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夜の公園

大好きな君と

キラキラ光るネオン街で
働く君と私

なによりも2人共大のお酒好きで
タダでお酒呑めるよーって
水商売をしていたはずなのに
休みの日には
その大好きなはずのネオン街から
少し離れた静かな住宅街の中の
ブランコと砂場しかない様な小さな公園で
夜な夜な呑む
コンビニで買った缶ビールとおつまみにはカルパス

ネオン街にいる時とは違う
周りの目を気にする事もなく
誰かに気を遣う必要もない
無理に会話をする必要もない
やる気のない部屋着の様な適当な格好で

静かな夜の公園で
小さな音で音楽を聴きながら
ただぽつんと2人で


ーーーーー

君と初めて出会ったのは
半ば無理矢理連れて行かれた君の働くお店で

その日は仲のいい友達の茱里のお誕生日でした
茱里のお誕生日会を
茱里のお気に入りのホストがお祝いしてくれると言う
なんと言う営業方法
私はあまりホストクラブが好きではなくて
正直躊躇ったのだけれど
茱里のお誕生日会
+ただ酒と言うパワーワードに釣られて
仕事終わりに友達と3人で駆けつけました
エレベーターを上がるとお店の前にまだ茱里がいた
「茱里??中入らないの??」
『 連絡取れないの お店もまだやってないみたいで、、』
自分から呼びつけておいてこれまたなんと言(ry、、
携帯片手にいらいらする茱里を横目に
とりあえずとお店のドアを勝手に開けにかかった
その時に【バン!!!】と音がして私はドアに激突した
思わず痛さで蹲る
『 うわッ!!! ごめんね!!!』
なんてことはない
開けようとしたドアを中から思いっきり開けられて
激突したんだけど
「ゔぁー(泣 」
嘆き半分で顔を上げるとそこにいたのが君だったんです

そんな記憶に残る出会い方をしたはずの君が
連絡をしてきたのはそれから2週間程が過ぎてから
『 ななー 俺今TV見てたらななが出てきたー』
初めての電話の第一声がこれでした
お店にいる時も正直少し変わってる人だと思ったけど
やっぱり変わってる人だなと思った
(ホストの方ってお礼を含めですが連絡先を交換するとすぐに連絡してくる方が多いので 個人の見解ですが)

しかも君とは会話が噛み合わないんです
天然的ないらいらする感じでは決してなくて
え?? そうくるの??って
愉快な切り返しをしてくるタイプの人

私はよく土屋アンナさんに似てるって
言って貰えるんですが
たまたまTVをつけてたら土屋アンナさんが出てきて
私思い出したらしい 笑

「それ多分だけどななと違うと思うよ??」
『 なな今何処??なにしてるの??』
「仕事中ー」
『 俺今日お休みだからご飯行こー』
「仕事『 ご飯行こー』
「1時間後に迎えきて??」
『 OKー』

そんなマイペースなやり取りと雑な会話に
初めてのご飯も違和感もなにもなく
なぜか居心地の良さすら感じてしまい
多分それは君も同じで
それから君は
毎日仕事終わりに電話をかけて来るようになって
一足先に仕事終えてる私と合流し
酔っ払い2人で近所のファミレスに
モーニングと言う名の夜食を食べに行く
«当時ホストクラブは朝まで営業していて
  私は深夜に営業が終わりそのままアフターに行ったり
  友達と遊んでたりと朝まで呑んでるコースでした»
そんな出会いと始まりでした

ーーーーー

そんなお酒好きな2人が
休みの日には
キラキラ光るネオン街じゃなく
お洒落なお店で呑む
お洒落なカクテルじゃなく
お高いお酒でもなくて
『 今日は休肝日ね』
って言いながら
公園でちまちま呑む缶ビール

そんな時間が空間が
なによりも大好きでした



#ここで飲むしあわせ

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