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22/23 リーグアン 個人的ベストイレブン

さて、2022/23シーズンも終了し、リーグアンに関する記事を練ってきましたが今回はフットボール界ではお馴染みであるベストイレブンを考察していきます。

ちなみに公式では以下のベストイレブンとなりました。

22/23シーズン リーグアン年間ベストイレブン

迷いに迷いましたが、これはあくまでも個人的見解であり、各々の意見はコメントなどで教えてください!

今回の選定には特に縛りはありませんが、フォーメーションは5-3-2とさせていただきます。そして、各ポジション次点も含め2人ずつ、計22人選ばせていただきました。



GK

ブリス・サンバ(RCランス)

1994/04/25 フランス🇫🇷代表

今季の成績 37試合 28失点 無失点15試合

2019年からイングランドのノッティンガム・フォレストで経験を積み、2022年夏にフランスに舞い戻った。プレシーズンマッチでエーズ監督の信頼を掴み、リーグ最少失点を誇ったチームの躍進に貢献した。強靭な肉体と抜群の反射神経に加え、現代フットボールに求められる左足の高精度のキックも兼ね備えている。試合を重ねるにつれてポカはだいぶ減ってきており、3月にはフランス代表に初招集された。もともとルーツのあるコンゴ代表にも選出されていたが、フランス代表入りを諦めきれずに何度も召集辞退した結果が実を結ぶ。マルセイユ時代には風貌と利き足が同じであることから「Next マンダンダ」と称された。


次点 スティーヴ・マンダンダ(レンヌ)
1985/03/28 元フランス🇫🇷代表

今季の成績 34試合 31失点 無失点12試合

出場機会減少により、レギュラークラスのGKを求めていたレンヌに赴き、38歳ながら未だ衰えない反射神経を披露。ポカも含めて「マンダンダ」という名前がプレースタイルにそのままつながっていることを今季改めて認識させられた。その活躍ぶりからメニャンの負傷によりワールドカップにも呼ばれた。代表で彼の姿を見ることはできなくなったが、ブッフォンに負けないぐらいのキャリアを続けてもらいたい。



CB①

アクセル・ディザジ(モナコ)

1998/03/11 フランス🇫🇷代表

今季の成績 38試合 3G3A

冬にバディアシルを失い、マリパンやマラング・サール、マツィマというように相棒がコロコロ変わることがあっても彼の信頼だけは揺るがなかった。チームは終盤に失速したが個人のパフォーマンスは安定していた印象。キャプテンマークを巻く機会も増え、ピッチ内外で人間性も成長した様子が見られた。ワールドカップにはキンペンベの負傷、3月のユーロ予選ではサリバの負傷により代表召集。SBもこなせるくらい、積極的な運びやフィジカルの強さはより磨きがかかった。来季は引く手数多ではあると思うが、高みを目指してほしい。


次点 アレクサンダー・ジク(ストラスブール)
1994/08/09 ガーナ🇬🇭代表

今季の成績 31試合 1G2A

アントネッティが2月に就任して復活した選手の1人。フォーメーションが固定し、3バックの中央としてまさしくディフェンスラインの““となった。アフリカ人さながらの対人の強さで目立たぬところで貢献してきた。カードの多さが玉に瑕ではあるが、それぐらい熱く戦えていることの裏付け。実際に筆者も現地でストラスブールの試合を観戦したことがあるが、イレブンの中で一番ジクの体がエグかった(語彙力)



CB②

ダニーロ・ペレイラ(PSG)

1991/09/09 ポルトガル🇵🇹代表

今季の成績 33試合 2G

今夏は冷遇して多くの選手がPSGを去ったが、一番残ってくれて助かったと思えるのは間違いなくこの「和尚」しかいない。昨季はインサイドハーフ、今季は3バックの一角として新境地を開拓。代表でもルベン・ディアスとコンビを組む機会が増えた。188cmの巨体からは想像できないほどのカバーリングの速さとエリアの広さ。何よりも驚きなのは言語習得の異常な早さ。2分でフランス語をマスターしたという噂は流れたが、実際にフランスにきて8ヶ月後にフランス語でインタビューに答えている。マルキーニョスといい、ベルナルド・シウバといいポルトガル語話者の巧みな言語力が彼によってまた証明された。


次点 ユニス・アブデルハミド(スタッド・ランス)
1987/09/28 元モロッコ🇲🇦代表

今季の成績 37試合 1G2A

出場停止や大きな怪我がない限り試合に出続けるまさに鉄人。伊東純也が移籍したことでスタッド・ランスの試合を観る人が増えて彼の名前を聞く機会も増えたのでは。終盤は出続けたことによる溜まった疲れによりチームの成績も急降下したが、キャプテンの信頼は厚く、どんな状況でも引っ張ってきた。対人守備だけでなく、左足のフィードも正確。もう少し若ければ間違いなく市場の注目株になっていただろう。



