見出し画像

自分が「一軒家が欲しい」と言っていた理由

 4年くらい前の丁度今頃、自分は「一軒家が欲しい」と周りの人に言っていた。その2~3ヶ月後に実際に一軒家を無料で借りられるようになった。まさかこんなにも早く借りられるなんて。しかも無料!?驚きを隠せなかった。「よっしゃあー」と心の中で何度も叫んでいた。一気にやりたいことが膨らんだ。そして2016年11月に誕生したのが、中高生のオープンスペース「ゆるきち」(https://yurukichi.kacotam.com/

 これまでKacotamは、教科学習を中心とする学習支援を行ってきた。その活動を通して、どうにかできないかなあと思っていたことが3つあった。それらが「一軒家が欲しい」につながった。

 学習支援活動で関わる子どもの中で、教科学習の中ではその子の良さが発揮しづらい子どもが少なくなかった。もう少し自由度が高い環境を提供することができれば、その子の良さが発揮できるのではないか、そう思うことが色々な場面であった。でもその当時、自分たちの活動環境ではそれができなかった。

 またその当時中学生、高校生が少しずつ増えはじめ、特に中高生の女の子の中で、「家に帰りたくない」、「少しでもKacotamにいたい」と言う子どもが多かった。思春期ということもあるが、親と衝突することがあったり、家に居づらい環境があったりして、そのような言葉を耳にすることが多かった。

 学習支援活動で関わる子どもは、その保護者が「少しでも子どもに教育の機会を与えたい。」という想いをもって連絡をしてきて、Kacotamにつながる。逆を言えば、保護者が子どもの教育に関心がなかったり、関心を持つだけの余裕がなかったりする家庭の子どもは関わることができないのではないか。それであれば、直接子どもとつながることができるような場を作ることができないか。そう思い始めた。

 それから一軒家のような空間で、自由度が高い過ごし方ができて、今まで学習支援で関わる時間(2時間)よりも長くて、子どもと直接つながることができる空間をを作れないか、そんな思いでいっぱいになった。当時の各拠点の活動後ミーティングでは、「一軒家あったら良いよね」といつも話題に上がっていた。

 2016年の今頃から「一軒家が欲しい」と発信し続けた。そしたら、その2ヶ月~3ヶ月ぐらいに知り合いを通して「一軒家を貸しても良いよ」と言っていただいた方に出会った。とても緊張しながら、今の大家さんとお話をして、無料で借りることができるようになった。それから急ピッチで、学習支援で関わる子ども、メンバーの力を借りながら、掃除をしたり、家具を組み立てたりしながら、ゆるきちを少しずつ作りあげていった。半年後の2016年11月「ゆるきち」が誕生した。

ゆるきち準備②

ゆるきち準備

 最初の名前は「まなきち」だった。様々な学びにつながることができる基地でまなきち。でもメンバーと話をしていくなかで、家庭や学校という環境、学校の友達関係から離れた空間で、週に1回程度会うようなゆるやかなつながりのある人たちと、「ゆるい」雰囲気のある空間で同じ時を過ごしていく。そういった意味で「ゆるい」という要素が重要ではないかということになった。そして自分の考えや行動が大事にされ、思いや感情を表現できるゆるい空間「ゆるきち」となった。

図1

今ではすっかり「ゆるきち」という名が定着し、今日も子どもたちはゆるく過ごしている。


NPOの運営や子どもとの関わりなどを中心に記事を投稿します。サポートしていただいたお金は、認定NPO法人Kacotamに寄付をして、子どもの学びの場づくりに活用します。