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EC4.0 インタレストコマース

Z Venture Capital の李路成(@lucheng_li)でございます。YJキャピタルとLINEベンチャーズ合併後の初記事ですが、今年もペースを上げて良い記事をバンバン出していきますぞー


突然ですが、一つ聞かせてください。今のオンライン買い物が煩わしいだと思ったことありませんか?

・検索しただけなのに、関係ない商品がいっぱいプッシュされてくる、

・一回間違えてクリックした商品は、買いたいだろうと判定されしつこく表示される、

・買うものを決めたにも関わらず、まだ同ジャンルの商品レコメンドされ続ける、

・・・

上の体験、ショッピングを愛用している皆さんは多かれ少なかれはあるでしょう。

つまり、検索→比較検討→購入というオーソドックスな買い物体験は商品の多様化により、効率が悪化する事象が起こりました。故に、消費者は新しい購入体験を求めている時期に踏み込んでいることが言えるのではないでしょうか。

これからはEC4.0、インタレストコマースの時代に突入すると僕は信じています。

インタレストとは何ぞや

一言で言うと、ユーザーは潜在的なニーズに興味関心ありそうなコンテンツをレコメンドされ、買い物に至るような体験です。

この概念はバイトダンスのコマースサミットで責任者が初めて持ち込んだものです。実はそれまでインタレストコマースが流行る兆候はたくさんあったけれど、なかなか業界の皆さんも言語化できなかったです。

なのでこの文章でもバイトダンスや他中国のコマースプラットホームをなぞって少し未来を辿ってみたいです。

弊社Z Venture Capital去年リリースしたソーシャルコマースの外観図ではKOL型のECやコンテンツ型のECを両カテゴリーに分けました。

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その時に考えたKOL型のコマースはライブコマース、コンテンツ型コマースは見るコンテンツの間に購入できるコマースでした。

しかし、大きく捉えてインタレストコマースはKOL型のライブコマースとコンテンツ型コマースを内包していると考えます。

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ライブは販売チャネルの一つであり、コンテンツコマースの中でもよく一つのフィーチャーとして実装されます。両方の特徴を結合してうまく表現したのはインタレストコマースです。

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インタレスト型のコマースは二つの特徴があります。

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インタレストコマースの提供価値

いったいインタレスト型のコマースはユーザーのどのようなペインを解決して、価値を提供しているのでしょうか?

具体的にインタレスト型の体験からヒントを得たいと思います。

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一番面白いのは商品画面までたどり着くと、また新しい商品に関連する動画があります。現在はまだ全ての商品に面白いコンテンツができているわけではないですが、今後はより拡充していくと想像つきます。

ここでちょっと視点を変えてみてはどうでしょうか。

このような体験はどこかで見たことないでしょうか?実はこれって初めて大型のショッピング施設に入ると同じような感覚が得られるではないでしょうか。

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ショッピング施設が厳選したブランドをずらずらと並べて、消費者は入って「え、これも売ってるんだ」「何このブランド初めて見たけどすごい良い雰囲気」と驚く。さらに店が内装、商品揃い、スタッフの雰囲気で商品ブランドのイメージを伝える。

インタレスト型コマースはまさに発見、興味関心の楽しさをオンラインに再現しようとしています。

つまり、インタレスト型コマースこそ、楽しい&ワクワクする買い物を再現できるポテンシャルがあるのです。

もちろん今までのコマースプラットホームも楽しい買い物を再現する工夫をたくさん施しました。例えば、出店者のページをカスタマイズできるようにするなり、商品紹介を読まれやすいように改善するなり、などなどがあります。

しかし、インタレスト型のコマースの決定的な相違点はやはりいかにユーザーが潜在的に好きそうな商品と出会わせることを効率的に行うということだと思います。過去のプラットホームは一回検索をかけてから、検索結果の中で商品を選ぶため、ユーザーにとって見分けるコストが非常に高いです。

インタレスト型コマースと他のECサービスのとの違い

もう少し全面的に他のECの特徴と比べるとインタレスト型コマースは実は非常にわかりやすいです。

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(コミュニティコマース、共同購入コマースの詳細は以下関連の記事をどうぞ)

https://note.com/mcromance/n/n1e645c7d2eea

https://note.com/mcromance/n/nf335857da1a5

完全に自分の意見ですが、今や小紅書(Red)、抖音(Douyin)、快手(Kuaishou)はインタレスト型コマースの類に入ります。

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インタレストコマースは本物か

エマージングな市場を見極めるのは難しいですが、個人的に二つのアンカリングポイントがあると考えます。

1、ショートビデオを視聴する時間が継続的に伸長

中国オンライン視聴コンテンツサミットは「2020中国オンライン視聴研究報告」をパブリッシュしました。55%の人は一日1時間以上ショートビデオを視聴して、20.2%の人は2時間以上見ています。さらに、ショートビデオを毎日見ている人は60.4%も存在しています。

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つまり、中国の人々はショートビデオアプリを見ることが習慣化されていて、計り知れない潜在マネタイズ価値が秘めていると考えています。

2、ライブコマースの流行

ライブコマースは中国で去年大きな話題になりました。

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iimediaのデータによるとライブコマースの市場規模は20兆円に到達するそうです。さらにタオバオライブもGMV6.6兆円、快手(Kuaishou)のGMVも2020年3Qまで5.4兆円という実績があり、ライブコマースはマネタイズの手段として成り立つということもわかりました。

まして、a16zのConnieChanさんは去年TwitterでAmazonの競合はソーシャル、ビデオアプリなのだと連発していました。

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まとめると、人々のライフスタイルがビデオという手段によって大きく変わった中、過去よりもカスタマーが利便性より娯楽性を追求してきているトレンドは、ビデオベースドな買い方体験は主流になることを示唆しています。

インタレストコマース、出発

最後に、ちょっと個人的な感想です。

バイトダンスの公式ブログで「サードパーティのデータでは、インタレストの市場が2023年に15.8兆円に成長する」と書かれています。データの信憑性は多少ツッコミどころありますが、バイトダンスが取り込んでたくさん追随していくプレイヤーがいるでしょう。

また、インタレストベースドなコンテンツは古来からあります。雑誌、メディア、それまでも盛りたくさんな媒体がありました。しかし、印刷技術が成熟したとともに紙面の物販広告が流行したように、インターネットの時代になってきて、コンテンツ自体は再発明され、ビデオベースドな買い方は主流になっても全然おかしなことではありません。

今後、全ての買い物が生き生きしている動画を閲覧をして、すぐに手に届くような幻想世界はやってくること、期待しています!

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参考URL:

1、バイトダンス公式ブログ、インタレストコマース(https://mp.weixin.qq.com/s/AO39XTWyQLIuSqTgSpqT2w)
2、 the paper (https://www.thepaper.cn/newsDetail_forward_12118556)
3、 「中国网络视听发展研究报告:短视频吸睛 新技术渗透」視聴研究レポート(https://lmtw.com/mzw/content/detail/id/192959)

4、タオバオライブGMV(http://www.sohu.com/a/448628107_99991664)

5、ライブコマース市場規模(https://m.21jingji.com/article/20210129/herald/91f20157848d1389c27f275a397d9435.html)


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