固有のオーラを視覚化したマリア・グラツィア・キウリのクチュール / Christian Dior Spring 2024 Couture
こんにちは。
日本時間 1月22日 午後11時に発表されたディオール2024年春夏オートクチュールコレクション。
アーティスト イザベラ・デュクロ(Isabella Ducrot)が制作したインスタレーションがロダン美術館の庭園にある会場を飾りました。
《Big Aura》と名付けられたこの装飾、高さ約 5 メートルの 23 着のドレスが経糸と緯糸をイメージした黒い不規則な線上に配置されています。
マリア・グラツィア・キウリにとってオーラ(Aura)は、オートクチュールを彷彿とさせるもの。個々の持つ「唯一無二の輝き(=オーラ)」を、衣服で表現した今シーズン。
プレーンなコットンは、ふわりとしたコートドレスから始まり
ドレープなどを駆使して固有のオーラに寄り添います。
贅沢に使用した生地の流れが美しい。
からだを入れた時の美しいボリュームが想像できる。なんてディオール!なスカート。
今シーズン、マリア・グラツィアが初めて使用したのが波のような模様をもつモアレ生地。
モアレをインテリアデザインと結びつけて考えていたというマリア・グラツィアは今回、光の当たり方によって幾通りもの表情を見せてくれるこの生地に惹きつけられたという。
生地の特性を最大限に活かしたマントにドレス。控えめで優美。
インテリア色の強かったモアレを違う角度から眺め、その美しさを発掘したマリア・グラツィア。
人も同様よね。嫌なところも良いところも、陰も陽も、全てひっくるめてその人の特性であり、その人にしかない輝き=個性。
その輝きがオーラ。個々に違う美しさを放つもの。
そしてマリア・グラツィアのコレクションにはいつも生物。
このコートのシルエット、マリア・グラツィアのディオールよね。
ヘビもいるよ。
リリースにあるように、このコレクションは、イマジネーションの変容の精神を表現したもの。
マリア・グラツィア・キウリは常に見えないものを私たちに知覚させてくれる。霊性の高い方なんだろうな。
女性性と男性性の融合に焦点を当てた2021年春夏のクチュール、
(記事「タロットの多元的な美しさが表現された Dior Spring 2021 Couture Collection」)
意識を拡大し向上させることを教えてくれた錬金術な2020年秋冬のクチュールも。
(記事「マリア・グラツィアの錬金術〜Dior Fall 2020 Couture Collection」)
衣服は内面の一番外側。
内面に深く潜っていくと、意識が現実をつくり出しているのが感じられます。肉体の周りに存在するエネルギー(オーラ)を物質化した今回のコレクション。私には「個々の持つそれぞれの特性(美しさ)を認め、存分に発揮してね」というメッセージに聞こえました。
新しい世界へ誘ってくれてありがとう。
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