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22/23 リーグアン 全20クラブ監督通信簿

今季から背番号や降格などのレギュレーションが変更したリーグアン。結果はPSGの2連覇となり、ヨーロッパの出場権を確保したのはPSG、RCランス、マルセイユ、レンヌ、リール、トゥールーズということになりました。

来季から過密日程の緩和と競争率の向上を目指すべく来季の18クラブ制に向けて降格することとなったのはアンジェ、トロワ、アジャクシオ、オセールの4クラブになりました。

さて、シーズン終了に伴って様々な記事を編集中の段階ではありますが、今回は2022/23シーズンを戦った全20クラブの監督の評価をしていきたいと思います。

採点は10点を最高点とし、解任も多かったため採点対象は在任期間が一番長かった監督を対象に採点していきます。それでは順位ごとに。



1位 PSG

クリストフ・ガルティエ

6点

2022年7月〜 (1年目)


今夏から補強方針の転換により、土台作りを任された。前半戦はMNMの好調ぶりで無敗で折り返すが、1月からは故障者の続出とスカッドの薄さにより失速。コロコロとフォーメーションを変える迷走ぶりも散見されたが、いわば彼も上層部の被害者の1人。負けが混んで解任論が絶えない時期もあったが、マルセイユ戦やRCランス戦などと、瀬戸際で踏ん張り、最低限の連覇という目標は達成した。

最低限の目標を達成したことにより60点は与えられるが、リーグ公式の最優秀監督賞にノミネートされなかったように、PSGとしてのアイデンティティを壊しかねない時期もあった。来季はおそらくPSGの名誉のために彼の首は切られることはほぼ確実だろう。



2位 RCランス

フランク・エーズ

9点

2020年3月〜 (4年目)

Bチームから昇格し、2部時代から手塩にかけてきたチームがついに開花。夏にクラウスやドゥクレといった戦力を失いながらも、夏のサメドやオペンダ、冬のトマソンやフルジニなどの新戦力をバランス良く使い、パフォーマンスを安定させてきた。リーグはその成績に敬意を表して最優秀監督賞を彼に与えた。終盤はほとんど負けなくなったが、悔やまれるのは天王山となったアウェーのPSG戦。結果論ではあるが、前半のサメドの退場がなければといった具合に優勝争いを盛り上げた。

事実として、PSGより失点と負けが少なく、最後は7連勝で走り抜けた。来季もオペンダやダンソなどが引き抜かれる可能性は少なくないが、今季以上の結果が期待できる。シーズン後半戦からかけた眼鏡がよく似合うぐらい、リーグアンの監督たちの中で最もダンディな男。



3位 マルセイユ

イゴール・トゥドール

6点

2022年7月〜 (1年目)

サンパオリの電撃解任により騒々しい夏から始まったマルセイユ陣営が後任に指名したのは主にイタリアで経験を積んできたクロアチア人指揮官。初のフランス挑戦だけではなく、チャンピオンズリーグを戦わなければならないというかなり責任の重い仕事を任された。そのチャンピオンズリーグとリーグが混んだ10月は調子を落としたが、シーズン前のプレシーズンマッチの低調ぶりからすればまずまずの結果は得た。初挑戦にしてはまずまずの結果だが、締めくくりに問題があったがために7点をつけることはできなかった。

ワールドカップの恵みもあり、自身の愛好するダイナミックに運動量溢れるフットボールに磨きをかけ、冬は優勝争いにも参加したが、天王山やチャンピオンズリーグ出場権争いがかかった試合において、アプローチを間違えたまま引きずることも。ヴェロドロームの熱気に負けない熱い男ではあるが、シーズンを通して「結果で黙らす」という強情な精神は選手との対立を生んでしまい、わずか1年で去ることが決定。古巣ユベントスへの復帰が噂されているが、課題のマンマネジメント能力はイタリアの方が合うかもしれない。



4位 レンヌ

ブルーノ・ジェネジオ

7点

2021年3月〜 (3年目)

昨シーズンは爆発的な攻撃力でPSGに次ぐ総得点82で4位に導いた、昨季リーグ最優秀監督。今季はディフェンスラインに新顔が揃い、開幕当初は攻守のバランス調整に手こずっていたが、最終的には2年連続で同順位・ELに導いた。格下相手には攻撃的な選手を前線に4枚並べる戦い方だけでなく、PSG相手には5バックで守り切るといった、攻撃的なプライドを捨てて戦うこともできる。結果的にPSGにはシーズンダブルを達成した。

