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ClariS「ホログラム」が街中で偶然見かけた元カレへの未練に聴こえる

まえがき

というわけで始まりました本ブログ。
記念すべき第1回目は、私の最推しアーティストClariSの「ホログラム」をご紹介したいと思います。
ますは簡単なアーティスト・曲紹介から。

アーティスト・曲紹介

ClariSとは?

アニソン好きには説明不要かと思いますが、俺妹・まどマギ・物語シリーズや、最近だと今年の夏の話題作となったリコリス・リコイルなどの主題歌を歌ってきた女性二人組グループです。
10日前の2022/10/20(木)がデビュー12周年記念日!中学生でデビューしてから干支一周・・・昔からのファンとしては感慨深さがヤバイです。

クララとカレンの女の子2人組。
アニメ専門音楽雑誌「リスアニ!」がClariSの楽曲を付録CDにし特集を敢行。
それを見た「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」のアニメプロデューサーが目をつけ、TVアニメ オープニングテーマに新人ながら大抜擢される。

2010年10月20日、ユニット名を“ClariS”に変更し、シングル「irony」でメジャーデビュー!
デビューシングル「irony」はオリコン初登場7位を獲得!!
華々しいデビューを飾ったClariSは2nd シングルで再び強力なTVアニメ「魔法少女まどか☆マギカ」のOPテーマを担当。2nd シングル「コネクト」はオリコン初登場5位にランクイン!

ClariSオフィシャルサイトより引用(https://www.clarismusic.jp/bio/)

ホログラムとは?

作詞・作曲・編曲:重永亮介

4枚目のアルバム「Fairy Castle」(2017年1月25日発売)の3曲目。
いわゆるアルバム曲ですが、ファン人気も高くライブでも盛り上がります。
筆者は今年の夏にファン歴10年にしてようやく初参戦したライブでイントロが掛かった瞬間にカオナシになりました(「アッ・・・アッ・・・マッテ・・・ムリ・・・」)

歌詞考察

曲全体のストーリーへの仮説

・季節は冬 → 2番の「マフラーに顔を隠して」からの推測
・付き合っていた彼氏と夏に別れた → 「二つ前の季節に今更戻れない」と「マフラーに顔を隠して」から
・「ホログラム」→ 彼の幻影、彼と過ごした取り戻せない日々の想い出

では、自分がこう思った根拠を挙げながら歌詞を順に見ていきます。
※以下の歌詞は全て歌ネット(https://www.uta-net.com/song/222740/)からの引用

1番Aメロ・Bメロ

雨玉の中紛れた 光の粒が奇麗で泣きそうだった
バス停の側 しゃがんで 広げた指の隙間を通り過ぎた
懐かしいなんて思う程 時間は過ぎていないけど
スカートの裾を掴んで 聴こえない振りをして塞いだ「ごめんね。」

まず最初の「雨玉の中〜通り過ぎた」がいきなり抽象的な言葉選びなんですが、自分はこれ「別れた元カレを街中で偶然見かけた」って場面なんじゃないかと思ってます。
この部分だけだと色々解釈が分かれる余地がありますが、後の歌詞を読んだ上でこの最初の部分をもう一度読むとそう仮定すれば話の辻褄が合う気がしていて。

なので、自分の解釈だとこの2行はこうなります。
「雨が降る街の中で、別れてしまった彼を偶然見かけてしまった。雨粒で視界が悪くて見えづらいはずなのに、彼への未練がまだくすぶってる私には彼の姿があまりにも眩しく光り輝いて見えて、思わず泣きそうになった」
「彼が私に気付いたら気まずいから、並んでたバス停の側でとっさにしゃがんで隠れて、自分の顔も手で覆って隠した。でもやっぱり彼の事が気になって、目元の部分だけ指を広げた隙間から彼の姿をずっと目で追った」

うーん、この解釈だともう最初から少女漫画感全開ですね笑
でも、結構実際にありそうなシチュエーションだと思うんですよね。テレビのドッキリ番組でも好きな男性芸能人と突然対面した女性ってまず顔隠したり「メイクしとけば良かったー!」って言ったりしますし。
未練があるまま別れた恋人を見ちゃうけどこっちには気付かれたくない、とかは普通に男女共にそうだと思います。

