ISOランニング vol.5 ~思うように走れない時でも楽しく走る方法~

速く走る以外の楽しみ方~その1~

ケガをしてしまうと、どうしても長い距離を走れないストレス、速いスピードで走れないストレスがたまります。
SNSを通じて多くのランナーの充実した練習報告と自分を比べて、情けなく感じることもあり、2週間程SNSを開かないようにもしていました。
ジョグ程度までならできるまでに回復しても、SNSから刺激を受けると一気に距離を延長したり、スピードを上げてしまったりすることを考慮し、SNSから遠ざかっていました。
そんなランニング生活は、走れる喜び以上に、こんなもんしか走れないのかというストレスが勝ってしまいがちで、そのストレスを発散するかのように、フリマサイトで今購入してもどうしようもないランニングシューズを買い漁ってしまいました。
今回購入したシューズは、①メタスピードエッジ+、②FAST-Rニトロ、③アディオスプロ3の3足です。
そう、走る以外の楽しみ方の一つ目は、ランニングシューズの購入です。

ランニングシューズを購入する前に

ショッピングでストレスを発散するという目的もありますが、買う前の事前調査がまた楽しいんです。
1足買うために何日もかけて、多くのレビューを参考に、ケガから復帰した自分自身を想像してシューズを選ぶその時間は実に充実した時間となります。
先月も3足のシューズレビュー記事を書きましたが、今回購入したシューズはその時に履いたシューズと比較したいという欲が強く出ています。

速く走る以外の楽しみ方~その2~

買うだけで満足できるはずもなく、ようやく強度を上げた練習ができそうになったので、5月20日(土)に約1か月半ぶりのポイント練習をすることにしました。
ただ、股関節の痛みだけでなく左アキレス腱の張りがこの回復期間中に新たに現れたため、シューズの履き比べをしながら少しスピードを上げる程度の軽めの練習でストレス解消を図りました。

条件

前回のシューズレビューと条件が異なります。

  • 起伏のある1周600mのコースを使った1000m×2本を3足で実施

  • 同じシューズで2本続けて走った後、十分に休憩してから次のシューズで2本の繰り返し

  • ①メタスピードエッジ+、②FAST-Rニトロエリート、③アディオスプロ3の順

1000mを走る前に、これも久しぶりにWSで状態をチェックしました。
はじめは走り方を忘れたかのようにぎこちない走りでしたが、数本走るうちにまあまあ走れるなという感触は得られました。
が、まだケガは治っていませんので、6割程度の力加減といったところでしょうか。
3'50/kmくらいで走れればいいかなという気持ちでスタートしました。
結果は次の通りです。

1kmを2本ずつ履いた時の比較

3本目からアキレス腱が痛くて走るのが怖かったけど楽しかったです(笑)
スピードはそんなに上げるつもりはありませんでしたが、シューズの性能がすごすぎて想定外のペースで走ってしましました。
レースシューズのすごさを実感でき、最高のストレス発散になりました。
それでは、それぞれのシューズレビューをしていきます。

メタスピードエッジ+(アシックス)

履き心地

メタスピードスカイ+よりこちらの方が自分には合う気がしました。
ただ、他のメーカーに比べるとアッパーのフィット感が好みではなく、かたさを感じてしまいます。
足に隙間ができるなど不具合はありませんので、走行への影響はないのですが、好みの問題であまり好きではないというだけです。

接地

ミッドフットの私の走りにジャストフィットでした。
中足部で地面を捉えると、分厚くてしっかりとしたソールから確かな反発を感じることができます。
かための接地で、接地時間がいつも以上に短くなるのを感じました。
ピッチにも顕著に影響が見られますが、自動的に足が回されるような感覚でした。

感想

前回、メタスピードスカイ+を履いた際には自分の走りとは合わないことをはっきりと感じました。
また、アシックスのシューズのつくりが私の足にしっくりこないのも同時に感じ、アシックスという選択肢が消えかけていましたが、今回、エッジ+を履いて考えが逆転しました。
1本目ということもあり、かなりペースは上がってしまいましたが、無理してペースを上げた意識はなく、自然と足が動いてしまった印象です。
走っている時の呼吸や脚への負担具合からは、3'45/km前後くらいかなと思うくらい楽に走っていました。
2本目は抑えめに走ろうと思ったのですが、結果として抑えきれずペースが上がってしまったのはシューズの性能が原因です。
結論から言えば、私の場合、現時点で一番速く走れるレースシューズはこれだと断言できるくらい相性がいいシューズでした。
アディオスプロ3も高評価ですが、履きこなすのに練習が必要な印象で、エッジ+なら初めて履いたその瞬間から性能をそれなりに発揮することができると思いました。