しかし、懸念材料としてあるのは逆転勝利の少なさ。負けそうな雰囲気の中で簡単に負けることが多く、引きずることが多い。冬以降は大黒柱テリエを失った影響も大きく、彼がいれば順位ももう少し上がっただろう。今季悲劇的な黒星を喫したヨーロッパリーグに再び挑戦するが、個人的にはリーグアン勢の中ではRCランスの次に躍進が期待できる。



5位 リール

パウロ・フォンセカ

8点

2022年7月〜 (1年目)

ローマでは選手と問題を抱えていたが、ただイタリアの水が合わなかっただけということがリールにて証明された。前年度王者の挽回を任されたポルトガル人指揮官は、前半戦はバンバやデイビッド、イスマイリーなどの運動量溢れる選手たちを活かした速攻型で縦に速いサッカーを展開。

この戦い方では1年間もたないと察知した後半戦からは、可変型3バックからカベラやエンジェル・ゴメスを活かしたポゼッション型に移行しつつ時折縦の速攻も混ぜるといったハイブリッド型の戦い方へとシフトチェンジしていった。試合状況や相手に応じて戦い方にメリハリをつけることで、1年を通して1つも連敗がなかったことは賞賛に値する。来季はヨーロッパに再挑戦するため、現在のやや薄いスカッドをどう改変していくのか、楽しみである。



6位 モナコ

フィリップ・クレマン

4点

2022年1月〜 (2年目)

昨シーズンはニコ・コバチの後を継いでV字回復に導き、今季も上位には安定していたが合格点をつけることができないのは大一番の脆弱さと攻撃面のアイデア不足。昨シーズンも最終盤でCLストレートインの権利を逃し、今シーズンはチャンピオンズリーグ予選敗退から始まり、ヨーロッパリーグのプレーオフでもまさかの逆転負け。さらには絶対条件であるヨーロッパカップ戦出場権を最終盤で逃してしまい、今季限りで解任が決定した。モチベーターであり、守備面の設定には定評があるが、波が大きい攻撃陣をうまくコントロールできず。選手起用に関しても偏りがあり、起爆剤となる選手はごくわずかだった。

大黒柱のベン・イェデルが出場停止だった試合は南野拓実に出番が与えられ、全体として得意の守備面も向上したように思われたが、再びエースが戻ると南野はベンチに出戻り。監督も変われば南野にも出番が増え、モナコの試合に日本語実況がつく可能性も。来季からスポーツディレクターが変わり、後任は恩師のジェシー・マーシュをリストアップしているらしい。



7位 リヨン

ローラン・ブラン

7点

2022年10月〜 (1年目)

フランスフットボール界において、その名を知らない者はいない重鎮。カタールでの2年間を経てから6年ぶりにフランスに戻ってきた。任された仕事は、フロントやオランダ人が雰囲気をぶち壊した名門の復活。初陣から前任監督に冷遇されていたアウアーやデンベレ、ボアテングらを起用してチームの雰囲気を改善した。後半戦は今季加入したベテランでレジェンドのラカゼット、トリッソ、ロヴレンをセンターラインに据えつつ、シェルキやバルコラといった若手とうまいバランスで戦った。最終的に目標だったヨーロッパへの返り咲きは叶わなかったが、リヨンという名門クラブの汚名返上の礎は築くことができた。以前はスーツをしっかり着こなすいかにもフランス人のような格好をしていたが、リヨンでは近所のおじちゃん感溢れる帽子とジャージ姿に。



8位 クレルモン

パスカル・ガスティアン

10点

2017年9月〜 (6年目)

Bチームから手塩にかけてきたチームは昨シーズンリーグアン初挑戦で、結果は残留ギリギリの17位。今季も降格候補の1つに挙げられていたが、初の1部リーグの経験を経てシェーファー会長が自身のコネクションを活かして多方面から年齢にこだわらずに選手を獲得。結果的にヴィエテスカやカウフリーズ、ボルジェス、ディアウといった新戦力が徐々にフィットし、メンバーが固まった春先以降に調子を上向きにした。シーズ通して並びをほぼ3-4-3に固定し、格上相手でもボール保持を恐れず、ハイプレスや時折サイドからの速攻も披露した。上位相手には成績があまり振るわなかったが、最終節はPSGに敵地で逆転勝利。トップ10入りを争う相手にはしっかり勝ち切るという結果を残し、残留争いに全く関与しなかったことも含めて、クラブ規模を考えれば最高点以外評価をすることができない。ちなみに中盤のジョアンは実の息子ではあるが、髪の毛は父の方が多い。



