猫 #001

学校の帰りに、猫に出会った。
白い毛で、青い目の、ふわふわした猫に出会った。
マンションと店の間の路地から、顔をのぞかせて、私のことを見つめていた。
あの子は間違いなく、私を見つめていた。

いつもと同じように、5限で終わる学校を友達と出て、赤い自販機の前まで3人で雑談しながら歩いてきた。自販機の前で、私たちは分かれる。私は左側、ゆうこはまっすぐ、みきは右側。
今日も笑顔で手を振って、それぞれ家に向かう。

そこそこの田舎で、この道は車もあまり通らないし、ちょっと先の角の所でいつも花に水やりをしているおばちゃんに挨拶してから、iPodで音楽を聴こうと鞄の中を探していたときだった。
ちょうど、角を曲がったときだった。

前を見ると、真っ白な猫が、私を見つめていた。これは絶対に、いつもと違う。

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