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仏像をめぐるぐるりのこと

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2ヶ月に一度、大阪キタ・扇町の「扇町ミュージアムキューブ」内談話室カフェ「マチソワ」にて、仏像トーク「仏像をめぐるぐるりのこと」を開催しています。 マチソワ(大阪市北区南扇町6…
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#定朝

末法思想と阿弥陀浄土と平等院鳳凰堂

西方阿弥陀浄土を現出させた平等院鳳凰堂 今回は、宇治の平等院鳳凰堂を紹介します。10円玉に刻まれてるやつですね。 ちなみに、鳳凰堂に行くと10円玉に刻まれているものと同じアングルで撮影されている方がほとんどですが、左へまわって、阿字池から眺めると風情があっていいです。真正面はちょっと味気ない。 さて、この鳳凰堂は古い建物で、平安中期に建てられました。先ほどの浄瑠璃寺の九体阿弥陀堂と同時期に建てられた古い建物です。同時代に建てられた建築物で有名なのは、岩手県平泉町の中尊寺

仏像のつくりかた

仏像のつくりかたを見てみましょう。 木造や金銅像、石像など、仏像にもいろいろな素材でつくられています。 乾漆像 最初につくられたのは、どうやら塑像だったようです。 塑像とは、粘土でつくった仏像のこと。 木と縄で芯をつくって、芯にペタペタと粘土を貼り付けていって、つくります。 粘土なのでかなり細かな造形ができます。しかも制作コストが安い。着色もしやすい。 ただし粘土なのでもろい。時間が経つと、ボロボロと崩れてきます。 なので、奈良時代につくられて以降、あまり制作されなくな