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国立民族学博物館 創設50周年記念特別展「日本の仮面――芸能と祭りの世界」


奄美大島の南、海がものごっつうキレイな加計呂麻島の諸鈍という集落に、諸鈍シバヤというお祭りがある。
源平の戦いに敗れて落ちのびて来た平資盛一行が、土地の人々と交流を深めるために伝えたのがはじまりと伝承されている祭りで、まあ、そういうことになっている。

諸鈍シバヤは、旧暦の9月9日に、諸鈍集落の大屯(おおちょん)神社で、面を被っての狂言や人形劇などが囃子と三味線の音色に乗っかって繰り広げられる。

見たいと思いながらも、なかなかタイミングが合わないのだけれども、2022年に加計呂麻島を訪れたとき、コロナ禍が明けたか明けてないかのときで、大屯神社ではやらないけど、子どもたちを中心に小学校の体育館でやるよ!ということになり、念願の諸鈍シバヤを見るチャンスに大接近したのだけど、やっぱ、コロナ禍が明けたばっかで、離島だから、島外の人はちょっと…となり、見ることが叶わなかった。

ただ、そのとき、諸鈍シバヤで使う面を見せてもらうことができ、直に手に触ったり、被らせてもらったりと、貴重な経験をさせてもらった。
それまで全然気にしたことなかったけれども、あれは紙でできてるんやね。つか、諸鈍の子どもたちが自作するのだとか。
それ以降、面を見るたびに気にしているのだが、面を自作するケースは意外とあるみたいだ。

もう会期も終わろうとかいうときになって、ようやく国立民族学博物館 創設50周年記念特別展「日本の仮面――芸能と祭りの世界」へ。
今回の展示のアイコンみたいになっている鹿児島県・硫黄島の巨大ユーモラスな面のメンドンも、紙製だった。考えてみれば、あんなにデカい面なのだから、たとえ桐だとしてもしんどいだろう。張子の虎方式の紙製がいい。

知恩寺や當麻寺で見た観音さんの練り供養で被る観音菩薩の面も出品。
石見神楽はもちろん、全国津々浦々の神楽の面も。
大好きな伊勢大神楽の獅子舞も。
小浜島の貧乏神・ダードゥーダーの面も。
果ては大阪プロレスのえべっさんのマスクまで。

仮面は芸能や神事と直結しているので、みんぱくが得意とするところで、50周年記念展示ができるくらいにはめちゃくちゃな数を持っていると思われ、いやー、今回の展示で出品された仮面の数、種類の豊富さったらないな。700点ですと。
通常展示でこれまでに見たものも多いけど、これまでとは違った体系立てで見せてくれるので、これはこれで新鮮。

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