詩「影踏みあそび」―#シロクマ文芸部 「朧月」
朧月を 背にして
春風に 押されながら
子どもと 川べりを
家路に 向かう
春は さくらの香りを
こっそりと 撒き始めてる
「お母さんの 影踏んだ!!」
影踏みを 楽しむその声は
川面を渡り
居眠り している
鴨たちを 驚かす
「また 踏まれちゃったわ!!」
子どもの 小さな影は
たんぽぽの 綿毛のように
あちこちし
川面に 揺らめく
ふと 振り返れば おぼろ月も
微笑んで 見つめていてくれる
『この子と いつまで
この遊びを 楽しめるでしょうか?
春が ずっと