FAST-Rニトロエリート(PUMA)

履き心地

プーマのシューズらしく最高のフィット感で、誰が履いても間違いがないシューズだと思います。
やはりこの柔らかなアッパーを知ってしまうと他のシューズでは物足りなく感じてしまいます。
走っている時も、足にぴたっと貼りついているような素足の感覚なのに分厚い厚底がある不思議な感覚を感じました。
これまでに履いたシューズの中で一番脚が回ると感じたシューズです。
私の走力では回りすぎて制御しきれないほどでした。

接地

フォアフットランナー向けなんだろうなと感じます。
ミッドフットでもいけそうな気がするのですが、FAST-FWDとの区別でしょうか、ミッドフットで走ると反発の力の向きが前に向かわず、上方向にかかってしまい、脚は回るのですが思ったように前への推進力が生まれないような違和感を感じました。
詳しく測定したわけではありませんが、シューズ自体の重心が前足部よりに設定されているような感覚で、ディヴィエイトニトロエリート2やFAST-FWDは中足部からかかと寄りに重心があるためか、ミッドフットがよくはまりました。
シューズレビューでよく耳にするふかふかのクッションについてですが、3'30/km前後のペースではふかふかはそこまで感じませんが、メタスピードエッジ+が固くて跳ね返るような反発だとすれば、FAST-Rは地面を蹴った感触がないのにクッション性のよさでしっかりと反発を生み出し、スムーズに脚を回してくれます。クッションがよすぎて、地面を蹴った感触がないのに想像以上に反発があるので、感覚のズレを修正するのに時間が必要だと感じました。

感想

私が履くならFAST-FWDの方が合うんだろうなという印象です。
アキレス腱が強くて、脚力があるフォアフットランナーならこのシューズは負担も軽減でき、反発もあるので最高のシューズだと思います。
履きたいけど履けない。
履く人を選ぶ、そんなシューズだと思いました。

アディオスプロ3(adidas)

履き心地

前作に比べると少し大きい?という感じでしょうか。
全体的なフィット感はかたすぎず、やわらかすぎずでちょうどよい感じです。
立ったときの印象が前作と全然ちがったのですが、トランポリンのような不安定さをすぐに感じた前作と比べて、かなりしっかりとした安定感を感じました。

接地

多くのレビューにあるように、どこで接地してもすばらしい反発がいい方向に返ってきます。
フォアフット向けだと思うFAST-Rは別にして、同じミッドフットでいい感じに走れるメタスピードエッジ+と比べると、アディオスプロ3は地面の固さを感じないほどミッドフォームが分厚く、適度な硬さだと思いました。
また反発がすごくて、接地の衝撃を吸収してしまうのか、地面をとらえた感触を感じる前に反発がやってくるので、走りがぶれてしまいました。
この感覚のズレの修正は少し時間が必要だと感じました。

感想

実は、3足目のアディオスプロ3を履く前にアキレス腱の痛みがかなり出てしまい、走るのを辞めようかと考えていました。
結局は走ってしまったのですが、走り始めは痛すぎてもうだめだと思い4'00/kmより遅くなってもいいやとジョグ感覚で走り始めました。
結果は2本とも3'40/km切ってしまいました・・・やばいシューズやん。
履きこなせればダントツ一番手です。履きこなせれば。
履きこなすには時間が必要だと思いますが、割と万人向けのすばらしいシューズだと思います。

今回の履き比べの結果、生き残ったのは「アディオスプロ3」となりました。
メタスピードエッジ+と悩みましたが、ストライドを伸ばし、ピッチを上げすぎたくないという自分の走りから考えて、アディオスプロ3の方が適していると考えました。

目標の再確認

当初立てた計画(5km)は次の通りでした。
(実施月)(ストライド)(ピッチ)(スピード)(タイム)
2023年4月 1.35m 195spm 3’48/km 19’00
2023年5月 1.40m 187spm 3'49/km 19’06
2023年6月 1.40m 195spm 3'40/km 18’19
2023年7月 1.45m 187spm 3'41/km 18’27
2023年8月 1.45m 195spm 3'32/km 17’41
2023年9月 1.50m 187spm 3'34/km 17’50
2023年10月 1.50m 195spm 3'25/km 17’06

ケガの影響で現状把握ができていませんが、シューズの力を借りれば5月の目標は達成できるくらいにはなっていると思います。
6月3日(土)に5kmTTができるよう調整していこうと思います。


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