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luminiisan
2021年8月19日 15:33
…八ッ場の辺りは、小さな温泉街と、どこにでもあるような田舎の風景が残っていた。小さな沢や、滝が多くあって、それらが吾妻川に流れ込んでいた。小さな沢は、三面コンクリートの水路となって、やがて水中に没して消えた。小さな滝も同様だった。崖に張り付くようにして建っていた温泉宿やホテルは、取り壊された後に崖ごと削られて、採石場のような丘になった。吾妻線の旧線は、鉄路を撤去した後、一部の橋梁を残
2021年8月14日 20:46
仕事柄、多くは言えないけど…どんな場所にも「好かれない方」というのはいる。幸い、私の職場は、ほぼ良い人ばかりなので良いのだが、利用者さんはそうもいかない。この仕事を始めてわかったことは、とにかく「男性は来たがらない」ってこと。面子というか、家から出ることを極度に嫌う人が多い。私も男だからわからないでもないのだが…つまりは男性の利用者は「渋々来てる」人が少なくないってこと。元より、私は
2021年8月11日 23:35
…その日の事は良く覚えている。二階家の西陽が当たる部屋は、その夏の最中と言うこともあり、ただ蒸し暑かった。私は、部屋に似つかわしくない大きなベッドに埋もれるようにして、暮れ泥む赤みを帯びた空に、三角形に影となっていた小さな山容を凝視していた。小さく遠く影になっていた山は、私がいつの頃からか強い憧れを抱く場所のそばにあった。山の麓にその「憧れの場所」は在り、私はその場所を一昨年訪れたばか
2021年8月11日 12:55
車を換えました。「買い換えた」と書かないのは、私は安い中古車を、比較的短いサイクルで換えていくからで、今までに会社と親戚の車以外には、新車というものに乗ったことが無いのです。今回の車は、前回と同じ軽自動車です。前回の車は実に個性的な車で、美点も数多くありましたが、同時に欠点もふんだんに有る車でした。今回のは、実にありふれた車で、同じ車がワンサカ走っています。ただひとつだけ珍しいのは