THE COLLECTORSを見た!
マイクスタンドって演出になるな、カッコいいなあと思ったのは、SMAPの「さかさまの空」。2012年ごろ、遠征の味を覚え始めた僕ですが、あくまで知っているのは少数のバンド。その中で、家庭に日常的に流れていたSMAP×SMAPを見て「ああ、マイクスタンドを使うのって凄えなあ。振り付けになるんだなあ。」と思ったような気がします。
年々、ボーカルを主パートとするバンドも見るようになったし、好きなバンドのギターボーカルがハンドマイクで歌う姿も見るようになりました。ハンドマイクはパスピエの大胡田なつきさんに魅せられて良さを体験した気がします。サカナクションのボーカルマイクもいつからか左右に触れるようになったり、色々なマイクスタンドがあるんだなとか。
このようなボーカルスタイルにおけるフェイバリットはTHE COLLECTORSの加藤さんかもしれません。ってことで今回はTHE COLLECTORSのライブの感想をつらつらといきます。
今回のツアーは昨年リリースされたアルバム「YOUNG MAN ROCK」に伴うツアー。昨年のTHE COLLECTORSは長年懇意にしている渋谷クラブクアトロでのマンスリーライブが主でしたので、福岡公演は1年5ヶ月ぶりでした。
セトリは割とぼんやりですが、新アルバムから8曲を演奏されていました。一曲目はアルバム同様に「クライムサスペンス」。この曲はまさにクライムサスペンスな連ドラを見よう、という歌詞で(笑)サイコなキーボードの同期音のなか、ジャキッとしたギターと暗闇を駆け抜けるようなドラムが印象的です。最後には「シーズン2」という歌詞に合わせて、加藤さんが横にピースサイン…。
先日のBUCK-TICK武道館でも見たけれど、50過ぎた男性の活き活きとしたピースサインは本当に負けてられないなと言うか(笑)凄まじいエネルギーをもらえますね。
さて、冒頭書いたように加藤さんはギター、ベース、マラカスにタンバリンなどを扱うこともありますが基本はボーカル。シールドを手に巻いてハンドマイクで歌われたり、マイクスタンドを使って曲にアクションを乗せながら歌われたりされます。またハイトーンボイスを耳を抑えて音程を取られるなど、生音を確かめながら歌われるのも印象的ですね。その何が凄いって、ご自分でも言われてましたけど(笑)20年以上前の曲もほとんど同じような音程、リズムで歌うのですね!半音下げだったり、テンポを遅らせたりせずに進行形として表現される。
NICK!NICK!NICK!や僕はコレクターなど、30年以上前からある曲も当時と同じように若さゆえのパワフルさも再現するかのように歌われていてですね。年齢によって息が続かなくなる、とはポッドキャストでよく言われていますが、絶えず工夫や努力されてるんだろうなあ。
また加藤さんは183cmもありますから、立って声を出すだけで、腕を振るうだけで迫力がありまして…魅せる力というか、視線が集まってしまう人というか。そしてギターソロやベースソロ、ドラムパートで縦横無尽にはしゃぐ、はしゃぐ。THE COLLECTORSのほとんどを作詞作曲されるのが加藤さんですが、どの曲も自分が聞いて楽しいもの、歌って楽しいものを作られてるんだろうなあと思えます、、、
今回はこのように。身長とその類まれな喉を活かしたボーカルスタイルは今回も圧倒的でした。
自分が普段聞くアーティストさんのようにアルバムの構成に何重もの仕掛けがあったり、聴き手に内省をもたらすような音楽ではないですが、見えたものをはっきりと歌い、時代の変化をしっかりと感じつつも自らの趣味嗜好を音楽にして貫く。それがTHE COLLECTORSを好きなところだと思いました。
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