天狼星に
「父さんよりも愛する人ができるなんて思わなかった」
私は未婚者ですし、子供もおりません。
ただ年齢だけは、この曲の父親には近いかと思います。
こんなフレーズを、もしも娘に言われたら…しかも自分が付き合いに反対をしていたら…そう考えると胸が痛みます。
「天狼星に」…シリウスのことです。
歌詞をご覧になればわかりますが、曲中には「天狼星」とも、シリウスとも書かれていません。
曲中の彼女は、星に誓いをたてます。
挫けない、と。
父への反発や、反抗からの逃避行であれば、この言葉はきっと出てこない。
父親への深い愛情を秘めつつ、雛鳥から「渡れる鳥」として、夜空を飛んで行くのです。
…話し変わりますが、さださんは「谷村新司さん」と懇意の仲だそうです。
その谷村さんの曲に「冬の雁」というのがあります。
「天狼星に」と「冬の雁」を聞き比べると、両者が同じテーマを歌っていても、その方向が真逆になるのには、とても興味が湧きます。
『中秋に 渡る鳥あり 残る鳥あり』
るみくす