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旅行・ホテル業界

こんにちは!
業界地図オフ会を主催しているおしばです。

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5月業界地図オフ会

四季報業界地図の大ファンなのですが、
一人で読むのもいいけど、
みんなで読みながら深堀りしたら
もっと楽しく読めるのではっ!?
と思い、オフ会を開催するに至りました。

今回の参加者の方は私含め6名。
特別ゲストに「会社四季報 業界地図」副編集長のなかやまさん!!
ありがとうございます(´;ω;`)ウゥゥ!!!


今月のテーマは…
・旅行業界
・ホテル業界

この業界の中から、
気になる企業について調査してきた内容を発表していただきました。

まずは、私から各業界の概要を簡単に説明。

■旅行業界の概要

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【消費額の内訳】
国内旅行の割合が大きく、訪日外国人の割合も伸びています。

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【流通のしくみ】
製造メーカー→問屋→小売りという流れに例えるとこんな感じ

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【ビジネスモデル】
消費者目線:
「アゴ(食事)、アシ(交通)、マクラ(宿泊)」
といわれるサービスは、個人でも予約できますが
旅行会社が代行してくれています。

航空会社や宿泊施設目線:
「集客」や「予約システム」を代行してくれたり、
「アゴ・アシ・マクラ」に付加価値をつけてくれるのが旅行会社です。

両社からの「代行」を請け負う旅行会社は、
「手数料」を頂戴することで成り立っています。

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プラットホーム型は、「広告掲載」というイメージに近いですね。

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【貸借対照表比較】
旅行業界No.1に君臨するJTBと、
旅行比較サイト「トラベルコ」を運営するオープンドアを例に。

JTB:
旅行代金をお客様から預かるため「前受金」や、JTBが発行する「旅行券」や「旅行券」などが流動負債に計上。

オープンドア:
お客様を各社旅行サイトに送客し、送客料(情報掲載料)としてお金を集めるビジネスで、多額の現預金が流動資産を占めています。

旅行BS

【損益計算書比較】
JTB:
旅行商品を提供するために人件費や設計費などの大きなコストがかかり、売上原価が大きくなります。

オープンドア:
主にシステム運営(売上原価)と集客のために認知度アップすべく広告費をかけている(販管費)が主要コストで高い利益率となっています。
固定報酬(情報掲載枠を売る)から成果報酬(送客したら報酬を得る)へシフトしていることもあり、システム運営のコストを抑えながら、効率的に利益を生み出すしくみを作っています。

旅行PL


■ホテル業界の概要

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ホテルのカテゴリー分けは難しいのですが、
メインカテゴリーはこの3つになるかと思います。

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日本のホテル経営といえば、
宿泊+宴会+料飲の3本柱で安定的に稼ぐという特徴がありますが、
近年、勢いを増しているアパホテルなどの宿泊特化型が台頭してきています。

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運営委託に関しては、所有・経営・運営すべてが別々な企業も多くみられます。
【貸借対照表比較】
自社所有型のプリンスホテルと、リース型の東横インを比較してみました。

プリンスホテル:自社所有型は、建物などの取得から年数が経過していなければ「有形固定資産の割合が大きくなる」という特徴があります。そして、それに併せて借入金等の負債額も多くなります。
プリンスの場合、「土地」を多く保有しているため、減価償却されずに有形固定資産の割合が大きいままです。

東横イン:リース(賃貸)型なので、有形固定資産の割合も負債額も自社所有型と比較すると、少なくなります。

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【損益計算書比較】
プリンスホテル:フルサービス型(宴会、料飲サービスあり)のため、人件費がかさみ、利益率は10%前後になります。

東横イン:宿泊特化型のビジネスホテルはフルサービス型と比べ利益率は高くなります。人件費や食材費は押さえられますが、家賃が計上されます。

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ホテルは部門によって利益率が変わります。

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概要は以上です。
ここから本編、参加者の方々に調査してきた企業をプレゼンをしていただきました。


■参加された方の分析企業

・ベルトラ
・せとうち観光推進機構
・JTB
・じゃらん
・ビジネスホテルの経営戦略の違い

皆さまとても発表内容が濃かったです!!!
ここでは企業のみ紹介しますね。


参加者分析①:【ベルトラ】


海外現地オプショナルツアーの予約サイトを運営
https://www.veltra.com/jp/

吉幾三さんのCM↓で見たことありました^^
https://www.youtube.com/watch?v=FyFa8zGkl3M

売上の規模と、利用者数の多さに驚きました!
2021の業界地図には掲載されるのか…!?
たのしみです^^


参加者分析②:【せとうち観光推進機構】


瀬戸内の観光地の活性化を行う。
瀬戸内を囲む7県(兵庫県・岡山県・広島県・山口県・徳島県・香川県・愛媛県)の観光ブランド化を推進するために、プロダクト開発やマーケティング支援を行っています。
https://setouchitourism.or.jp/ja/

