見出し画像

ClariS「眠り姫」の主人公は好きな人と結ばれる未来を夢見てコールドスリープを繰り返してる?

まえがき

初回から6500文字超という恐怖のロケットスタートをかました本ブログ。
第2回目も筆者の最推しClariSの「眠り姫」を考察していきたいと思います。

曲紹介

作詞・作曲・編曲:重永亮介

3枚目のアルバム「PARTY TIME」(2014年6月4日発売)の3曲目。
前回のホログラム同様、こちらもファン人気の高いアルバム曲です。
※アーティスト紹介は前回参照として省略

歌詞考察

曲全体のストーリーへの仮説

好きな人と永遠に結ばれない運命と悟った女の子が、いつか結ばれる未来が来るまでコールドスリープ&タイムトラベルを繰り返している。

では、前回と同様に考察しながら歌詞を順に見ていきます。
ただ、今回は説明のしやすさの都合で、まず仮説に沿った自分のストーリー解釈をつらつらと書いていってから細部を補足したいと思います。
※歌詞は歌ネット(https://www.uta-net.com/song/164941/)からの引用

1番

ひとつふたつ 終わり数えるカリキュラム
ゆっくり廻る 針を追いかけて過ごしてるの
五分半で見た夢の続きなんて
もうこれ以上 退屈しのぎを求められない
22世紀のわたしは ロマンス求めるプログラム
目覚まし時計なんて もう必要ないの
ミナイコナイイナイキライ わたし眠り姫
現実じゃない空を飛ぶためのチートコード
泣いて泣いて泣いて泣いて 嫌な事だけは
リセット出来ない 繰り返しまた夢を見る

コールドスリープの工程(カリキュラム)が1つずつ終わっていく。
外の現実世界では長い時間が経過しているが、コールドスリープの機械の中にいて時間の流れが遅い(ゆっくり廻る針)自分にとっては、まだ数分間(五分半)しか経っていないように感じられる。
本当は早くこの眠りから目覚めたい。もうこれ以上退屈な機械の中で過ごすのは嫌だ。
このまま眠り続けて22世紀になる頃には、きっと私は人間じゃなくなってあなたからの愛(ロマンス)を求めるプログラムになってしまう。
人間じゃなくなったら、眠りから覚めるための目覚まし時計なんてもう必要なくなるわ。(自虐的な皮肉)

コールドスリープから目覚めたのに、今回もあなたは私を迎えに来てくれない。結局彼と結ばれない運命は変わらなかった。なぜ?どうして?
こんな現実見たくない。(ミナイ)
あなたは私の元に来てくれない。(コナイ)
私の目の前にあなたはいない。(イナイ)
私を迎えに来てくれないあなたなんて嫌い。(キライ)
あなたと結ばれる未来が来るまで、また眠りにつくわ。(わたし眠り姫)
現実では叶わない夢を叶えるためのズルいこと(チートコード)だって分かってるの。
時間は巻き戻して何回でもリセット出来ても、この悲しみの記憶だけは残り続けてしまう。
それでも、いつかあなたと結ばれる日が来ることを信じて、ひとしきり泣いた後にまた眠りにつくの。

2番

ひとつふたつ 埋まってく仮想メモリー
近未来の恋とは何かを探してたの
長い黒髪を揺らした 少女にまつわる七不思議
言葉の一部始終 誰も覚えてないの
ユレルマワルワラウキエル わたし眠り姫
物語のトビラを開いていくキュレーター
泣いて泣いて泣いて泣いて 秘密の未来は
リセットしても 忘れずにまた夢を見て

