リチウムのリサイクル事業も活発化。EUはEV戦略が功奏。

EV普及と同時に、活発化するリチウム電池のリサイクル市場動向も注目すべきだ。
EV先進地域へと変貌を遂げたEUでは、リチウム等の貴金属の回収・再利用(リサイクル)義務化を検討するなどの動きもある。
EUを中心にBASFやホンダ、アサカ理研等の企業も動いており、事業が活発化している。

目次

1 EV先進地域へと変貌したEU
2 EUがリチウムをリサイクルしたい背景
3 リチウムリサイクルへ動くBASF
4 ホンダも欧州でバッテリーを回収
5 日本でリチウム電池をリサイクルするアサカ理研

EV先進地域へと変貌したEU
近年、EUではドイツを中心に、EV・バッテリー工場の建設ラッシュが起きている。
CATL・SVOLT・テスラ等のアジア・米系のプレーヤー。フォルクスワーゲン・PSA・ノースボルト・BASF・ユミコア等の欧州系プレーヤー。
パナソニック・東レ等の日系プレーヤーもドイツを中心に、欧州で工場建設を進めている。

そもそもEUがEV普及へと戦略を切り替えた契機は、2015年のフォルクスワーゲンの排ガス不正事件がある。
このEV普及政策と並行し、EUはバッテリーを含むEVバリューチェーンを欧州域内で形成する戦略を打ち出し、2017年にバッテリーアライアンスを設立した。
この戦略が功奏し、今では、EV向けの電池セルを欧州域内で調達可能となる見通しが高まっている。

2021年の欧州運輸環境連盟(T&E)の独自調査によると、欧州で現在、計画・建設されている巨大電池セル工場(ギガファクトリー)の数は22カ所に上る。電池生産能力は現在の49ギガワット時(GWh)から2025年には約10倍の460GWhへと拡大する。

またEV市場規模も中国に次ぐ世界で2番目に大きいEV市場へと欧州は成長した。EV市場成長率は世界1位である。中でも、ドイツは260%もの販売増加率である。今やEUはEV先進地域へと変貌をとげた。

【関連記事】
BEV世界市場で最も有望な地域は欧州である。

EUがリチウムをリサイクルしたい背景
電池や自動車メーカーにEV用のバッテリーのリサイクル(回収・再利用)を義務付ける案が欧州委員会で検討されている。

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