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取立CASE5

今回は、自分が今の仕事に慣れた頃の話です。

相手の方は、女性。50代。専業主婦(現行の貸金業法施行される前の話です)。

ちょっと補足を入れます。今の貸金業法では、収入がある方(年金も含む)のみに、基本融資が出来ます。全く収入がない方では、全社総額で10万までしか融資が受けられません。
例外事項はいずれ話しますが、今は割愛。

借入の申込経緯は生活費で、DMを見て申込。
他社の件数も借入総額も少なく、希望額も少ないのですんなり融資になった。

この当時、専業主婦で家計の足しにと言った形での身内に秘密で融資を受けている人がかなり居ました。
この方も同じでした。
当たり前ですが、自宅に直接電話しないでくれ、何かあれば携帯電話に。バレたら、困る。これを前提条件で。

こちらとしては、やる事さえやって貰えれば、何の問題もありません。

五年ぐらい通常取引が続き、増枠もほぼすることも無く、あくまで無理しない。理想的な方でした。

ところが、残り4回で完済するところで突然連絡と入金が途絶えました。携帯にかけても電源すら入ってなく、手紙を送っても連絡なく、仕方なく自宅へかけるも身内の方が出たけど、居ないと。

流石に余裕みて一ヶ月は経過したので、自宅へ。

線路近くにある、そんなに大きくない一軒家。同じタイプの家が何軒も並んでいる。借家なのかな?
表札はあり(昔ながらの家族の名前が全員書いてある)、洗濯物あり、電気メーター回転。誰も住んでないって事はまず無いと。

呼び鈴が壊れていて、仕方なくドアをノック。

男の人が出てきた、外見から想像するに恐らく旦那さんだろうー。

誰ですか?と聞かれた。とりあえず名乗る他ないので、社名と自分の名前を名乗り、要件を伝えた。

すぐに当人が出て来た。
顔は明らかに焦っている。どう考えても、よろしく無いと。
「あとで、連絡しますからと。」

ただ、こちらはそれだけじゃ帰れない。
「状況を説明してください」と言った。

そこで旦那さんが奥さんの顔を見て、明らかに怒っている。
旦那さんが一言「借金は無いと言っていたよな?」と。。。

波乱の幕開け。
旦那さんが私に説明を要求。それを止めようとする当人。
「当人様以外には詳しくは言えませんし、当人様の許可があるなら」と言ったが、既に自分の手の中にある督促状が気になっていて、それを当人へ渡せと。
当人に手渡しをした瞬間に旦那さんがぶん取り中身を見て、絶句。

当人顔面蒼白。

旦那さんがそのまま奥へ入って行き、財布を持って来て、目の前で俺が払うが良いな?と言って、当人も真っ青になりながら了承。
こちらとしては文句は無いので、領収証を手渡しをしてた。

その瞬間だった。

バチンッ!

振り返りざま、大振りの平手一閃。

「お前とは離婚だ」と旦那さんが当人言い放った。当人は泣き崩れて、震え出した。

自分はお暇するべきと思って、「私はこれにて失礼します」と言ってドアを閉めた。

その直後にまた「離婚だ」と言葉が聞こえた。

自分はその場を後にした。

その二日後に、完済した当人から連絡があり。

「今日、離婚届け出して来ました。あなた達のせいです。」

と言われて、電話切られた。

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自分の中でも、とんでもないシーンに出会ったTOP3の出来事でした。あまりの事で呆気に取られて。結局当人が遅れていた内情はわからないままに完済されたので。
マズイことになる前に連絡して相談すれば済んだ、それだけの事なのに。

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