目標にしていた茶会が終わりました。
今年の目標としていた、お茶会が終わりました。
そのお茶会は茶道の師匠、88歳の人生最後の茶会。
コロナ前に間質性肺炎を患って入院され、それからどんどんと弱っていかれました。
覚悟は常にしています。
だけど、恩返しをできないままなのは嫌だ思っていました。
そんな弱ったお身体を奮い立たせるように、茶会の準備をされる師匠を側で見ていました。
茶碗を持つことさえもカンタンじゃなくなっていました。
記憶も長持ちしなくなってきました。
そんな中でも、命を燃やして用意されていました。
わたしたち弟子はめちゃくちゃ翻弄されました。
おっしゃっていることが瞬間で変わります。
マルが急にバツになり、突然怒り出します。
…わからない。
何が正解かわからない。
茶会が行われる直前の1ヶ月は師匠に感謝を胸に優しく接して、恩返しするぞ、と思っていたのに、朝三暮四な状態が続き、振り回され過ぎて、だんだんと腹が立っていました。
理不尽に責められることもしばしば。
優しくなんてできるか〜💢
完璧主義者な師匠は人に頼ることができません。
そんなにわたしたちを信用していないんですか?
と何度お訊ねしたことか…
35年もお付き合いしてきたのに、信用されてない…
それが悲しくてたまらなかったです。
当日は161名もの方がお越しくださり、
懐かしい顔に会えたと師匠は本当に嬉しそうでした。
酸素を吸わないとお話しもできないのに、
茶席ではそんなものはいらん!
と凛としてらっしゃいました。
厳しい、あの師匠がそこにいました。
わたしはそのお姿を見ながら、お運びをし、
背中にその声を聞きながら、お点前をしました。
神様どうかお願い。
このまま、茶会が終わるまでは、連れていかないで、と祈るような気持ちで。
必死で働きました。
蒸し暑い日で、ずぶ濡れ状態で、
化粧も落ちて、湿気で髪も跳ねて、
それはどこから見ても美しくなかったことでしょう。
そんなことはどうだっていい。
ただ、ただ、師匠の茶会を手伝えるのはこれが最後。
とにかく円滑に。
とにかくお客さまに喜んでいただけるように、と。
茶会が終わってから、師匠にはまだお会いしていません。
先輩からうかがったところ、翌日は疲れ果てて動けなくてずっと横になられてたとのことでした。
茶会の後はお道具を干して、乾かして片付ける仕事も残っています。
先輩が干しに行ってくださったので、片付ける時には手伝いに行こうと思います。
本当に恩返しできたんだろうか…
結局、優しくできなかった。
師匠にキツいこと言ってたなぁ。
次に会った時、師匠はわたしを褒めてくれるかな。
褒めて欲しいな。
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