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週刊リーグアン#2

こんにちは。ヨーロッパはセリエAとブンデスリーガが開幕し、またもや開幕戦で多くの日本人が結果を残してくれました。遠藤航選手のリバプール移籍はかなり驚きましたが、我らのキャプテンの実力を考えると不思議ではないような気がします。

それではリーグアンの今節の振り返りをしていきましょう。



①負の連鎖がまたしても...

開幕戦は新監督にパトリック・ヴィエラを招聘したストラスブールにアウェイで黒星を喫したリヨン

連敗を避けるべく臨んだホーム開幕戦にはモンペリエを迎え入れました。昨季のこのグルパマスタジアムで行われた同カードは話題を集め、ラカゼットとワイがそれぞれ4得点ずつ決めた打ち合いの試合は5-4でリヨンが大逆転勝利を飾った試合でした。

昨季の良い思い出のまま戦いたかったリヨンですが、残念ながらそこには最悪の結果が待っていました。20分にGKリウのパスミスにより先制点を献上すると、攻めきることができないままに39分にカウンターから失点。

後半も停滞感を拭えず、66分にGKルコントのパントキックからのカウンターで3点目を決められ、直後にラカゼットの初ゴールで1点を返しますが時既に遅し。終盤にも再び点差を3点差にされ、ホーム開幕戦を最悪な形で終わらせてしまいました。

エリー・ワイがいなくとも新加入のアル・ターマリとアコール・アダムスを中心としたカウンターサッカーの完成度が高いモンペリエを褒めるべきではありますが、それよりも開幕前の練習試合からほとんど勝てていないリヨンの負の連鎖が止まらない状況に目を向けるべきかと。

リヨンがリーグアン開幕連敗スタートになるのは57年ぶりとのことらしいですが、試合を観ている限りでは決定機も何度か創出できていますし、後は頼みのラカゼットのコンディションが回復すれば得点は増えるかと。

しかし、今節の退場によりラカゼットは次節出場停止という大きな打撃を抱えることになり、さらに次節はニースという強豪と対戦するだけにネガティブな要素の方が多いですが、何とか結果で周囲の不安を払ってほしいと思います。



②稲妻ジュンヤとスーパー・タキ

前節の途中出場から、今節は左サイドでスタメン入りを果たした中村敬斗。左サイドでの積極的な仕掛けが期待されましたが、ピッチではSBのエスブランドやボランチのムネツィとの連携に苦しみ自分自身の良さをほとんど発揮できないまま61分にピッチを退くことに。リーグアンの環境に慣れることとチームメイトとの連携を深めるということにおいてもう少し時間がかかるかと思うため、ゆっくりとその適応過程を楽しみたいと思います。

伊東純也が右サイドでスタメン入りしたことで、スタッド・ランスの両翼を日本人が担うことが開幕戦に続いて実現しました。今節も持ち前の右サイドからのクロスで攻撃にクオリティをもたらし、17分の先制点につながったCKを演出。さらにこれだけに留まらず、84分にはカウンター局面で背後からのロングボールを見事に収め、ダラミーの得点を丁寧な足下のパスでアシストしました。個人的にはダラミーとの関係性は昨季のバログンとの関係性を彷彿とさせ、ディアキテやサラマよりはダラミーの方がよりスタッド・ランスらしさは出るかと思います。


開幕節で結果を残し、今節もスタメン入りしたモナコの南野拓実。今節も縦志向の強いモナコのフットボールを支え、20分に楔が入ったとこのセカンドをすばやく回収し、遠目から右足を強く振り抜いたシュートがネットを揺らしました。さらに36分にはC・エンリケからの綺麗なクロスに頭で合わせ、リーグアンでは初の2得点を記録しました。さらに58分には中盤が間延びした相手の裏を上手くつき、エースのベン・イェデルのゴールをアシストしました。

この試合では随所にベン・イェデルとの連携面の高さを披露し、この調子なら3トップはベン・イェデルとゴロヴィンと共に3トップの1角をしばらく任されることになるかと思います。さらに2G1Aの活躍で地元スポーツ紙[l'Equipe]にて週間ベストイレブンに選出されました。このままなら再び日本代表の10番を背負う日は近いかと。



③俺らはここに残る!!