CB③

ファクンド・メディナ(RCランス)

1999/05/28 アルゼンチン🇦🇷代表

今季の成績 32試合 2G4A

2020年から在籍して、いまや3バックの左は彼以外は考えられなくなった。左での積極的な持ち運びから攻撃に絡んで、今季はリーグアンでアシストが4つもついた。彼も23歳でまだ若い選手であるからこそ、国内外から注目は集まったが、2026年まで契約延長。噂になった瞬間に新たな契約を結ぶフロントの賢さが目立つぐらい、クラブにとって重要な選手。マルセイユ戦ではさすがアルゼンチン人と言わんばかりに相手ベンチにボールを蹴り入れて一悶着を起こす(○レデス??)


次点 マキシミリアーノ・カウフリーズ(クレルモン)
1997/02/16 ベルギー🇧🇪国籍

今季の成績 26試合 1G

おそらくこの中では一番知名度の低い人物ではあると思うが、実力は折り紙付き。ロシアへのレンタル移籍を経て、今季からフランスリーグに挑戦したベルギー人は一定した出番は与えられなかったが、春先からガスティアンの信頼を経て3バックの左に固定。攻撃面よりも守備面での1対1の圧倒的な強さを披露。ベルギー代表はU19しか経験がないが、これからテデスコ監督の目に留まってほしい選手。



RWB

ヴァンデルソン(モナコ)

2001/06/21 ブラジル🇧🇷国籍

今季の成績 31試合 1G4A

怪我がなければおそらくリヨンのギュストを推していただろうが、彼を差し置いても後半戦は圧巻のパフォーマンスで信頼を得たブラジル人を選びたい。もともと2列目もできる攻撃的な選手として昨冬モナコに迎え入れられたが、今季は課題の守備面も改善し、アギラルから完全にポジションを奪い返した。まだ21歳と若く、ハキミのような攻撃性とウォーカーのような守備力を身につけることが期待される、ポテンシャルに溢れている選手で、噂ではマンチェスターユナイテッドが注目しているとも。先日解任されたクレマンの戦術では彼を活かしきれていなかった部分もあるため、戦術的に彼の良さを引き出せるチームへのステップアップも免れないかもしれない。


次点 ミケル・デスラー(トゥールーズ)
1995/02/19 デンマーク🇩🇰国籍

今季の成績 27試合 1G2A

「デスラー」という名前を聞くと、宇宙戦艦ヤマトに登場するガミラス帝国の総統であるアベルト・デスラーを想像する人も多いだろう。トゥールーズ×PSG戦の解説を務めた中山淳氏もこのことをネタに仰っていたが、実況の西アナウンサーにはうまく伝わらず。アベルトとの同じところは金髪くらいで、ミケルの特徴は90分を通して激しく上下動をできる点。怪我をしないようにモンタニエ監督にはうまく出場機会をコントロールされているが、今後は1年間フルで戦えることを期待したい。



LWB

カイオ・エンリケ(モナコ)

1997/07/31 ブラジル🇧🇷国籍

今季の成績 35試合 1G9A

後半戦は3バックの左を任されることも増えたが、1番の魅力は左足から放たれる高精度のキック。ディフェンダーながら9アシストを記録した。特にゴロヴィンとの左サイドの連携は見もので、セットプレーにおいてもゴロヴィンと共にタイミングをずらすキックでアシストを重ねてきた。ルーツのあるブラジル代表かスペイン代表入りを目指してステップアップも視野に入れているという報道があるが、そうなるとモナコはディフェンスラインを一掃しなければならない。


次点 イシアガ・シラ(モンペリエ)
1994/01/01 ギニア🇬🇳代表

今季の成績 32試合 1G3A

リヨンのタグリアフィコとも悩んだが、ここではトゥールーズの昇格に貢献し、冬にモンペリエへ国内ステップアップを果たしたギニア人プレーヤーを推したい。1番の魅力はウィングのような高い攻撃性能。縦突破には確かな自信を持っており、守備面がもう少し改善されるとその名はもっと広がるはず。2023年5月21日に行われたナント戦の前に母親を亡くし、欠場することもできたが試合に出場し、チームの快勝に貢献。涙と共に勝ち点3を母に捧げた。



DMF

バンジャマン・アンドレ(リール)

