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テフロンの闇

安くて手軽に使えるテフロン加工のフライパン。
但し利点のみでなく、表面温度が260℃を超えると劣化し始め、400℃を超えると発癌性の有毒ガスが発生することが確認されています。

テフロンのメリットとは?

最大の利点は、くっつかない、そして焦げにくいこと。
メンテナンスの手軽さ、値段の手軽さ

デメリットとは?

有毒ガスの危険性がある為、250度以上で加熱出来ない

熱伝導率の悪さ

調理中、温度が均等にいかない

コーティングが剥がれてくるため、頻繁に買い換えないといけない

PFOAとデュポン社の訴訟問題

テフロンの商標を持っているデュポン社が『テフロンの製造過程で使用・発生するPFOAという物質に有害性がある』との訴訟を起こされました。

デュポン社の一部では、少なくとも1961年の時点で有害性があることを認識していたようです。
同年にマウスやウサギを使った動物実験が行われ、PFOAを与えたマウスやウサギの肝臓が異常に肥大したことが記録として残っています。

また、2016年デュポン社は、テフロンを作る際にでる発がん物質である化学物質をオハイオ川に垂れ流し、住民の飲料水を汚染させたウエストバージニア州とオハイオ州の住民から、3500件を超える訴訟を起こされて裁判で破れ、損害賠償金支払い命令を出されました。その他にも様々な訴訟問題が起こっています。

この訴訟の話を基に映画となったのがダークウォーターズ。これを観ればデュポン社の悪質な実態がよくわかります。



PFOA(ペルフルオロオクタノエート、ピーフォア)とは?

焦げ付き防止コーティングに含まれる過フッ素化毒素です。
PFOAは、自然界では決して分解されることもなく、永遠に環境の中に残っていきます。
PFOAのリスクと言われてるものとしては、


不妊や先天性欠損症などの生殖障害
免疫システムの不全
甲状腺ホルモンの異常
肝臓、膵臓、乳腺、精巣の腫瘍、などがあります。

PFOAはフッ素樹脂コーティングの製造過程で使用される物質ですが、このPFOAは一般的なフッ素樹脂加工フライパンであれば、テフロン加工有る無しに関わらず、その製造工程において使用されているようです。

PFASとは?

ペルフルオロアルキル物質の頭字語をとったものです。 これらは界面活性剤の範疇に属する化合物であり、1950年以来広範囲の工業用途などで使用されています。

他の物質にはない独特の性質(水や油をはじく、熱に強い、薬品に強い、光を吸収しない等)を持つため、撥水剤、 表面処理剤、乳化剤、消火剤、コーティング剤等、身近なも のから幅広い用途に使われてきました。しかし、近年、地球規模での環境残留性及び生態蓄積性が明らかになりました。

PFASは、英語で「Forever Chemicals(永久に残る化学物質)」とも呼ばれ、自然界や体内で分解されにくく、一度生成されると蓄積されやすいとされています。


マクドナルドは2025年までに全ての包装・容器から全てのPFASを全廃すると発表。同社は2008年にPFOAとPFOSの双方を全廃することを決定しましたが、今回は全てのPFASを全廃することを掲げたことが注目を集めました。

 マクドナルドの決定の背景には、米消費者NGOのSafer Chemicals, Healthy Familiesが2020年8月に、マクドナルドの「ビッグマック」と、バーガーキングの「ワッパー」の包装紙から、PFASが検出されたと発表したことが大きな契機となり、この発表では、種類を特定せずに「PFAS」の用語で企業を批判したことで、「PFAS全般が問題」という感覚が社会に広がり、企業には、PFOAやPFOSではなく、PFAS全てを廃止するよう要請される事態となりました。

死の商人 デュポン社の成り立ち


ピエール・デュポンは、フランス革命の時にギロチン台から逃れてアメリカに亡命したフランス貴族であり、政治家でした。そのピエールの三男エルテールがもともと化学者で、戦争のための火薬で財をなすこととなります。

彼はデュポン社を設立して、黒色火薬からはじめ、ダイナマイト、無煙火薬などどんどん改良し、アメリカ南北戦争、第一次世界大戦、第二次世界大戦とぼろ儲けしていきます。

現在は、100年の歴史をもつダウケミカルと200年の歴史をもつデュポンが2017年に合併し大手の化学メーカーになりました。
全米のトウモロコシと大豆の種のシェアを40%、そして全世界の殺虫剤のシェアを17%と拡大させました。

規模は世界第4位・アメリカで第2位(世界最大はBASF)石油会社を除けば時価総額ベースでは世界で四番目に大きい化学会社である。メロン財閥、ロックフェラー財閥と並ぶアメリカの三大財閥と称されています。


次回は、この記事を踏まえた上で、安心して長く使える調理器具のおすすめをご紹介します。


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