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同調率99%の少女1~13

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那珂が主人公のオリジナル小説。 鎮守府Aの物語 1~13巻分まで
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2016年8月の記事一覧

同調率99%の少女(9) :一応の収束

--- 8 一応の収束  隣の部屋から笑い声が聞こえてきたのに三千花は気づいた。どういう話の流れになったのかわからないが、きっと親友が内田流留と上手いこと打ち解けられたのだろうと直感した。  しばらくして生徒会室と資料室の間の扉がキぃっと音を立てる。3人が生徒会室に再び姿を表した。三千花はその3人の顔・表情を見て、その直感が確信に変わった。  最初に一声あげたのは流留だった。 「ふぅ~~~!あ~スッキリした~!」  肩をコキコキ回したり首をクルクル回して動かしてスト

同調率99%の少女(9) :彼女の胸中

--- 7 彼女の胸中  資料室に流留が入ると、扉の隣で待っていた三戸は彼女が扉から離れたのを確認してから扉を閉めた。そして自身もあとに付いて行って資料室の開いているスペースに立った。  すでに那美恵と流留は椅子を見つけて座っている。三戸は二人の境目に椅子を持ってきて座る。ちょうど三角形に位置取りする形となった。 「さて、今日内田さんに来てもらった理由はわかる?」 「そういう確認いいですから目的だけ言って下さい。」  流留は那美恵に突っかかってくる。が、那美恵は特に

同調率99%の少女(9) :生徒会の対策

--- 6 生徒会の対策  展示終了の時間が訪れた。那美恵たちは展示を片付けて帰ることにした。3人とも三戸のことは気にはなるが、生徒会室に3人揃って戻る頃にはさすがにカタはついているだろうと捉えていた。阿賀奈とは視聴覚室の片付けが終わった後に別れた。  最初に運ぶものを生徒会室に持って行って、那美恵達3人が生徒会室の扉を開けると、同時に生徒会室から出ていこうとする流留と鉢合わせになった。 「うあっ!?」 「きゃっ!」  先頭にいた那美恵と部屋から出ていこうとしていた