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小原玲さんを偲ぶ

…本当に人生というのは何が起きるかわからない。

動物写真家の「小原玲さん」が亡くなった。
享年六十才。
私自身、彼と何の面識も無いのだけど、出身地が同じであり、時折作品展が開催されるので、一度足を運びたいなという思いはあった。
もちろん、動物たちを愛し、写真を生涯愛し続けていた彼に惹かれていたことは言うまでもない。

富岡市の自然博物館で開催されている企画展に行くのを楽しみにしていた。
満を持して今日出向いたのだが…そこで訃報を知った。
暫し絶句し、軽いパニックを感じた。
思わずそんな!と声が出そうになるのを、口を手で押さえて止めた。
待ち望んでいたイベントだったが、心半分持っていかれた感じだった。

企画展そのものは非常に素晴らしいもので
(「鳥が鳥であるために」12月5日まで…群馬県立自然史博物館)
あらためて鷺の種類と大きさを知ったり、県内にも「ミサゴ」などの猛禽類が意外にも生息していることなどを知ることが出来た。
圧倒的な資料は、私が見た中でも最高数と思う。

私は小原さんの経歴を、ほとんど知らないけど、動物の撮影に多くの時間を費やしてきた方だったと思う。
動物写真家は、その他の写真家以上に、大変な労力と資金と、そして体力を必要とする分野だ。
それに見合った報酬も、おそらくは期待できないだろうから、好きでなければ続かないと推察する。

私には、その何もかもが無いけれど、その純粋さには尊敬を禁じ得ない。
彼のようにはなれはしないけれど、届かない分だけ、それは余計に輝いて見えるのだ。

彼の引く風に、一度触れてみておくべきだった。
その願いはもう叶うことはないが、回顧展があるなら、今度は足を運ぼうと思う。

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