「君に届かない」詩―青ブラ文学部企画参加作品
おばあちゃんは
口数 少なく
常に 手を動かして
仕事をしていた
ボクを とても可愛がってくれ
お腹が減ったというと
シワシワの手で
塩むすびを 作ってくれる
友達に いじめられて
泣いて 帰ってくると
「いっぱい 泣きんさい
敗けるが 勝ちだわな」と
ザラザラした手で
涙を 拭ってくれた
「坊やはxx家の総領じゃけん
立派な人に おなりんさいよ」と
口癖のように 言い続けた
裏山の みかん畑で
海を行く 船を見下ろしながら
沢山の 昔話をしてくれた
その話の 世