映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ
冒頭のこのセリフが、幾度も繰り返される。
映画『夜空はいつでも最高密度の青色だ』
原作は最果タヒさん。
2017年上映。5年が経っている。
TSUTAYAに並んでいたときから見たかった映画。
見るまでに時間がかかってしまった。
昨日みた『花束みたいな恋をした』とは
全く色味の違う恋愛映画。
感情移入できたのは、こちらの映画。
原作が最果タヒさんということもあり、
ひとつひとつのセリフがとにかく響く。
昨日の映画が、カラフルな恋愛だとすると、
こちらはモノトーンな静かな雰囲気。
ダークさや、東京という場所の、生きていく
ことの残酷さが、巧みに描かれている。
こんなふうに、美香は恋愛に対して否定的で、
あまり笑わない女性である。
何かにつけて、死に結びつけてしまう。
それは、看護師という職業や母親の死が
関係していることもある。
だけど、美香のその疑問が自分にとって、
共感はするものが多かったし、
この映画自体が、うつくしく描くのではなく、
切り込みをいれ、私たちに問いかけているのだと
思う。
ことばにできない、こたえのみつからない
ものを。
生きていくことの大変さを。
恋愛に疑問を持ちながら、それでも
誰かと生きていく姿が、描かれている。
不器用にしか生きられないひとたちの、
ひとつひとつ取りこぼしていくことばに、
響いていくものがあった。
最後の方の、自転車に乗りながら話している
ふたりのこの場面がすてきでした。
いつも、読んでいただきありがとうございます💐