神田伯山独演会@桶川市民ホール(2022/04/16)【講談編#3】

こんにちは。飯山大五郎です。

先日、神田伯山独演会に行ってきました。会場は桶川市民ホール。初めて伺う会場なのに、開演ギリギリの到着になり、ワクワクとドキドキが入り混じる感覚とでも言いましょうか。

今日の演目は、前座さん含めて5席(伯山先生が4席!)でした。前回までと同様、見出しの演者さんの名前は敬称略といたします。

○ 「柳沢昇進録 お歌合わせ」 神田鯉花

開口一番に出てきたのは、神田松鯉先生のお弟子さんで前座の神田鯉花さん。鯉花さんの高座は何度か拝見しているのですが、寛永宮本武蔵伝を読まれる時とはどこか違う雰囲気をされてて、しっとりとした読み。お話の雰囲気とリンクしている感じがしました。

○ 「源平盛衰記 扇の的」 神田伯山

伯山先生登場。客席に初めて講談を聞く方が多くいらっしゃったこともあり、修羅場調子がありつつもわかりやすくコンパクトな扇の的。久しぶりに聞きましたが、那須与一が選ばれるまでの件や、馬に乗った与一が波を越えていく件が好きでして。会場、盛り上がってきました。

○ 「大岡政談 三方一両損」 神田伯山

袖に下がらずそのまま2席目へ。2席目は三方一両損。江戸っ子は融通効かないなあ…と思いながらも、その真っ直ぐさが愛らしく、素敵なんですよね。吉五郎が財布を金太郎にくれてやる時のカッコつけた感じがいい。お白洲の場面の金太郎の弁明もまた面白かったです。

○ 「徂徠豆腐」 神田伯山

一度下がっての3席目は徂徠豆腐。人間万事塞翁が馬。コロナ禍で思うように過ごすことのできない今だからこそ、聞きたくなる読み物。これを聞くと、しんどい時でもそのうちいいことが起こるはず!と元気をもらえます。七兵衛夫婦、片方がしんどい時にはもう片方が寄り添っている姿がなんとも綺麗だなあと思います。

〈お仲入り〉

休憩です笑(15分)

○ 「淀五郎」 神田伯山

最後に先生がかけたのは淀五郎。初めて聞く読み物。チャンスをモノにするためには、そこまで積み上げてきたものをフル活用できるかどうかにかかっているのだと思います。与えられた役割に甘んじることなく、自分が今より上の立場になった時にどう振る舞うべきで、何をすべきなのかを常に考えておくことが大切なのかもしれません。役を与えられたときにすぐには思うようにできなかった淀五郎も、座頭の団蔵や中村仲蔵という人たちの言葉に触れ、どう振る舞うべきかを考え、役を演じ抜いていった。仲蔵とはまた違った役者の姿でした。

いやあ面白かった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?