見出し画像

病歴33:抗がん剤中のコロナワクチン

5回目の抗がん剤治療の日にコロナのワクチン接種を受けたほうがいいことになり、その日のうちに接種券を申し込んだ。
ひとつ前の記事にワクチン接種の話を一旦は書いたが、整理のために一部を削除して、こちらに書き直すことにする。

コロナのワクチン接種のタイミングが非常に限定的であることを、主治医から説明された。
場合によっては、ワクチン接種にあわせて、抗がん剤治療の日程をずらすこともあると言われた。
とはいえ、私の仕事は予約制であるため、私の予定が変わるとクライエントさんたちに連絡し、予約を調整しなおさなければいけなくなる。
そのため、なるべく予定は変えたくないし、できれば仕事をあんまり休みたくない。
だって、収入がそれだけ減るんだもん。

抗がん剤治療の後は仕事を一週間休むことにしているので、そこにコロナのワクチン接種を重ねるほうが仕事を休むことは少なくできるのだが、予約が取れるならなるべく早くのほうがいい。
10人に1人はコロナの陽性と思ったほうがいいという状況で出勤したり、外出することに、緊張を感じる。
免疫が弱っている状態で感染したら、病状としてどうなるのか、というのもあれば、生活がどうなるのか、というのもあるし、いろんな意味で怖い。
だから、できるなら仕事を休んででも、6回目の点滴の前に受けたい。
職場上司に相談したところ、自分の治療を優先するように言ってもらった。
ワクチン接種後に休むことも、仕事の予約が入っていない日は休むことも了承してもらった。
毎度のことながら、ありがたい。
7月、8月と、月の半分近くを休む状態が続いており、いつかくびになりそうと思ったりする。
ほんとによく雇い続けてもらっている。働ける日はがんばる。

6回目の後ではなくて、その前に受けようと決めた理由には、抗がん剤の副作用がずいぶんとつらくなってきたというのもある。
抗がん剤の点滴を受けた日から、3日目はまだしも5日目ともなると、例によって下肢の筋肉や関節が痛くなる。高熱を出すときのような痛みだ。ついでに、背中も肺に差し込むように痛みが走る。
息はきれやすいし、脈は速くなるし、体はとにかくだるくて、もうこのままずっと家で安静にしていたいと思うぐらい。
この状態は、発熱こそ微熱程度なほかは、コロナのワクチン接種を受けた時に似ているのだけど、これに高熱が重なり、しんどさの重ね掛けにするのは無謀だなぁとさすがに思ったのだ。
耐えられる自信がない。

申し込んでから10日ほど経って、接種券がようやく届いた。
これまでは職場で他のスタッフと一緒に予約をしてもらっていたが、今回は初めて自力での予約。
予約サイトを開いては、いつにしようか、どこで受けようか、ずいぶんと迷った。
これまで3回ともファイザーだったから、初めてのモデルナにしたら副反応はどうなるのだろう?
いつなら、一番、仕事を休まずに受けられるだろう?
何時からどこで…と、迷いに迷って、決めかねたが、いいかげんに申し込まないと6クールより前に受けられなくなる。
えーいと覚悟を決めて検索した時、前日までは見当たらなかった選択肢が見つかった。
次の婦人科受診の翌日、わりと近所の内科で、ファイザーで予約することができた。

主治医にOKをもらったので、心配せずにコロナのワクチン接種を受けられたのはよかった。
今までの3回は、下肢の筋肉が痛くなり、寒気がして、高熱を出していたが、今回は、下肢の痛みがわからなかった。
いつもと同じぐらいに痛い。
痛いのがデフォルトになっているので、それ以上に痛みが強くなるというのはないんだなぁ。
それで、発熱しないのかな?と油断したら、ワクチン接種の翌日には39.1℃。
体温計を見ながら、自分のテンションが妙に高くなる。
鎮痛解熱剤を使ってみたり、額や首を冷やしてみたり、いろいろとしながらなんとかしのいだ。

翌日には38℃、その翌日には出勤。
仕事を休んでいる間も、家で内職をしたり、家事をしたりしていたのは、発熱で私の判断能力がちょっとおかしいことになっていたのもあるかもしれない。
おまけに、飼い猫のことが心配で心配で落ち着かなくて。
いやはや、慌ただしいこの一週間だった。

明日は6回目の抗がん剤治療。
その後の2日ぐらいは比較的動ける。そこで油断していると、3日目頃から急に調子が悪くなる。
寝込むことになるのだから、動ける時に動いておかないと。
そんなことを思ってこれを書いていると、もう午前3時になってしまった。

調子を崩してから回復するまでの期間がだんだん長くなってきたし、調子の悪さもひどくなってきた。
気を失うことはなくても遠のきそうになったことは何度かある。
それに、口内炎や下痢がずいぶんひどくてつらかった。
最初の頃は不調は1-2日のことだったが、この頃は不調になってから一週間から10日ぐらいかかるようになってきた。
ちょうど、白血球が減少していく期間がつらく、そこから回復していく期間で少し動けるようになる。そういうリズムだ。
この白血球が減少していく期間は、骨髄を抑制しているのだし、髪も抜けるし、爪ののびも遅いのが面白い。

抗がん剤治療中は、ゲームで言えば、デバフの重ね掛け状態。
抗がん剤治療の副反応というのは、最大HP半減の呪い+スリップダメージの呪いのようなものだ。
回数を重ねるごとに、HP半減が継続するだけではなくて半減したものの半減になって更に半減…ということが起きる上に、スリップダメージのダメージ幅も大きくなっていくような、そういうデバフ祭り状態。
しかも、回復量の減少まで加わるのだからしんどい。
毎日がなんかのボス戦に赴くような気分になる。

治療は案の定6クールでは終わらないことになったが、あんまりしんどいので、7クール目は3週間後ではなく、4週間後に設定してもらっている。
一週間まではずらせるのだそうだ。
私が元気になれば、がん細胞も元気になってしまうから、それ以上、間隔をあけて回復をはかるわけにはいかない。
これは、私とがん細胞の我慢大会。


サポートありがとうございます。いただいたサポートは、お見舞いとしてありがたく大事に使わせていただきたいです。なによりも、お気持ちが嬉しいです。