開幕戦は決め手に欠いてドロー発進となったPSG。ロリアン戦後からキリアン・エンバペがトップチームの練習に復帰し、また大きな話題をもたらしました。

今節のトゥールーズ戦には新加入のデンベレと共にメンバー入りし、ベンチから出番を待ちました。試合は前半からPSGがゴールを脅かしますが、得点が奪えないここ最近でおなじみの現象に。51分にエンバペとデンベレを同時投入し、ルイス・エンリケは決定的な仕事を彼らに託しました。すると60分にハキミのパスに抜け出したエンバペがエリア内で倒され、VARでPKを獲得します。

このPKをしっかり決めたエンバペはすぐさまPSGのウルトラスのもとに向かい、[On reste là !!]を連呼(意味:見出し参照)。「俺」ではなく仲間意識が強い[on]という人称代名詞を用いて、改めて今季もPSGに尽くす気持ちを表したエンバペ。おそらく今季の移籍の可能性は大きく減ったかと思いますが、ここからクラブ側と納得のいく将来の決断ができるでしょうか。ちなみにこの試合は終盤に追いつかれて引き分けに終わったため、2戦連続ドロースタートのチームをここから上昇気流に乗せるべく、エンバペの忠誠心が問われます。



今節の結果まとめ

今節の結果を日本時間で紹介します。

2023/08/19
メス 2-2 マルセイユ

2023/08/20
リヨン 1-4 モンペリエ
トゥールーズ 1-1 PSG
リール 2-0 ナント
ル・アーヴル 1-2 ブレスト
ロリアン 1-1 ニース
スタッド・ランス 2-0 クレルモン

2023/08/21
モナコ 3-0 ストラスブール
RCランス 1-1 レンヌ

ブレストが競り勝ち、モナコと共に連勝スタート。私が注目した「ロリアン×ニース」はロリアンが意地を見せて引き分けに。両者間の関係悪化の引き金となったモフィは83分から出場し、ムストワに凱旋しました。レンヌは苦手なRCランス相手に引き分け、これでRCランスに対して7戦勝ちなしという結果に。

今節終了時点での順位がこちらです。




次節の注目ゲーム

第3節の試合で注目すべきなのは、「PSG×RCランス」です。昨季は優勝争いを繰り広げた両者であり、4月の天王山となったこの組み合わせを制したPSGが結果的に優勝を飾りました。

RCランスはオペンダとフォファナという絶対軸が退団した状況から、クラブレコードで中盤にアンディ・ディウフを獲得し、さらに先週モンペリエからエリー・ワイを獲得してレンヌ戦にてホームサポーターの前で挨拶しました。この両者が前任者の穴埋め以上の活躍ができれば間違いなく昨季同様の結果を残すことができる可能性があり、未だ勝利がない分、昨季の悔しさを晴らす舞台となるでしょう。

PSGは先述の通り、クラブに残りそうなエンバペを中心に、最終局面でしっかり決めることができればまたチームは波に乗ることができるでしょう。注目の一戦はDAZN配信予定であり、早朝というかなりご無体な時間ではありますが、ぜひ注目していただければと思います。


23/24 リーグアン 第3節日程(日本時間)

2023/08/26
 4:00 ナント×モナコ

2023/08/27
 0:00 マルセイユ×ブレスト
 4:00 PSG×RCランス
20:00 レンヌ×ル・アーヴル
22:00 クレルモン×メス
22:00 モンペリエ×スタッド・ランス
22:00 ストラスブール×トゥールーズ

2023/08/28
 0:05 ロリアン×リール
 3:45 ニース×リヨン

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