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実現はいつも僕らをうらぎる:ひよこのるる訳詩選

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実現しそうにない願い、去ってしまった幸福などを歌った訳詩を集めました。 「夢がほんとうに美しい、そして実現はいつも僕らをうらぎる。計画だけを信じよう、ついえてしまふいろいろなこ…
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記事一覧

ルコント・ド・リール「夜」(フランス詩を訳してみる 38)

Leconte de Lisle (1818-1894), Nox (1852) (安藤俊次の訳を参考にした。) 『古代詩集』(…

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ヴェルレーヌ「願い」(フランス詩を訳してみる 33)

Paul Verlaine (1844-1896), Vœu (1866) (川路柳虹の訳を参考にした。) 『土星人詩集』(…

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ヴェルレーヌ「Nevermore」(フランス詩を訳してみる 32)

Paul Verlaine (1844-1896), Nevermore (1866) (永井荷風、川路柳虹、堀口大學、鈴木信太郎…

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ヴェルレーヌ「Green」(フランス詩を訳してみる 28)

Paul Verlaine (1844-1896), Green (1872) 果物と花と葉っぱと枝を差し上げましょう それから…

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アポリネール「ミラボー橋」(フランス詩を訳してみる 21)

Guillaume Apollinaire (1880-1918), Le Pont Mirabeau (1912) ミラボー橋の下 セーヌ川が流…

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クレマン・マロ「自分について」(フランス詩を訳してみる 16)

Clément Marot, De soy-mesme (1538) 今やかつての私ではなく 二度と若返ることもできない。…

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ミュッセ「悲しみ」(フランス詩を訳してみる 14)

Alfred de Musset, Tristesse (1840) 僕は 力と生命を失った。 友人たちと快活さを失った。 自分の天才を信じさせていた 僕の誇りまでも失った。 僕が〈真実〉を知ったとき 彼女と友達になれたと思った。 彼女を理解し 感じ取ったとき もう彼女を嫌いになっていた。 それでも真実は永遠である。 真実をそっちのけにした者たちは この地上で全くの無知なのだった。 神が語りかけてくる。答えねばならない。 この世の僕の唯一の財産として 僕の流してきた涙

ゲオルゲ「高まりゆく年の中で、庭の香りは……」(ドイツ詩を訳してみる 19)

Stefan George, Es lacht in dem steigenden jahr dir (1895) 高まりゆく年の中で、庭の香り…

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ミュラー「菩提樹」(ドイツ詩を訳してみる 18)

Wilhelm Müller, Der Lindenbaum (1823) 市門の前の泉のほとりに 一本の菩提樹がある。 その…

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ラマルティーヌ「秋」(フランス詩を訳してみる 13)

Alphonse de Lamartine, L'Autmmne (1819) ごきげんよう! わずかに緑の残る林よ、 まばらに…

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ラマルティーヌ「湖」(フランス詩を訳してみる 9)

Alphonse de Lamartine, Le Lac (1820) 日本での知名度は低いですが、フランス・ロマン主義を…

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ヴェルレーヌ「屋根のむこうでは 空が……」(フランス詩を訳してみる 5)

前回の「月の光」に続いて、ヴェルレーヌの詩をもう一つ訳してみます。 1881年の詩集『叡智』…

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ジョアシャン・デュ・ベレー「幸いなるかな オデュッセウスのように……」(フランス…

久しぶりに心に触れる詩を見つけた、と言ったら、いつも訳している詩はなんなんだということに…

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アイヒェンドルフ「あこがれ」(ドイツ詩100選を訳してみる 9)

「月夜」(Mondnacht)に続いてアイヒェンドルフの詩の翻訳第2弾。想像の中のイタリアを歌っている詩だという。 Sehnsucht Es schienen so golden die Sterne, Am Fenster ich einsam stand Und hörte aus weiter Ferne Ein Posthorn im stillen Land. Das Herz mir im Leib entbrennte, Da hab' ich mir he