翼折られ無慈悲

季節のない年月は幽霊のよう。
だのに電脳をつけまわされる毎日。
幸せにエネルギーを消耗できる事は、幸いでしょう。
生きるの概念が、最近はよくわかりません。

誰の目にも触れぬ不本意のまま、皆の記憶から事実も本人も消えてしまう事を、悦ばれている長年が、堪え難いです。
会い話す年月を奪った人々は、どんな風に生きるのでしょうか。
何故みな私の周りは私を悉く何処かへ封じ込めたがったのでしょう。
手足をもがれては逃げ出せない。

昔、兄と父が、
木の実を啄みに来た野鳥の翼を無慈悲に折った事があり、
私は思わず助けようと走ったが、命を助ける事はできなかった。
亡くなる前日、
一緒に空を見た時、
人間は怖かったろうに、すぐ指に乗ってくれた。
人より心の広い動物に、私は多く逢った。

野鳥の無念をあらためて想う。
また人の報いを思う。

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