見出し画像

病歴27:第2クールと効果判定1回目

5月16日 2回目の抗がん剤治療。
5月23日 造影剤CTを用いての効果判定。
6月10日 3回目の抗がん剤治療の予定。
この間のことを書いていこうと思う。
なお、現時点での効果は非常に微妙なものだった。

2回目の抗がん剤治療を受ける直前は、味覚も体調もずいぶんと持ち直した気がして、これならいけると仕事の予定をほいほいと決めていた。
自分がどうなるか、自分でも予測がつかないが、治療の継続のためにも、収入を手放すわけにはいかない。
2年前の抗がん剤治療では、全部で6クール18回の治療のうち、4クールから5クール目が苦しかった記憶があるので、今はまだ大丈夫だと判断したというのもある。
この先、どうなるかがわからないので、できるうちに、できることを。

2回目の抗がん剤の点滴が終わったその日は、昼間にたっぷりと休んだこともあり、比較的過ごしやすくしていた。
口の中の薬剤の味が気持ち悪いことは、前回の記事にも書いたし、食欲は低下した。
こうなると、身体の感覚がちぐはぐで、ばらばらになった感じがする。
お腹はすくが、食べると体の居心地が悪くなる。
胃腸が動いていないような感覚がして、食後に胃腸の位置を体内で感じて気持ち悪い。
いつまで経っても消化せず、食後から胃が気持ち悪い。積極的にもどしたくなるほどではないが、むかつきが続く。
口に入れたら、おかしな味がするので、美味しいと感じることができないし、なにが食べたいのかがわからなくなる。
食べることが不快なので、食べようという気、飲もうという気がわかない。
でも、空腹は感じる。
最初の3日ぐらいはひどい便秘で、その後は下痢が続いた。
胃薬、整腸剤、吐き気止め、どれをどう服んでいいのかも、持て余す。
自分で自分がどうしたいのかがわからなくなり、イライラしやすくなる。
結果、1週間で3kgほど、体重が減った。(その前に跳ね上がっており、その後に少し戻ったので、あまり大きな変化はない)

更につらいのが、抗がん剤治療の3日目ぐらいから出現した痛みだった。
手指、足指のしびれや脱力は、2年前の抗がん剤治療からずっと続いているのだが、そこに強烈な痛みが加わった。
太ももから下が痛い。骨にそって、神経ではなく、筋肉の痛みだと思うのだけれど、痛い。
たとえるなら、熱が38度とか39度とか出そうになるときの、インフルエンザやコロナワクチン接種したときのような痛みがやってきた。
泣きそうになりながら、横になっているしかできない。横になっていても痛いので、本当に嫌になる。
この痛みが、この先、半年以上続くと思うと、ぞっとした。
コロナワクチンの副反応は、3日限定だと思うから、平気だったのに。
この治療を継続する自信が大きく削られた。

この最初の1週間が非常につらいものだったが、1週間経過すると下肢の痛みはやわらぎ、ある程度は活動できるようになってきた。
そうなったところで、効果判定として、造影剤CTを受けた。
冒頭にも書いた通り、結果ははかばかしくなかった。
今回、私の体内には2つの腫瘍がある。一番大きなほうは小さくなったが、2番目に大きなほうは引き続き、大きくなっていた。
それぞれの直径を足した数値で見ると、治療前よりも数ミリ小さくなっているので、効果がゼロではないと考えるそうだ。

このままの薬剤で治療を継続して様子を見るか、薬剤を変えて試してみるか。
またも、決断を求められた。
薬剤を変えても、効果があるかどうかはわからない。どのように副作用が出るかもわからない。抗がん剤治療後に維持療法としてオラパリブが使えなくなる。
いろいろと考えると、現在の治療を更に継続して、もう少し様子を見る方が無難ではないかと考えた。
とりあえず、3クールほど続けてみて、次の効果判定をすること。その結果によって、治療方法の変更を改めて考えることになった。

この判定結果は、私にはショックが大きかった。
前回、効果があったのだから、今回も大丈夫だと信じていたのだ。
なんとかならないかもしれない危険性について、私は考えていなかった。
抗がん剤治療は、最低6クール、腫瘍がなくなるまでと聞いてはいたが、6クールで終わることはないんだろうなぁ。
いつまで治療を続けることになるのか。治療は効果があるのか。効果がなかったとしたらどうなるのか。
考えだすと、不安がふくれあがるというよりも、自分が物思いにぐいぐいと引っ張られ、沈み込むような気がした。

はたして、抗がん剤で治療するという選択肢にしてよかったのだろうか。
開腹手術はしんどいものであるが、手術を選んでいれば、細胞診があったはず。
今回の腫瘍は、現在の腫瘍と同じものかを確認することができたはず。
今回のそれぞれの腫瘍が同じものであるかを確認することもできたはず。
物理的に取り除くのであるから、腫瘍が小さくならないということもなかったはずで。
抗がん剤で小さくなった腫瘍は前回と同じものかもしれないけれど、大きくなっている腫瘍は違う種類のものではないかと思うと、すごく怖い。
新たながんを育てるとか、私の体、ほんとにやめてほしい。そうでないことを願っている。ちゃんと、効果が出てほしい。
持ち主に似て、刺激に対する反応が遅いだけだと、思っていたい。

今、深く考えないように気を張って、過ごしている。
抗うつ薬の服用は継続しているが、日にちの感覚がずれていくような離人感が強くなったり、胃痛がちょいちょい出現するようになった。
意欲を維持することが難しいことと、動悸や倦怠感、手足のしびれが私の活動を大きく阻害している。
安静にしていても脈がなかなか90をくだらず、ちょっと動くだけで110、120となる。この感覚は、オラパリブを減薬してから治まっていたので、久しぶりに感じた。
つまずきやすく、ふらつきやすい。足の裏や足指もしびれがあるので、砂利道を素足で歩いているような感じがする。
箸を扱うこと、シャツのボタンのような小さなボタンを留めること、つめを切ることが、結構、難しい。
それから、キーボードを打つことやスマホを触ることも、指が痛くて億劫になった。メールのお返事を溜めやすくなっており、連絡を返せずにいる方たちには申し訳ない。

今後、どうなっていくのだろう。
とりあえず、今週は3回目。
あの痛みがまたあると思う、億劫でたまらない。


サポートありがとうございます。いただいたサポートは、お見舞いとしてありがたく大事に使わせていただきたいです。なによりも、お気持ちが嬉しいです。