レンズメーカーの話(タムロン)
MFのタムロンレンズは「アダプトールマウント」という特殊なマウントを採用していました。
これは「マウント二段重ね」とも言えそうなもので、今流に言えば「マウントアダプター」の様なものですが、大きく違うのはレンズ側のマウントはみな同一規格であるということ。
アダプター内部で、絞りの連動を一手に引き受け、レンズとカメラ間の調整を行わせているのです。
初めてタムロンのレンズを見たときの感想は
「これ、大丈夫なのかなぁ?」
…でした。
タムロンの方には申し訳ないのですが、一抹の不安があった。
故に手にいれるまでには、少し時間がかかりました。
それを覆したレンズがありました。
「SP300 F2.8 LD」です。
所謂サンニッパ、です。
当時のサンニッパといえば、今でもそうですが高級レンズでした。
ニコンやキヤノンの純正なんて、流石に手がでないアマチュアカメラマン達は、レンズメーカーの製品を求めたのです。
それで何を撮っていたか?というと「アイドル達」だったのですね。
今のように目の前にまで寄れる機会はほぼありませんでしたから、オープン会場でのコンサートなどで、客席からロングショットを狙ったのです。
サンニッパにモータードライブ、大光量のフラッシュを付けて手持ちで撮っていたんですね。
…漢でしょ?ww。
当時は手ぶれ補正機能なんてものは無かったのに。
当然高精度のレンズですから、マウントの精度は十分出ているはずです。
純正レンズに代わり、安価な(とはいえ、やはり高い!)サンニッパを、当時の若者(…の一部www)は、求めたのでした。
これで私の不信感は取り払われました。
タムロン、凄い!。
以来、銘レンズと言われたSP90㎜マクロや、標準ズーム数種、望遠ズーム等を購入したのでした。
…しかし何と言っても印象深かったレンズは
「SP500」です。
レフレックスレンズ…反射望遠レンズです。
反射望遠は理論上、色収差は発生しませんから、スッキリ良い色が出ますが、反射用の鏡をレンズ前面に固定しているので、ボケがキレイな丸にならず、ドーナツ状になります。
それを嫌がる方も多いですが、接写が可能と言うこともあって、私は好きです。
SP500は、全般的にコントラストが低いレフレックスレンズの中でも、良質な画像を提供してくれました。
傑作レンズだと思います。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?