東京が嫌い

東京に異動になった時は心の底から絶望した。
「東京は遊びに行くところ。住むところでは無い。」と子供の頃から思っていたし、異動前にあった数ヶ月間の東京研修で心の底から「ほんそれ」と思っていたから。


「KinKiの光一君とナチュラルに出逢って結婚したいから」という夢を持って上京した友人がいた。
それくらいアレな人じゃないと東京では生き抜けないと思っていた。


英語と韓国語が(ある程度のレベルで)出来るという理由だけで、海外出張が頻繁にある割とクリエイティブな部署に異動になった。
人選が甘過ぎる。


挨拶を返してくれないわかりやすい意地悪な先輩もいたし、絵を描く練習を延々としないといけないし、専門的な英単語を調べながら翻訳もしないといけないし、慣れない仕事と慣れない土地、友達もいないし、海外出張しんどいし、コミュ障気味なわたしには人生で一番キツかった。


「ここは東京だから行きたかったライブに行けるんだ」と気付いてライブハウス通いを始めてから少しだけ暮らすのが辛くなくなったけれど、好きなバンドが2年くらい新譜を出さないことにキレてからあまり行かなくなった。(我儘)


キレた頃にプロレスに出逢ったのは本当に運が良かった。
何回見ても更新されないそのバンド情報と違い、毎日のように興行があって、タイトルマッチがあって、情報が更新されていく。
全てが新鮮で、世界が輝いて見えた。


今 こっちに来て良かったかと訊かれたら、来て良かったと思う。
相変わらずお友達は少ないけれど、プロレスを通して大事なお友達も出来たし、その後異動して(あの時よりは)好きな仕事をしているし、プロレスが毎月観れているし、好きな選手もたくさん出来た。
多分 割と幸せだと思う。


安村さんの「東京ってすごい」を見て、何となく書いたわたしなりの「東京ってすごい」でした。