1990/08/03 フランス🇫🇷国籍

今季の成績 34試合 1G1A

今季リールの中盤にはアンドレ・ゴメス、エンジェル・ゴメス、カベラという新戦力が続々と加入し、ECL出場権獲得に大きく貢献したが、彼らの活躍はどんな相棒と組まされても毎回期待通りの仕事をやってのけるアンドレがいたからこそ。ビルドアップでもフィニッシュワークでも目立つ選手ではないが、全体の屋台骨として中盤でうまくコントロールする能力はリーグトップクラス。リールに最も欠かせない人物を問われたら間違いなく彼が上位に挙がってくるだろう。


次点 ファン・デン・ボーメン(トゥールーズ)
1995/07/21 オランダ🇳🇱国籍

今季の成績 35試合 5G8A

2020年にオランダからやってきた戦士は2年目の昨シーズンに12G21Aというとんでもない記録を残した。期待と共に1部に上がった今季は5G8Aとまたしてもチームを牽引。特に春先からスピエリングスとダブルボランチを組むようになってから守備貢献と攻撃の組み立てにおいてより目立つ存在に。夢のオランダ代表を目指して今季限りでチームを去り、アヤックスへの移籍が発表された。ELに出場するにあたって彼の代役候補を見つけることは相当難しいが、ここからがダミアン・コモリ会長の腕の見せ所だろう。


CMF①

セコ・フォファナ(RCランス)

1995/05/07 コートジボワール🇨🇮代表

今季の成績 35試合 7G5A

Next ヤヤ・トゥレ」と称されて入団したマンチェスターシティのアカデミーでは開花しなかったが、フランス北部の熱狂的なクラブにおいては絶対に欠かすことのできない核。イタリアでは3バックの中央を務めていたが、RCランスでは攻撃的なボランチとしてピッチを縦横無尽に走り回り、強靭なフィジカルとミドルシュートで相手の脅威になり続けてきた。よく日本では室伏広治氏がゴリラに例えられることがあるが、個人的には全フットボーラーの中で一番ゴリラに近い能力を持っているのは彼なのではと思ってしまう。それぐらい彼のプレーは大胆かつ魅力的で、たびたび度肝を抜かれる。


次点 ジャン=リスネル・ベルガルドゥ(ストラスブール)
1998/06/27 ハイチ🇭🇹国籍

今季の成績 30試合 2G6A

ジュリアン・ステファン元監督やル・スコルネ暫定監督時代も低迷を極めるチームの中で最も輝いていた人物。もともとはボランチではあるが、アントネッティによって終盤は1列前を任されることに。多少の守備負担の軽減と、攻撃時により危険なエリアで絡む機会が多くなった。身長は170cmと大きくないが、大柄の相手に囲まれても失わないボール捌きや運ぶ能力は観る者を魅了する。個人的には他のリーグには教えたくない・知られたくない人物の1人ではあるが、1年を通して低迷期からチームを支え続け残留に貢献した仕事屋に賞賛の念を送りたい。



CMF②

エンゾ・ル・フェ(ロリアン)

2000/02/03 フランス🇫🇷国籍

今季の成績 35試合 5G5A

彼の生い立ちやプレースタイルについては以前の記事でも触れてきたが、1年を通してチームは残留争いに巻き込まれることなく、個人のパフォーマンスも安定していた。ボーンマスとの共同オーナーが1月に就任し、ル・フェの去就についてプレミアリーグのコネクションを活用することをオーナーが仄めかしていたが、ドルトムントの補強リストにも名を連ねている。退団が濃厚なベリンガムとは全く異なったプレースタイルではあるが、どんなチームでもきっと真新しさをもたらしてくれるだろう。国内ではレンヌが接近中という報道が出てきたが、移籍先がフランス国内外であろうと今後も彼をずっと追っていきたい。


次点 バンジャマン・ブリジョー(レンヌ)
1994/01/14 フランス🇫🇷国籍

今季の成績 37試合 7G10A

レンヌに来てからはサイドハーフを任されることも多かったが、今季終盤ジェネジオ監督は4−3−3のボランチに彼を固定。それでも流動的に前線と絡みながら、デ・ブライネばりの右サイドからのクロスで何度も決定機を演出してきた。最終節にはEL出場権獲得につながるPK含む2得点で最初から最後まで彼には頭が上がらなかった。トラオレの欠場時にはキャプテンマークを巻き、やんちゃな若手タレントが多いチームをうまくまとめ上げている。ドクやグイリ、カリムエンドに目が行きがちであるが、過小評価されている彼を90分間見続けても飽きない選手である。純粋なフランス人ということもあって代表入りがかなり熱望されている。



