけど、日本にあるひまわりも良かったです。

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