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【声劇】先輩と後輩

作:Luna

《語り》
君とまさかこんなことになるなんて
あの時は想像もしていなかった。

5歳下の君との出会いは会社

新入社員とその教育係として出会ったのが始まり

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

後輩『今日からお世話になります。よろしくお願いします。』

先輩『そんなに固くならなくていいよ。これからよろしくね。』

大学を卒業したてで右も左も分からない君に教える立場になった。

先輩『この場合は、事前に作成した資料を見せながらね。』

後輩『はい、この時は資料を見せながら、、、。』

彼女なりに毎日努力をしているのが伝わってきて
なんとしてもこの子を一人前にしようと思った。

営業先に行った後は行きつけの食堂で一緒に昼食をとる。

先輩『今日はなににする?』

後輩『うーん、ざる蕎麦にします。』

後輩『先輩は?』

先輩『俺は、唐揚げ定食にする。』

後輩『いいなぁ、唐揚げ1個だけくれません?』

先輩『やだよ、食べたいなら唐揚げにしたらいいじゃないか』

後輩『だって、暑いからお蕎麦がいいんですもん。』

先輩『仕方ないなぁ、一個だけだぞ。』

後輩『くれるんですか?、やっさしぃ~!』

この日課が当たり前になって半年経った頃

後輩『先輩って、今付き合ってる人とかいるんですか?』

先輩『急にどうした?彼女がいたら、どうなの?』

後輩『なんとなく、気になったので』
  『なんでもないです。忘れてください。』

先輩『それは難しいお願いだ。』
『素直に言ったほうが楽になるぞ?』

後輩『ほら、そういうとこ。』

先輩『え?』

後輩『やっぱり先輩は鈍感だから気づかないですよね~』

先輩『あっ、それってもしかして君が俺を好きってこと?』

後輩『え?知ってたんですか?』

先輩『うん、俺は君が俺を好きになる前から好きだからわかるよ。』

後輩『え?そうなの?』

先輩『最近、急によそよそしくなったなぁとか。』
『何か言いたそうだなぁとか。』
『隠してたつもりだろうけど、全部バレてるから』

『俺のこと侮ってもらっちゃ困る。』

後輩『はい…』

先輩『入社してからずっと見てきてるんだから分からないわけない』

後輩『すいません。』

先輩『こんな勢いで言うつもりじゃなかったのに~!』
『俺はほんとにいつもタイミングが悪い』

後輩『そんなことない』
『うまく言えないけど、
先輩は私が出会った人の中で一番かっこいい人です』

先輩『顔が?』

後輩『え?あぁ、顔ももちろんカッコいいけど、、、って
何言わすんですか』

先輩『違うのかぁ』

後輩『落ち込まないで、そういうことじゃなくて中身ですよ、中身!』

先輩『例えば?』

後輩『最初からずっと優しくて、困ったときは必ず助けてくれる』

先輩『あとは?』

後輩『自分を犠牲にしても周りのために尽くせるところ、
でも伝えることはしっかり伝えられるところとか素敵だなって思ってます』

先輩『あとは?』

後輩『なんかめちゃくちゃ欲しがるじゃん』

先輩『こんな機会ないからたまにはいいかなってごめん』

後輩『私もこんな大人になりたいなって憧れてて尊敬してます』

先輩『いっぱい褒めてもらったから今度は俺の番だな』
『俺は君から毎日刺激をもらってる。』

後輩『それから?』

先輩『自分に関わるすべてに全力投球なところだろ』

後輩『それから?』

先輩『笑顔がかわいい』

後輩『先輩?そこらへんにしませんか?』

先輩『ご飯食べてる顔がかわいい』

後輩『…っく、もうやめませんか?恥ずかしいです…』

先輩『まだまだあるけど、もういいの?』

後輩『はい、大丈夫です…』

先輩『そしたらまた別の時に伝えるよ』

後輩『急にはやめてくださいね、心臓に悪いから』

先輩『嫌だね、こういうのは不意打ちだからいいんだよ』

<少し間をあける>

先輩『好きだ。俺と付き合って欲しい。』

後輩『私でよければ、よろしくお願いします。』

先輩『君がいいんだよ』

後輩『へぇ~、そっかぁ、私がいいんだ』

先輩『嬉しそうでよかった』

後輩『それはもちろん!今日から部内一のモテ男の彼女ですからね』

先輩『え?そうなの?』

後輩『知らなかったんですか?察しがいいのか悪いのか』

先輩『なんか照れるな。』

後輩『余計照れるから、言葉にするのやめてくれませんか。』

先輩『君、顔真っ赤、かわいい。』

後輩『あっ、今のなし。かわいいは禁止。』

先輩『何で?』

後輩『いいから!早く会社戻って仕事しますよ。』

先輩『はぁーい。』

後輩『帰りご飯連れてってください、そしたらもう少し頑張れる。』

先輩『分かった、どこがいい?どこでも連れてってやる』

後輩『やった。それじゃあ回らないお寿司でお願いします。』

先輩『初デートが回らない寿司か、やるな君。』

後輩『ふふん、営業ですからね。』

先輩『そこ、営業なの関係あるか?まぁいいや。』

先輩『さっ、いこう』

後輩『ちょっと待って。』

先輩『なに、どした?うわぁ!』

後輩『えへへ、ちょっとだけ充電させてください。』

先輩『仕方ないなぁ、分かった 充電終わったら今度こそ行くぞ』

後輩『うん。』(※気持ち小声な感じで)

<少し間をあける>

『先輩 大好き。』(先を歩く先輩の背中に向かってボソッと)

《 完 》

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