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石仏は難しい…

古い街やモノを撮ったり、花や自然物を撮ったり…被写体はそれなりに広範だと思っているけど…しかし「どうも上手に撮れないなぁ」と思わされてしまうのが「石仏」です。

フィルム時代からそうでした。
…そう言うと「色も少ないし動かないようなモノが苦手?」と返されてしまいそうですが、実に難しいのです。

石なので大方の場合はグレーですね?。
ほとんど「標準反射板」みたいなものですが…ところがどっこい!!(古)古い石には付き物の「汚れ」が、どういうわけかデジタル写真とは相性が悪かったりするのです。

昔の写真。今ならHDRというものもありますが。

所謂「苔」は良いのです。
比較的実際に近い色が出ます。
問題なのは赤っぽかったり、白かったりする「地衣類」と呼ばれるもので、これらは何故か露出過多に写ります。
彩度も高めに写るのです。

レタッチ後。肩の辺りに赤みが残ります。

普通にJpegで撮ると、赤いヤツは赤紫に演色されてしまいます。
実際はもっと暗い色です。
白いヤツはハイライトぎみに飛んでしまいやすい。
されば、ということで露出を切り詰めると、ディテールが見事に消えてしまう。
特にアンダーの部分は最悪です。

レタッチで彩度を下げれば良いはずですが…そうすると地石の微妙な色合いまで消えます。
コントラストも下がって、彫りが浅く風化してしまった石仏では細かい部分が出てきません。
結局はアンシャープをかけてエッジを持ち上げますが…特にハイライト部分の描写が怪しくなってしまいます。

石仏はやはりソフトな風合いで仕上げたいと思いますが、やることなすこと逆になってしまう。
実に簡単そうで難しいのが石仏なんですね。



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