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病歴41:ただいま入院中

5月になり、連休明けの出勤する人たちを横目で見ながら、入院になった。
ようやく治療を受けることができる。

4月上旬の診察で腫瘍が大きくなっており、治療を切り替えることになって、それまで服用していたオラパリブを中断。
コロナにはなったものの、いくらか身体の状態としてはよい時でよかったと思う。
それから更に2週間が経過し、ほぼ4週間、腫瘍を抑制するような治療を受けていない。
体は楽であるが、ちくちくとした痛みが時折感じられるような気がして、不安が高まりつつあった。

月曜日の朝からの入院で、初日はレントゲンと心電図と血液検査。
あとはご飯を食べて、のんびりゆっくりするだけ。
今回は大部屋になったが、カーテンを締め切ったまま過ごすので、他の入院者とコミュニケーションを取らなくていいのは、だいぶと気が楽だ。
年若い同室者に世話焼きおばさんになりそうになるのをぐっと我慢。そういうところでエネルギーを使い出すと止まらなくなるから我慢。

それよりも、優先すべきことがあった。
15日までの配信の研修動画があったのだ。
入院の直前に気づき、Wi-Fiとワイヤレスイヤホンを持参した。
それらのセッティングをして、1日めの午後は動画を3つまで見た。全部で5つのうち、半分は超えた!
あまりノートには取らなかったが、とてもまっとうでよい内容だと思った。
イヤホンは苦手なので、音声は低めで再生したのが災いしたのか、睡魔との戦いも激しかった。
それでも、この研修は是非とも同業の人たちには受けてもらいたい内容となっていることを何度でも言いたい。

2日目から、点滴開始。
利き手ではないほうの前腕の外側に、ルートを確保。
吐き気止め、抗アレルギー作用などの副作用を抑えるものを最初に使い、エトポシド、シスプラチン、最後に薄めるための溶液を入れて、全部で6時間か、7時間ぐらい。
最初のほうで眠気が強くて、なかなかのお昼寝タイム。
今、思うと、研修動画の続きとの相乗効果があったのかもしれない。無事に動画はすべて目を通した。テストがあったらやばいかもしれないけれど、気になったところは繰り返し見るところまではした。
昼ごはんは眠すぎて、あんまり捗らなかった。

病棟の看護師に、入院の担当医、主治医、緩和ケア内科医、緩和ケア看護師、ソーシャルワーカー、薬剤師、栄養士と、私に関わる人は多い。
順番に訪ねてきてくださるので、案外、寝たきりにはならない。
周りに人の気配があり、定期的に点滴の様子を見たり、薬剤の交換に看護師さんが来てくれるとはいえ、こうして訪ねてもらえる、声をかけてもらえることに、ずいぶんと安心した。
かねてから知っている人が気にかけてくださる。そのことで、忘れ去られていない、と感じて、ほっとしたのだと思う。
これぞ、臨床。
まさに、ベッドサイト。

3日目の本日は、6時には目を覚まし、7時には顔を洗って、ヨガやストレッチを軽くやってみた。
左手には点滴の針が置かれたままであるので、そこにあまり力をかけないように。
上半身をゆっくり伸ばし、特に太ももの裏側や、足の裏側を伸ばすようにする。
足裏をマッサージして、ふくらはぎ、膝の裏側まで揉む。
Cat&Cowをしたり、ベッドの上でできそうなことを思いつくままやった後、カーテンに隠れているからと、スクワットなども始めてみる。
いやほんと、体がなまっていてやばい。

今週の5日間連続の点滴のうち、今日だけはブレオというお薬が加わる。
間質性肺炎になりやすい副作用があるため、一生の間に4回しか使えないと聞いた。
これは、来週、再来週も外来で点滴をすることになっている。
第2クールからはどうなるんだろう…。
今は最後の薄めるための溶液の段階で、あと1時間以内には終わると思う。
8時間コースはさすがに長くて、時間を持て余しがち。
この治療を継続するなら、入院時の暇つぶしを十分に検討する余地があるなぁ。

とりあえず、やってみないとわからないと自分に言い聞かせて踏み切った。
体調が悪くなければ、最速で退院したいとゴリ押しできる。
日曜日には旧友と会う約束をしているし、月曜からは出勤するつもり満々で仕事を入れているのだ。
体調が悪くても、退院さえしてしまえば、仕事できるし、と剣呑なことを考えているのは家族には内緒である。
今後のことを考えると不安でたまらないが、とりあえず、まだ副反応も出ていないし、そこそこ元気です。という報告です。

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