で、次の「懐かしいなんて思う程時間は過ぎていないけど」で、まだ別れてからそんなには時間が経ってないらしいというのが分かります。
まだこの段階では「告白出来ないまま卒業とかで離ればなれになっただけじゃない?」って解釈もあると思いますが、自分は2番以降の歌詞でこの2人は明確に一度は付き合ってたと思ってるので前述した解釈になってます。

「スカートの裾を掴んで」が切ないですね。バス停の側でしゃがんで片手で顔を隠してるけど、彼への気持ちが溢れそうでジッとしてられなくて思わず空いてるもう片方の手で自分のスカートをギュッと握りしめてしまう。
スカートが私服なのか制服(高校生以下)なのか分からないですが、青春感があって好きです。バス停ってことは通学経路での出来事なんですかね?

「聴こえない振りをして」が何に対してなのかはハッキリしない部分が残ります。彼から何か声を掛けられたけど無視したって捉え方もありますが、自分の解釈では彼には気付かれてないはずなのでちょっと違うかなと。
そうなると、例えば彼が友達とかと一緒に帰ってる場面で彼の話し声が聴こえてきて、久しぶりに聴いた大好きな彼の声で気持ちが抑えきれなくなって、思わず自分も声を掛けそうになったけど理性で必死にこらえた、とかそんな解釈も出来そうです。
必死にこらえる過程でスカートの裾を握りしめたのかな、とか切ない想像が膨らみます。

1番サビ

覗き込んだ筒の奥 散らばるホログラム
目にした覚えの無い 淡いグラデーション
無限に伸びてゆく しろくろホログラム
出口の無い道の 先をまだ探している

「覗き込んだ筒の奥 散らばるホログラム」は万華鏡をイメージしてる感じでしょうか?
筒を覗き込むとカラフルで煌びやかな模様が見える、でもそれはあくまで筒の中の虚構の景色で自分の目に実際に映る現実の風景とは違う。
っていうのが、彼との想い出に現実逃避してるような表現に思えます。
この辺で「ホログラム」は彼の幻影・彼との想い出なのかなって解釈が自分の中で固まってます。
「無限に伸びてゆく〜探している」は、彼との別れからまだ立ち直れてない私には世界が色を失ったように見えて(白黒=モノクロ)この悲しさの出口を探している、っていう失恋で沈んだ気持ちの表現なのかな〜と。

後で詳しく触れるんですが、実はラスサビでも出てくる「グラデーション」の部分が未だに自分でもしっくり来る解釈を見つけられてないんですよね。現時点で自分が考えてることは後ほど書くんですが、ここについてはコメント等でご意見頂けたら嬉しいです。

2番Aメロ・Bメロ

改札を出て叫んだ 言葉が距離を埋めることはなくて
マフラーに顔を隠して 閉じた瞳の中で泳ぎ続けた
もう一度逢える気がして 捨てる事ができなかった
手紙を知らない空に 置き去りにしてそっと呟いた「ごめんね。」

1番では「バス停」だった場面が「改札」=電車の駅に移っています。
目の前に彼が居る状態で叫んだってストーリーもあるかもしれませんが、1番の解釈からこれは主人公が1人で叫んでる(彼はいない)と考えてます。

なんで急に電車に乗ったの?って部分は「知らない空」がヒントになってるんじゃないかと思ってて、自分の想像では1番で偶然彼を見かけたけど結局声を掛けられなかった主人公は、心のモヤモヤと高まった気持ちと悲しさで居ても立っても居られなくなって、衝動的に電車に乗って当てもなくさまよい始めたんじゃないかなーと。

で、降りたことのない駅で電車を降りて改札を出た時に、知り合いも誰もいない街に来たことでとうとう我慢してたモヤモヤが抑えきれなくなって、改札を出た時に叫んだ。っていう光景を想像してます。

