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病歴45:BEP療法3コース目

いつの間にか、自分の闘病日誌もずいぶんと長くなってきた。自分自身で読み返すことは少ないのであるが、こういう記録をつけておくことが、障害の申請に役立つこともあるし、もしも誰かのお役に立つことがあれば嬉しい。

思うに、入院中というのは、刺激が統制されるので、私はルーティンで行動しやすくなり、過集中・過活動になりやすいのかもしれない。そこそこの働きものになれる。
ところが、これが自宅に帰ると、たくさんの刺激に取り囲まれるので、不注意が全面に出て、しかも痛みやだるさがその不注意を後押ししてくれるので、怠け者っぷりに拍車がかかるのではないか。
そんなあほなことを考えている今日は、入院6日目。今回の5日連続耐久点滴の最終日である。

当初、このBEP療法を始めるにあたり、不安緊張がとても高まった。
3回目になってだいぶと慣れてきたとはいえ、入院前日、入院初日、点滴の針を刺すまでは緊張する。
点滴の針が刺さり、薬液が入り始めると、あきらめがついたように、落ち着く。
初回はそこで落ち着かず、退院してからも不安のスイッチが切れなくなったように、全身が緊張してたまらなかった。
それで、抗うつ薬に付け加えて安定剤も処方してもらっていたのであるが、今回の入院を経て、安定剤は頓用に切り替えても大丈夫そうな気がしてきた。

今回の入院中の大きな変化は、手指の神経障害に対して、タリージェという薬を導入したこと。
最初にリリカを試したのであるが、これは眠くて眠くてどうにもならないので、1日でギブアップ。
タリージェも結構眠たいのであるが、服用していると、手指の痛みが軽くなったこともあり、しばらく夜だけの服用で試してみることになった。
錠剤を取り出す時や歯磨き粉の蓋を開ける時、お箸を持つ時や服のボタンを留める時、そのいちいちに涙目にならなくていいのは、ありがたい。
それで、服薬した後も起き続けるために、なかばチベットスナギツネのようなまなざしで、3日間はインド映画を見続けた。
本を読んだりゲームをするよりは手を遣わず、スマホでマンガを見るよりは課金が少ないので、次回の入院でもこの選択肢はよいかもしれない。
免疫がさがった状態で、映画館まで行くのは怖いものなぁ。

日曜日に退院して、その日から火曜日までは、自宅で安静。
下手にじたばたするのをやめて、ほとんど横になって過ごす。
家族の理解と協力があるから、できることだ。そこは本当にありがたい。
独居であったらどうしていただろうと、独居で闘病なさっている方々の苦労を思う。その大変さにも頭が下がる。
水曜日は通院日。這うようにして受診し、追加の点滴を受ける。
そして、木曜日から出勤する。

次の週はだいたい免疫が下がる。血液の状態がぐっと悪くなるからだ。
こうなると、普段は大丈夫な刺激に反応してしまい、治りが悪い。
アレルギー反応も出やすくなるのか、山芋のとろろを食べていたら口の周りがかゆくなったり、野菜を料理していると手がかゆくなるようなことが、しばしば起きる。
今回は、急に空咳が出始めた。微熱もあるが、痰が絡む感じではない。
耳鼻科に行ってみると、ウィルス性ではなく、アレルギーだと言われた。
原因としては、一番、あやしいのは猫。
こんな猫好きに、4匹と同居している私に、猫アレルギー疑惑。
というのも、ブラッシングしている最中に、10分以上、喘息のような咳が止まらなくなったことで、その後もひどい咳が続くようになってしまったわけで。
コロナじゃないのは幸いかもしれないけれども、咳が止まらないのはなかなかつらいまま、一週間を過ごした。

血液の状態が悪いと抗がん剤治療は受けられないので、今クールは最初から2回目の追加の抗がん剤治療の予定を少し後の日程で組んでいた。
それが昨日。
現状として、治療効果はあがっており、メインの腫瘍は2.1cmまで小さくなっている。治療前の半分以下だ。それはよいニュース。
悪いニュースとしては、赤血球が輸血が必要な状態まで、減少しているとのこと。それが息苦しさや倦怠感の一因なのだろう。その日に入院することは勧められなかったが、医師からは週末に入院することを勧められた。
といっても、そこには予定があることを伝えて、当初の予定通り、来週の入院にして、初日に輸血、二日目から抗がん剤治療になりそう。
もう一つのよいニュースは、肺炎にはなっていなかったこと。現在使用している抗がん剤の副作用に間質性肺炎になりやすいというものがあったので心配していたが、そこはクリア。
ただし、ここにも悪いニュースがあって、右肺が小さくなっているとの指摘。横隔膜が上がっており、確かに左右差がある状態。前回の画像と比べても、右肺が小さい。下の方が黒くなっている。これが4月にコロナになったときの副作用なのかなんなのか、水が溜まっているのか、つぶれているのか、とにかくCT検査を受けることになった。この結果は後日だ。

次々、いろんなことが起きる。
次回でブレオを使った治療は終了。一生の間に使える回数を使い切るから。
その後については、PET検査を受けてから方針を決めるよう、ステップを踏んでいきたいと考えている。
手術をするなら腫瘍を取り除くだけではなく腸を切るかもしれない。そうなると、私のQOLは一段と下がることになる。それよりは、しんどいけれども、抗がん剤治療でなんとかしたいものである。
しんどいけれど。

とりあえず、来週の入院に向けて、そろそろ荷物を詰めたりしないとなぁ。

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