詩「面影の小箱」―#たまる物語企画参加
母さんが 天国へ旅立って
母さんの思い出を
大切に 貯める小箱を
心の奥に作りました。
千代紙で 折られた
小さな ひな人形には、
細くて 白い指先の思い出
湯気の立ち昇る
白いご飯には
母さんのエプロンの香り
廊下磨きの
雑巾の チクチク縫い目にも
母さんが いました
何気なく口ずさむ
「すみれの花咲くころ」は
母さんの愛唱歌
今も 窓辺に揺れる
モーニングローズの
プリザーブドフラワーは、
母さんの笑顔が あります
心の小箱には
母さんの思い出が
ゆっくりと