自分も高校生の頃に不登校になりかけて学校に行きたくなかった時期があって、その時は朝電車に乗ったけど学校行きたくなくてそのまま電車に乗り続けて、意味も無く江ノ島まで行ったことがありました。
片瀬江ノ島駅に着いた時の、誰も自分を知らない場所まで来たっていう変な解放感と「俺何してるんだろう・・・」っていうやるせなさは未だに印象に残っていて、その実体験に引っ張られて「思春期こじらせると当てもなく電車で知らない街に行きたくなる」っていう変な直感に基づいた考察です。
(隙あらば自分語り)

歌詞に戻ると、結局「言葉が距離を埋めることはなくて」なので叫んでも彼との関係は何も変わらないっていうやるせなさが伝わってきます。
「マフラーに顔を隠して 閉じた瞳の中で泳ぎ続けた」なので、冬の知らない街を歩きながらマフラーで顔を隠して、目を閉じて彼との想い出に浸ろうとしているっていう場面が想像できます。

「もう一度逢える気がして捨てる事ができなかった 手紙を知らない空に 置き去りにしてそっと呟いた「ごめんね。」」
この手紙は、多分まだ彼と付き合ってた時(もしくは告白した時?)にやり取りしてたラブレターなのかなと。
彼との忘れられない想い出が詰まってるから、この手紙を持ってたらまだ彼と繋がってるような気がして捨てられなかったんですね。切ない・・・。
急に取り出せるってことは多分カバンに大切に入れて常に肌身離さず持ち歩いてたんですよね。別れた今でもいつでも彼と一緒に居たいから・・・。

で、その手紙を折り紙にして紙飛行機を作って、知らない街の空に飛ばして投げ捨てた。それが「手紙を知らない空に 置き去りにしてそっと呟いた」の光景なんじゃないかなと。
この「置き去りにして」っていう動詞のチョイスが良いなって思います。決して未練を完全に断ち切ったわけでもなく、気持ちの整理が付いたわけでもなく、「もうこれ以上苦しみたくない、早く彼のことを忘れたい」っていう苦しい気持ちから衝動的に投げ捨てた。手紙と一緒に私の未練も知らない空に無理矢理「置き去り」にした。そういう自分でも整理出来てない主人公の気持ちが伝わってくる感じがして好きです。

2番サビ

窓の外 乱反射 消えないホログラム
涙越しに視える 街はイミテーション
素直になれなくて 痛いよホログラム
通り過ぎたはずの 日々をまだ夢見ている

1番サビは「筒の奥」でしたが今度は「窓の外」になりました。この窓は帰りの電車の窓ですかね?「消えないホログラム」なので、手紙を捨てた後でも結局彼への想いは完全には消えてないみたいです。
まあしょうがないですね、無理矢理置き去りにしただけなので・・・。
「涙越しに視える街はイミテーション(偽物)」なので、今の現実はやっぱり主人公にとって受け入れがたいもののようです。
「通り過ぎたはずの 日々をまだ夢見ている」は、主人公が未だに過去(終わった恋愛)に囚われ続けているっていう念押しみたいな感じがします。

Cメロ

傘を並べて 当てもなく過ごして
雨の下 歪な足跡を辿った
誰も知らない 二人だけの時間
想いだけが光のように 透過してるよ

Cメロに入ると「傘を並べて」なので、誰かと2人で歩いてる光景に切り替わります。素直に考えたら主人公と彼ですね。
これまでの解釈を基にすると今2人で歩いてるわけはないので、これはまだ付き合ってた頃の想い出の光景みたいです。
「歪な足跡を辿った」が「彼との想い出の場所を一人で歩いた」って読めなくもないですが、全体の文脈を考えるとここは過去の想い出の中の2人の景色なんじゃないかなーと。
「誰も知らない二人だけの時間 想いだけが光のように透過してるよ」がすぐ後に来ますし、やっぱりこれは忘れたくない彼との想い出の光景っぽいですね。
個人的には、この「誰も知らない二人だけの時間」が付き合ってた説の根拠の1つです。まあ、片想いのままだったけど2人で放課後歩いた時間を想い出として噛み締めてるって解釈もありそうですけど、ちょっとそれだと重い女過ぎるしそれを「誰も知らない二人だけの時間」って表現するのはそこはかとないメンヘラ臭がしてしまって・・・笑
普通に付き合ってた時の想い出って解釈する方が青春っぽくていいかなーという個人的なお気持ちに基づいているので、議論の余地はあると思います。

