聖ロック座女学園〜秋の文化祭編〜

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秋風が薫る頃、聖ロック座女学園では秋の学園祭が開かれる。
その学園祭では、生徒会によって学園中の生徒から選出された生徒達による劇が行われる。今年の劇のテーマは「源氏物語」に決まった。
そしてある日、生徒会から劇の配役が決定したとのお知らせが届き、タイトルと配役が書かれた紙が掲示板に掲載された。

第75回聖ロック座女学園
劇タイトル「夢幻」
配役
光源氏:武藤つぐみ
朧月夜・葵の上:白鳥すわん
若紫:椿りんね
夕顔:須王愛
六条御息所:橋下まこ
明石の君:ゆきな
紫の上:徳永しおり

「ねぇ聞いた?!今年の劇、光源氏役は武藤先輩だって!!!」
「ほんとに!?光源氏が武藤先輩なんて絶対カッコいいに決まってるわ!!!!」
武藤つぐみ、彼女は聖ロック座女学園の中でも屈指のイケメンであり、大手企業の5本の指に入る武藤財閥の御息女でもある。学園内での人気もさることながら、学園外でもそのあまりのカッコよさにファンクラブがあると噂されてる程の人気である。配役の発表があってから、聖ロック座女学園では光源氏役の武藤先輩の事で話題が持ちきりだった。

その日の放課後、生徒会室に「源氏物語」のメンバーが招集され、決起集会が行われた。
「それでは、本番に向けて光源氏役の武藤さんから一言お願いします。」
メンバーの目線が一気に武藤に集まる。武藤はスッと立ち上がると
「本番に向けてよろしくぅ☆」
と舌足らずな独特の声であいさつをした。
「「よろしくお願いします!!」」
こうして、劇「夢幻」に向けての稽古が無事に始まった。

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