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【23/24シーズン総集編】スタッド・ブレスト29
【23/24シーズン総集編】と題して、今季のスタッド・ブレスト29を振り返る。
総合成績
リーグアン:38試合17勝10分7敗(61)
(総得点53 総失点34)
クープ・ドゥ・フランス:11回戦敗退
【総評】
"中の上" クラブ数削減の最大の恩恵を受ける
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誰がこの順位を予想できただろうか。いや、予想できた者はいた。開幕前、現地記者は「モハメド・カマラやデル・カスティジョらの主力を残留させることができれば、良いシーズンを送ることができるかもしれない。」
されども、その見立てを出した記者の期待値を大きく超えたのは間違いないだろう。昨季の主力の流出をオノラだけに留めた戦力はリーグでは"中の上"レベル。国内クラブでエースになりきれなかった存在や、他国リーグで馴染めずにいた戦力をかき集めたことにより、中位クラブにおいては豪華な顔ぶれとなった。
その期待に応えるかのように、開幕戦では昨季2位のRCランスにいきなり土をつける。その勢いを絶やすことなく、走り抜けたチームはクラブ史上初のチャンピオンズリーグ出場という大偉業を成し遂げた。
躍進の要因に関しては今後の記事で綴ることとするが、陰ながら今季のリーグアンに旋風を巻き起こした事実は歴史に残る快挙だ。
【年間成績・個人成績】
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【シーズンハイライト】
①躍進の兆しは開幕戦から?
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リーグアン第1節 vsRCランス ◯3-2
昨季はわずか4敗という(リーグ最少)、猛威を振るったRCランスといきなり対戦した開幕戦。やや劣勢の中でRCランスが22分で2点リードを奪い、さすがの地力をみせるかと思いきや、前半ATのデル・カスティジョのゴールから、後半早々にビハインドを追いつく。ホームの押せ押せムードを背に、87分に決めたのはまたしてもデル・カスティジョ。あのRCランスにいきなり土をつけたことが、今季のロケットスタートにつながったのかもしれない。
②自信が確信に変わりました
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リーグアン第19節 vs PSG △2-2
前回対戦を含めて、公式戦で14連敗を喫していた大の苦手なPSG。上位対決となったこの一戦だったが、「弱肉強食」のブレストは予想通り苦戦を強いられる。PSGが前半で2点のリードを奪い、試合を落ち着かせようとしていた最中で55分のカマラのゴールを皮切りに、80分にサトリアーノとペレイラ=ラージの見事な正対ドリブル×バックドアで同点。上位争いに参戦している実力は幻ではなかったことを証明してみせた。
③ダービーと乱打戦と劇的な幕切れ
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リーグアン第31節 vsレンヌ ◯5-4
終盤戦に差し掛かり、CL出場権争いが過渡期を迎えていた4月の終わり。真価が問われる一戦の相手は同じブルターニュ地方のライバル。レンヌ2点リード→ブレスト追いつく→ブレスト勝ち越し→レンヌ同点といったように、目まぐるしく展開が変化する予想外の乱打戦に。ほぼラストプレーに近い96分にブラシエが決勝弾。劇的な勝利を飾ったチームは4位以上を確定させ、CL出場という大航海を遂げた。
【個人的選手&監督評価】
ここからは、主観で選手と監督評価(10点満点)を行う。
Good Job👍
#20 ピエール・レース=メルー
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31試合4ゴール
国外では大成しなかったが、2年前にフランスに復帰していこう、大車輪の活躍を続けてきた。今季は特にセカンドボールの回収が冴え渡り、二次攻撃の起点作りに貢献。時にパンチの効いたミドルシュートを放つなど、選手としての脂が乗ってきている。31歳にして代表初招集を切望する声が多く上がったが、デシャンの目に留まることはなかった。
#10 ロマン・デル・カスティジョ
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36試合8ゴール8アシスト
昨季は負傷により終盤戦を棒に振ったが、今季は出場時間(主にプレータイム)をうまくコントロールしながら、ほぼフル稼働。味方への時間とスペースの供給に長けており、どんな相手・展開においても彼なしではチームが機能しなかった。プレースタイルはやや王様型に近いが、守備時の貢献も少なくなかった。彼もまた、28歳にして新たなキャリアが始まる予感。
#3 リリアン・ブラシエ
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32試合3ゴール
昨季まで燻っていた才能が開花。ドゥベルヌの退団で正式にシャルドネのパートナーになり、レース=メルーやデル・カスティジョらを後方から支えた。特徴は、左足から放たれるファン・ダイクばりのキャノン砲。リーグ唯一と言っていいぐらいの、正確な対角のパスで幾度となく局面を打開してきた。イタリア方面からもラブコールが届いたが、まさかのマルセイユと基本合意に至ったとの報道も。
#40 マルコ・ビゾット
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32試合
今季も変わらず安定したパフォーマンスを披露。年々守備範囲が広がっており、まだまだ伸びしろを残している印象。今季は13本ものPKをストップし、窮地を何度も救ってきた。年下のセカンドGKクデル曰く、後輩の面倒見がかなり良いのだとか。いずれ彼がフランス語を話している姿を目の当たりにしたい。
Break Out🙌
#2 ブラッドリー・ロッコ
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35試合3アシスト
途中加入ながら昨季はわずか7試合の出場に終わったが、今季はフル稼働。プレースタイルはあのアルフォンソ・デイビスにそっくりではあるが、守備面での落ち着き具合が増した今季。ゴールが無かったように派手さはあまりないが、急成長を果たした彼の姿は、かつて見限ったウィル・スティルの目にはどう映っているだろうか。
【監督評価】
エリック・ロワ
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誰も予想できなかったCL出場の最大の立役者。監督業に復帰し、何とか残留を果たした昨季からほとんどメンツが変わらない中で大仕事をやってのけた。彼もまた戦術オタクというよりかは、前線の圧倒的な個(デル・カスティジョ)を活かすために、残りの10人が頑張る戦い方はフランス代表のデシャンないし、その源流であるエメ・ジャケのスタイルそのもの。逆算的に合理性を見出す能力に長けており、それが今回の結果に繋がったのは間違いない。評価は10点満点中10点!
【来季の注目ポイント】
CL出場の喜びの裏に隠れるスタジアム問題
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コロナ禍によって延期されていた、スタッド・フランシス=ル・ブレの改修が本格的に進んでいることが発表された今年1月。2027年に開場予定の新スタジアムの名は「アルケア・パーク」に決定。チームの躍進と共に将来図が描けていた喜びも束の間。まさかのCL出場を果たしたチームの本拠地は、規格に満たないというUEFAからの通達が届いた。近隣スタジアムの代替案も上がっており、現在はギャンガンかトゥールーズのスタジアムを借用する見込み。
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