DMO(観光地域づくり法人)とは…
観光地域づくり法人は、地域の「稼ぐ力」を引き出すとともに地域への誇りと愛着を醸成する「観光地経営」の視点に立った観光地域づくりの舵取り役として、多様な関係者と協同しながら、明確なコンセプトに基づいた観光地域づくりを実現するための戦略を策定するとともに、戦略を着実に実施するための調整機能を備えた法人です。(観光庁HPより)

「観光地域にマーケティングとマネジメントの手法を取り入れて、稼げる力を観光地域に付けましょう、的な感じですね」
と、参加された方が要約してくれました(わかりやすい…!

新潟県の観光協会もDMOに登録されたようで、今後どのように地域活性化していくのか注目ですね!


参加者分析③:【JTB】


旅行業界のガリバー
https://www.jtb.co.jp/

利益を追求するというより、プライドを持って旅行文化を作り上げていくスタイルを貫けるのがすごい…
歴史も古く、圧倒的存在感ですがコロナの影響はもちろんあり…
Go to travelキャンペーンの後押ししてくれそうですね。
https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001339698.pdf


参加者分析④:【リクルートライフスタイル】


旅行予約サイト「じゃらん」を運営
https://www.jalan.net/

ITを駆使したいろんなサービスに乗り出しているんですね。
「トリップAIコンシェルジュ」というサービスを初めて知りました!
宿泊施設に代わってAIが業務応対してくれるとは…

海外旅行の予約をする際、
若年層:対面で相談(海外旅行経験なしのため不安だから)
40~50代:オンライン予約(海外旅行経験あり、座席と宿おさえて現地では自由に行動したいから)
である現状も考えると、「人による手厚いサービス」がウリの旅行サービスが今後どのように形を変えていくのか楽しみですね。


参加者分析⑤:【ビジネスホテル比較】


・アパホテル
・ルートインホテル
・東横イン
の経営戦略の違いをプレゼンしていただきました。

プレゼン資料と構成がおもしろすぎて…!!!
ぜひnote記事にしていただきたい内容でした!!!
↓note記事になってました!!!

アパホテルとは私も深いつながりがあったのですが、
各社の経営戦略の違いとそのルーツが面白かったです!
ルートインのおじいちゃん好きっ!笑


おしばプレゼン:【スーパーホテル】


1つ前に発表された方の内容とスライド展開がおもしろすぎて、
恥ずかしくなりそうでしたが、せっかくまとめたので発表!

実は経営手法について語ろうと思っていたのですが、
直前に例のニュースが出たことで内容を急遽変更しました。

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シングルマンション事業を手掛けていた経験をもとに、
シングルマンションよりもホテルに泊まった方が得!と思わせる価格設定。

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上場していないので、HPや決算公告の情報から情報をピック。

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引き算の経営(=要らないものはなくす)ではなく、
掛け算の経営(=合理化を図りつつも顧客満足を高める)という哲学は、
商売人の親御さんから影響を受けたようです。

生産性×顧客満足という「掛け算経営」の、
生産性から紹介します。

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つぎに、顧客満足。
特に「快適な眠り」に注力しており、大学との共同研究で眠りの満足度を計測したりしています。

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枕が7種類から選べるのは「帝国ホテル」も同じですね。
帝国ホテルと同じようなサービスを味わえるとは贅沢!

さて、ニュースを騒がせているベンチャー支配人制度について説明します。

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研修にかかる交通費などはスーパーホテルが負担し、研修期間中や業務引き継ぎにかかる時間は日当が支給されます。

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ホテル旅館業は「跡継ぎがいない」ことで、
廃業を余儀なくされることが課題となっていた中で、
業務委託で運営できるという仕組みを考えたのは画期的だったと思います

業務委託は、経営側から運営について細かく指示を受けない契約であるがゆえ、労働基準法上の「労働者」として認められるのかが争点となっています。

物流業界など、あらゆる業界で個人事業主への業務委託が増えているように感じますので、このニュースから働き方や人材活用について考えさせられました。


■参加者された方々の感想


・自分だけでは集めきれない情報がたくさんあって有益だった!
・同じ業界でも知らないビジネスやワードがあることを知れた!
・2時間で長いと思ったけど、内容が濃くてあっという間だった!
・発表の仕方も勉強になった!
などなど、楽しんでいただけたよう嬉しかったです^^

以上、レポートでした~!!



次回6月のテーマは「不動産業界」

※日程検討中です
ぜひお気軽にご参加ください^^

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#勉強会

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