9位 ニース

ディディエ・ディガール

5点

2023年1月〜 (1年目)

かつてチームを率いて2016/17シーズンに3位に導いたファブルが戻った今季は期待も大きかったが、その期待を大いに裏切り、1月にカップ戦で3部相手に敗退したことで解任。後任として直前にBチームからアシスタントコーチに昇格したばかりのOBの彼が選ばれた。彼もまた36歳と若く、若い選手が多いニースにおいて選手との距離感の改善が期待された。初陣のモンペリエ戦でいきなり6得点で大勝すると、間もないうちに迎えたマルセイユやモナコとのダービーでは相手の特徴をしっかりと分析し、かつ選手の強みを最大限に活かして連勝に導いた。

彼もまたウィルスティル同様ライセンスを保持していないため、クラブも罰金を払い続けてきたが、大きな分岐点を迎えたのが30節のPSG戦だった。それまでリーグ戦無敗記録が12も続いていたが、チャンスをことごとく逃して敗戦。立ち直りが期待されたが、その後敗戦の味を拭い去ることができぬまま公式戦で連敗を重ね、チームと個人のパフォーマンスが一気に低下した。なかでもカンファレンスリーグではホームで屈辱的な黒星を喫した。この体たらくを受けて、来季は彼がいないことは濃厚。余裕が感じられた就任当初から苛立ちを隠せなくなるほどベンチでの振る舞いも大きく変化していった。



10位 ロリアン

レジ・ル・ブリ

8点

2022年6月〜 (1年目)

彼もまた下部組織からの昇格で、U17の世代からロリアンに携わってきた。地元にゆかりのある人物が指揮を執るということで選手をはじめ、サポーターの心もしっかり射止めた。戦い方としては、ロリアンが近年根強くある低いブロックで耐えてからのスピード感溢れるカウンターというシンプルな形ではあるが、エースのモフィだけでなく、ルフェやウアッタラといったヤングスターたちが開花した影響で序盤は優勝争いにも参加した

冬にモフィとウアッタラが巨額の移籍金を残して去ってからは、代役の選手を獲得するもスケールダウンが否めず、調子は下降線を辿った。しかしながら、新加入選手をうまく当てはめながら一年を通して戦い方にブレがなかった。昨シーズンはクレルモンと同勝ち点36の16位という結果から、10位まで押し上げた彼に文句をつける人物はいないだろう。オーナーがボーンマスとの共同オーナーに変わったことでル・フェの移籍だけでなく、新加入選手が多く入ることも予想され彼自身も引き抜きの噂がある来季はクラブとして今季以上の結果を残せるだろうか。



11位 スタッド・ランス

ウィリアム・スティル

8点

2022年10月〜 (1年目)

前任のオスカルガルシアが家族の病気の影響で毎週バルセロナに帰らなければならない状況と成績を踏まえて解任され、アシスタントコーチから暫定指揮官に指名された。就任間もない頃は引き分けが多く、それまで退場劇が毎週続いていたチームにとっては御の字といった結果が連続した。彼とクラブにとって一番ありがたい存在だったのが、各国のリーグを強制的に中断させたワールドカップ。伊東純也以外は出場した選手がいないという好材料もあり、中断期間中に戦術の濃度を上げ、ワールドカップ以降は勝ち切ることや難しい試合においても粘り強さを見せて、最終的にはリーグ戦の無敗記録を19まで伸ばした。

その要因となったのは、足元で繋いでいくこと、ネガトラの速さ、可変型3バックによる保持と中央のレーンに人を集めて引き出しを増やす、ボランチだったムネツィをトップ下起用などとデザインあふれる戦い方だった。28節のマルセイユ戦にて無敗がストップすると、その後は緊張の糸が切れたようにパフォーマンスが低下し、黒星が続くことも。負けの味を知った指揮官は守備面から見直し、何とか持ち堪えた。将来はゆかりのあるイングランドでの指揮を夢見ているが、まだ30歳と伸びしろが十分あり、契約延長が決まったことで昨年10月から罰金を払いながらも信用し続けたクラブに来季は今季以上の何か恩返しを期待したい。