ラスサビ

二つ前の季節に 今更戻れない
振り返るはずもない 違うレールを進む背中に「サヨナラ。」
声にならない声 溢れるホログラム
今になって気付いた 淡いグラデーション
無限に伸びてゆく しろくろホログラム
出口の無い道の 先をまだ探している
君の手を探している

「マフラーに顔を隠して」で今の季節が冬なので、「二つ前の季節」は多分夏を指しているんだと思います。その仮定だと、夏にこの2人が別れてから半年くらいが経過したってことになります。
半年なら1番の「懐かしいなんて思う程時間は過ぎていないけど」とも整合性が取れそうな気がします。別れて半年、まだそんな時間は経ってないはずなのに、久しぶりに街中で見かけてしまったら色んな想い出が一気に蘇りそうな時期ですね。

ここでついに「ごめんね。」じゃなく「サヨナラ。」になりました。「振り返るはずもない 違うレールを進む背中」なので、もう一度彼と同じ道を歩むことは完全に無理だと悟ったように聞こえます。
ここも付き合ってた説の根拠の1つで、一度は同じレールに乗って同じ方向の未来を見ていた2人だからこそ、今は別々の道を歩いていることに対して「振り返るはずもない違うレールを進む背中」という表現をしてるんじゃないかなーと。
片想いのままだった人に対してこの表現を使うのは重い女感が(以下略)

でも、結局サヨナラを言ったあとも「声にならない声 溢れるホログラム」「出口の無い道の先をまだ探している 君の手を探している」で終わるので、完全に吹っ切るのにはまだまだ時間が掛かりそうですね・・・。
まぁ、サヨナラって言ったら簡単に未練が断ち切れるなら失恋ソングが世の中にこんなに沢山あるわけは無いので、もうこれは時間と新しい恋愛が忘れさせてくれるのを気長に待つしかないですね。

※歌詞サイトによっては最後に「届くように」って1行が追加されてるんですが、少なくとも音源中には聴こえないのとApple Musicの公式配信の歌詞表示は「君の手を探している」で終わってるので省きました。
CDの歌詞カードはどうなってるんだろ・・・?

おまけ:「グラデーション」問題

前述した通り、自分が1箇所だけ解釈に迷ってるのは1番とラスサビに出てくる「グラデーション」の解釈についてです。
1番では「目にした覚えの無い淡いグラデーション」、
2番の同じ場所は「涙越しに視える街はイミテーション」、
ラスサビは「今になって気付いた淡いグラデーション」。
一応自分で考えたのは「涙で景色がにじんでいる」=「グラデーション」という解釈で、1番ではまだ自分の未練を正面から受け止められてないから「目にした覚えの無い」で、2番の「涙越しに視える街」で自分が泣いている(未練がある)ことをハッキリと自覚したので、ラスサビでは「今になって気付いた」と言えたのかな、と一応考えてます。

ただ、じゃあこれがスッキリする回答か?っていうと自分でもイマイチ自信が持てず・・・。なので、良い解釈思いついた方がいればコメント欄に書いてもらえると非常に助かります。

あとがき

改めて自分の解釈をまとめると以下になります。
1番:偶然元カレを見かけてしまってパニック
2番:そのまま電車で放浪して想い出の手紙を紙飛行機にして空に投げる
ラスサビ:失恋を正面から受け止めるけど、まだ立ち直るには時間が掛かる

グラデーション問題以外は自分の中では比較的納得してるんですが、色んな解釈あると思うのでコメントで教えてもらえたら大変嬉しいです。

以上になります。歌詞の引用分があるとはいえ初投稿からまさかの6500文字オーバー・・・。やっぱり自分が考えてることを全部吐き出すには Twitter は全く不向きだということがハッキリ分かりました笑

こんな感じでClariS中心に怪文書を書いていくと思うので、奇特で寛大な心をお持ちの方に読んで頂けたら幸いです・・・。

ではでは~。


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