コールドスリープの眠りにつく間、あなたと結ばれた未来を想像する。想像の世界での想い出(仮想メモリー)はもう沢山作れてるのに、いつになったらこれを現実に出来るの?
現実世界では長い時間が経って、もう私のことを知っている人はほとんど居なくなっているはず。(行方不明扱いになっているのかもしれない)
もしかしたら「長い黒髪の少女の七不思議」みたいにオカルトな噂話になっているかもね。
空間を揺らしながら現れて、(ユレル)
クルクルと回って、(マワル)
不気味に笑って、(ワラウ)
姿を消す。(キエル)
私はそんな噂話のお姫様。(わたし眠り姫)
噂話の物語を作り出す主は私。(curator=博物館・図書館などの館長)
何度あなたが迎えに来てくれなくて泣いても、リセットを繰り返しても、あなたと結ばれる未来だけは忘れずにまた眠りにつくの。

Cメロ~ラスサビ

時の隙間を流れていく
ひとつになった世界を歩いて確かめる
「はぁ・・・」※
ミナイコナイイナイキライ わたし眠り姫
現実じゃない空を飛ぶためのチートコード
泣いて泣いて泣いて泣いて 嫌な事だけは
リセット出来ない 繰り返しまた夢を見る
約束した時間まで また夢を見る

(※歌詞カードには書いてないが曲中で言うセリフ)

繰り返しコールドスリープ&タイムスリップをして、時間の流れの中を彷徨う。あなたと結ばれた世界線がどこかに無いか必死で探し続ける。
でも、いくら探してもどこにも見当たらない。あなたと永遠に結ばれない。
もう諦めるしかないの?
「はぁ・・・」(クソデカ溜息)
こんな現実見たくない。(ミナイ)
あなたは私の元に来てくれない。(コナイ)
私の目の前にあなたはいない。(イナイ)
私を迎えに来てくれないあなたなんて嫌い。(キライ)
あなたと結ばれる未来が来るまで、また眠りにつくわ。(わたし眠り姫)
現実では叶わない夢を叶えるためのズルいこと(チートコード)だって分かってるの。
時間は巻き戻して何回でもリセット出来ても、この悲しみの記憶だけは残り続けてしまう。
それでも、いつかあなたと結ばれる日が来ることを信じて、ひとしきり泣いた後にまた眠りにつくの。
あなたと約束した時が訪れるまで、あなたの夢を見て待つの。

補足

つらつらと自分の解釈を書いてみましたがいかがでしょうか?
100%正解な自信は無いですが、全体のストーリーとしては一応整合性が取れてるんじゃないかなぁと思っています。
歌詞の「22世紀」「プログラム」「近未来」「仮想メモリー」などのキーワードと、イントロ冒頭や40秒付近(「22世紀~」)で流れるタイムマシンの操作音っぽいSE音から、コールドスリープ&タイムスリップというSF的な世界観で仮説を立ててみました。

ラスサビ前の「はぁ・・・」は歌詞カードには書いてないですが印象的なセリフでこの曲の一番の聴きどころと言っても過言ではなく、ClariSの武道館ライブ映像では「はぁ・・・」で客席から悲鳴のような歓声が上がるくらいファンならみんな好きなパートです。
自分の解釈だとこれは絶望と悲嘆の溜息なので、この直後の「ミナイコナイイナイキライ わたし眠り姫」はラスサビの盛り上がりと相まって悲痛な叫び声のように聴こえます。

前回の「ホログラム」と今回の「眠り姫」、そして今後紹介する予定の「シニカルサスペンス」は全て作詞が重永亮介さんですが、3曲とも抽象的な言葉選び・悲恋のストーリーが共通していると個人的には思っています。
ある程度曲数聴いていくと「この人の歌詞はこういう世界観」みたいな勝手なイメージが出来ていってそれに引っ張られて誤読してる可能性もありますが、そういう勝手なイメージもファンの楽しみ方の1つと思っています笑。

あとがき

好きな人と永遠に結ばれない運命と悟った女の子が、いつか結ばれる未来が来るまでコールドスリープ&タイムトラベルを繰り返している。
結局結ばれる未来は最後まで見つからず嘆き悲しむが、それでも彼への気持ちは捨てられずまた一人で眠りにつく。

前回の反省で書き方を工夫したので文字数が半分以下になりました!
3000文字にほぼ収まって嬉しい!笑

では、ここまで読んで頂きありがとうございました~。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?