12位 モンペリエ

ミシェル・デル・ザカリアン

6点

2023年2月〜 (1年目) *2期目

ブレストを成績不振で10月に解任されたばかりの男が2月に現役時代もプレーしたモンペリエの指揮官としての職を再び得た。奇しくも初陣はそのブレスト戦であり、前クラブに怒りをそのままぶつけるかのように3-0の快勝を収めた。前線にはスピードスターが揃っていたが、ノルダンやハズリなどの新戦力を活かしつつ、最前線ではコンスタントには結果を残せていなかったワイが再び上昇気流に乗ることを促した。時には絶対軸のサバニエさえ少し霞むほど新戦力をバランスよく起用し、リーグアンでの経験の豊富さを発揮した。

もともと10月まで指揮を執っていたダローイオ時代も残留争いに絡んでいたわけではないが、今季からのレギュレーション変更を踏まえて早めの決断が功を奏した。それなのに、後任として最終的に12試合で2勝しかできず、選手主体で何もアイデアがなかったピトーを暫定指揮官として2月まで引っ張ったクラブの考えも気になるところではあるが。



13位 トゥールーズ

フィリップ・モンタニエ

9点

2021年6月〜 (2年目)

彼の功績については以前の記事でも触れたが、どのクラブでも一定の成績をおさめる力はさすがである。彼自身はリーグアンを戦うのは6年ぶりであったが、ブランクを感じさせないままに中位に安定させ、クープでは見事優勝に導き、来季はヨーロッパリーグで戦うこととなった。開幕当初を振り返ればフロントと揉めたエースのヒーリーを怪我で失いながらも、新戦力のダリンガがヒットして代役以上の活躍を見せてきた。そのためにオナイウ阿道の出番は限定的であったが、ほぼ毎試合出場機会を与えることでマネジメントをうまく行ってきた。リーグ戦では上位相手に一泡吹かせることはできなかったが、来季はヨーロッパリーグに参戦することを踏まえてより充実したスカッドになることが予想されるため、リーグと並行してうまく戦いつつ、上位相手にも下剋上を期待したい。



14位 ブレスト

エリック・ロワ

6点

2023年1月〜 (1年目)

前半戦のブレストはザカリアン政権では求心力を失い、開幕10試合でわずか1勝と最悪の成績を残した。10月に早々に見切りをつけ、Bチームを率いていたブルーノ・グルージが間を繋いで1月にロワが就任した。ゆかりのあるニースでは選手からGM、監督まで経験させてもらったが、引退後には長らくスポーツ番組のコンサルタントの仕事を担っていた。ゆえに監督経験は豊富ではないために、システムや戦い方は大きく変わっていないが、残留という結果は残した。

就任当初はリーグ戦8試合でわずか1勝のみの状況から、3月からは13試合でわずか3敗という上昇気流に乗せた。ロワにとって冬のメルカートで選手層が大きくなった影響もあるが、運動量豊富に縦に素早いサッカーを90分間やり続けた選手たちの奮起が何より大きかった。来季はカマラやオノラ、カスティージョが引き抜かれる可能性大だが、コンサルタント業で培った分析力を発揮したい。



15位 ストラスブール

フレデリック・アントネッティ

7点

2023年3月〜 (1年目)

かつてはガンバ大阪を1年間率いて、後に稲本潤一をレンヌに連れてきたことで日本でも知名度のある人物。ストラスブールのライバルクラブであるメスでは残留に導くことは出来なかったが、豊富な監督キャリアを評価されてストラスブールの残留を任された。ちなみに筆者が初めて観たリーグアンの試合がストラスブールでの彼の初陣だった。

昨シーズンの躍進から魔法が解けたように自信のなさが各所に現れていたストラスブールを結果的に甦らせた。本人が試合中にほとんど喋らないように、当初の戦い方は前任者からほとんど変わっていなかった。しかし終盤から5-4-1のシステムがハマり、従来の戦い方からトランジションの厳しさも増し、4局面でクオリティが向上した。若手もベテランも新加入も良いバランスで伸びたのは彼の手腕以外の何物でもない。



16位 ナント

アントワーヌ・コンブアレ

2点

2021年2月〜2023年5月

個人的には最も失望した人物であると言える。昨シーズンは前年度にギリギリで残留を果たしたチームからトップ10入りを果たして、クープ優勝に導いた。今季はエースのブラスの残留には成功したが、ELを戦うことを踏まえるとバックラインの層の薄さが顕著だった。今季リーグ戦で低迷したのはELと並行して戦うことの難しさと、コロ・ミュアニが抜けた前線を引っ張る存在がいなかったこと。リーグ戦では集中力を欠く場面が何度も見られ黒星を重ねたが、自然と全体ではクープの優勝に気持ちがいっていた。