CF①

アレクサンドル・ラカゼット(リヨン)

1991/05/28 フランス🇫🇷代表

今季の成績 35試合 27G5A

今季も得点王争いは激しかったが、まさか彼がここまで活躍するとは正直思っていなかった。アーセナルでの旅を終えて、近年燻るリヨンにトリッソと共に舞い戻ってきたレジェンドはピッチ内外でチームを牽引。特にブランが監督に就任してからは、若いシェルキやバルコラなどの前線のタレントの持ち味をうまく活かしつつ、自らもフィニッシュに積極的に絡んだ。その姿はリトル・ベンゼマであり、優勝を逃したグーナーもこれほどの出来なら彼を残しても良かったのではと思っただろう。特に34節の1−4から4点を決めて大逆転をしたモンペリエ戦が印象深く、試合を見ていて思わず「かっけえ。」と呆気に取られてしまった。結果的にロヴレン、トリッソと共にレジェンドを迎え入れた判断は功を奏し、来季には期待せずにはいられない。


次点 エリー・ワイ(モンペリエ)
2003/01/02 フランス🇫🇷国籍

今季の成績 33試合 19G5A

彼が活躍すると、日本では「ワイ、2得点で勝利に貢献。」というようにあたかも投稿主が活躍したかのようにされてしまう。上記のラカゼットが4点を決めて5−4で勝利した試合でワイも4点を決めている。1番の魅力はカウンター時においてディフェンダーの死角をうまく取りながら、持ち味のスピードでフィニッシュに至る。競り合いにはめっぽう強いわけではないが、ディフェンダーにとって嫌なポジションを取りつつ、チームにとってはカウンターの的になりやすい動きをするため、得点に結びつきやすい。ただ、試合によっては完全に消えてプレーも雑になることがたまにある。今後揉まれに揉まれて改善していくことを期待したい。来季の去就は不透明であるが、近年のモンペリエの最高傑作であることは間違いない。



CF②

キリアン・エンバペ(PSG)

1998/12/20 フランス🇫🇷代表

今季の成績 34試合 29G5A

「やはり彼なのか」と思われるかもしれないが、その通り、やはり彼なのである。前半戦はメッシ、ネイマールの好調により複雑なタスクを任されていたが、後半戦は2トップの1角を担うことで彼の最大限の持ち味が発揮できるように。5年連続で得点王、4年連続でリーグ最優秀選手賞に輝いた。代表では新キャプテンに就任し、クラブでも副キャプテンをなぜか跳ね除けてキャプテンマークを巻くように。クラブの来季獲得候補にコロ・ミュアニやオシムヘンといったストライカーすなわち彼の相棒候補がずっと名を連ねているのは、彼を最大限に活かすことが勝ち筋であることをクラブも理解しているから。個人的には談笑しているだけでも微笑ましいメッシとの関係性を来季も見たかった。


次点 フォラリン・バログン(スタッド・ランス)
2001/07/03 アメリカ🇺🇸代表

今季の成績 37試合 21G2A

彼もまたアーセナル出身者で他国で覚醒した人物の1人。前線はエキティケの存在を完全に忘れさせる活躍ぶりで、伊東純也と共にスタッド・ランスの攻撃を大きく貢献した。負けが混んだ4月は彼自身が試合の中で消えることもあったが、これを見てウィル・スティルは左サイドに置いてリズムを作ってプレーさせることで、うまく試合に入ることができた印象。ゴール前でのポジショニング含め、得点パターンも一気に増えた。彼自身が来季はスタッド・ランスに残らないことを明言しており、去就も注目ではあるが、代表にアメリカを選択したこともあって、今後は彼を見る機会がさらに増えるだろう。




ベストイレブンを選ぶのはやはり難しいです。次点にも名前は上がりませんでしたが、アシスト王のメッシや、RCランスのオペンダ、マルセイユのサンチェス、リールのデイビッドなどと前線は悩みに悩みました。また後ろでもマルセイユのクラウスやトゥールーズのニコライセンといった選手も正直推したい選手たちです。

今回の選定で最も重要視したのは「ピッチ内外でのクラブへの貢献度」。これを設定してもまだ疑問符が残る部分はあるかと思いますが、個人的なのでお許しを。ただ、公式で選ばれたイレブンをそのまま評価するのはあまり面白くないというのが自分の考えです。

さて、皆さんが予想したイレブンや、応援しているチームからは何人選ばれたでしょうか。ここに挙げた選手はどれも来季注目してほしい選手たちです。来季のリーグアンの放映がどうなるかはわかりませんが、多くの方に愛されるリーグ・選手となることを期待しています。

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