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【季節の楽しみ#15】門松作り(12・1月)

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ぼくの地域では毎年、有志のお爺ちゃんたちが門松を手作りして公会堂前に飾っている。
今回はこれのお手伝いに行ってきたら結構面白かったのでレポートしていく。

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材料は竹、松、梅、笹、南天、あとは藁紐と藁こも(藁で編んだむしろ)を準備する。ちなみに、藁紐や菰なんかは買わんでも結ったらいい!とお爺さま方は笑ってた。マジか!?この時点でこの人たち、すげぇなと思った。

それではここからが門松の作り方である。
まずはじめに、門松の設計図を確認する。

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いや、設計図、雑か!?
てか、なにこれ?
ラクガキじゃなくて?

ぼくは心の中で盛大にツッコんだ。大先輩方を前になんとか口に出すのを思いとどまるも、なんとこの設計図に誰も違和感を感じていないようだ。この時点でこの人たち、ヤベェなと思った。

大先輩方はラクガ……設計図をもとにテキパキと作っていく。

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竹をノコギリで切り揃え、
(え?長さは?ドコに書いてあった?)心の声

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三本ワンセットで針金で縛り上げる。
(めっちゃ手際いいな!)心の声

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菰を巻いた樽にブッ刺して、スキマスイッチに砂を詰め込み、

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藁紐を上から3、5、7重に巻いて、
(この結び方がマジで謎だった)

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足元に松、梅、笹、南天を飾ったらできあがり!
(おぉ!それっぽい!)

門松は二つでワンセットなので同じもの(厳密には少し違うもの)をもう一個つくったんだけど、作業時間は合計1時間足らずだった。マジで速ぇ。
みなさん迷いなくどんどんつくるから、あのラクガキ必要ないんじゃね?と思うんだけど、そんなことは言えなかった。

今回お手伝いした中ではぼくがぶっちぎりで若造だったから、今後のためにということで色々教えてもらった。
その中でも最高に謎だったのが藁紐の結び方だ。

お爺が「ここをな!こうして!こうやってから、ここがこうくるもんで、こうだ!」みたいに教えてくれるんだけど、なんつーかもう意味不明だったね!
「分かったか?」って聞いてくるもんだから、正直に「全然分からん!」って言ったら「バカっつら!」と言われた。

この「バカっつら」っていうのは静岡県中西部では親しみを込めて言う言葉だ。でも最近は使う人も減ってきた。
ひょっとすると、門松もこうして手作りするところは減ってきているのかもしれない。ステキな活動だと思うので、なんとかこれを引き継いでいきたいと思うけど、こうやって直接教えてもらえるのも年に1回だし、きっと覚えるのにまだまだ時間がかかる気がする。爺ちゃんたちにはぼくが紐の結び方を覚えるまでぜひ長生きしてもらって、また来年一緒に門松を作りたい。

門松は年神様をお迎えするための正月飾りだ。今年もこの地域に豊作と幸せが訪れますように!

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よく噛んで食べるべし!


100円→今日のコーヒーを買う。 500円→1時間仕事を休んで何か書く。 1,000円→もの書きへの転職をマジで考える。