リヨンやRCランスを倒して2季連続で決勝の舞台に立ったことでタイトル獲得を糧に残りのリーグ戦を頑張るという方向性が決勝では前半のうちに崩れ、5失点の大敗を喫した。ここでも集中力の欠如が見られ、彼の温厚さが仇になった。気持ちが切れて残留も絶望的になったことで4試合を残して解任され、最終的にチームは劇的な残留を果たしたが、このクラブは経営陣含めて来季は不安の気持ちの方が大きい。



17位 オセール

クリストフ・ペリシエ

2点

2022年10月〜 (1年目)

前職のロリアンでは今もクラブに根付いているカウンター戦術を2部時代から落とし込んだのがこの人物。ロリアンとは昨シーズンで別れることになったが、早々に1部でのチャンスを再び得た。戦い方もシステムもロリアン時代とほぼ一緒で低いブロックからのカウンターはオセールにおいてもらしさは感じられた。

しかしながら問題はホームとアウェーでのパフォーマンスの差。ホームでは声援を背にハイプレスや縦に速いカウンターを行うが、アウェーでは慎重になりすぎて攻撃の時間すらまともに作れないときも。気持ちの沸点がどこか分からず、精神的な要素がプレーに大きく影響していたことが分かる。あのとき少しでも前向きに攻めて勝ち点を1ポイントでも稼いでいたら最終節に悪夢のような降格を避けることはできただろう。



18位 アジャクシオ

オリヴィエ・パンタローニ

2点

2014年12月〜 (9年目)

コルシカ島のクラブがリーグアンに帰ってくるのは9年ぶりだった。昨シーズンは最小失点19という記録ながら、総得点はたったの39。完全なる守備のチームとして1部でどこまで通用するかといったところだったが、さすがに1部はそこまで甘くないというのをかなり痛感しただろう。

4-4-2の戦い方は低いブロックで固めて、ボールを奪っても攻め急がずにゆっくりと組み立てる戦い方を基本とした。しかしながらW杯明けからはリーグ戦23試合で4勝2分17敗という壊滅的な記録。自慢の守備も8得点に対して52失点というお笑いのような記録も作ってしまった。37節RC戦では初めて3バックを起用したが、急造3バックが上手くいくはずもなく終始相手に遊ばれてるようだった。高望みせず、1部に復帰すること・1部で戦っていくには何が大事なのかを改めて考える必要がある。



19位 トロワ

パトリック・キスノルボ

1点

2022年11月〜 (1年目)

前任者ブルーノ・イルレが開幕から勝ち星を積み重ねることができない状況が続いた結果、クラブはワールドカップ前に首を切り、中断期間にオーストラリア人のキスノルボを指名した。彼が就任したきっかけとして同じシティフットボールグループの兄弟クラブからのステップアップだった。

メルボルンシティでは国内リーグ2連覇に導いたことで大きな期待が寄せられていたが、大きな期待を大きな失望で返した。中断期間という準備期間があったにも関わらず、再開後23試合で挙げた勝利はわずか1、勝ち点では10ポイント。戦術に幅がなく、選手たちのやる気をあげるマネジメントも力不足が窺えた。同じオーストラリア人として来季からトッテナムの監督に就任するポステコグルーのようにキャリアアップを目指すには、ある程度他国での経験は必要だったかもしれない。



20位 アンジェ

アレクサンドル・ドゥジュー

2点

2023年3月〜 (1年目)

アンジェの低迷の原因としてはあまりに多すぎる新戦力の噛み合わなさが大きく影響していたことは以前の記事でも綴ったとおりだったが、本来であれば最下位ぶっちぎりのチームの監督に対して2点は疑問に思うところがあるかもしれない。バディクル、ブアザマを経ても問題点が一向に改善しなかったチームは33節で降格が決まった。

しかしながらその後は吹っ切れたかのようにパフォーマンスが向上。このドゥジューの不敵な笑みから分かるように失うものが無くなったチームは特に連携面が大きく向上した。それも終盤はフォーメーションを5-3-2に固定したことと選手との距離感を見直したドゥジューの手腕も関係していただろう。それを評価してクラブはドゥジューと契約延長。補強禁止処分が下ってはいるが、不快なスキャンダルが目立っていた前会長はもういないのでクラブ全体で羽を伸ばしていきたいところ。

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