神田伯山「徳川天一坊」@イイノホール(2022/08/26)【講談編#23】

こんにちは。飯山大五郎です。

先日、神田伯山「徳川天一坊」に行ってきました。会場は、お馴染みイイノホールです。

「伯山は 天一坊で 蔵をたて」と言われ、初代伯山が大変に得意とした読み物である「徳川天一坊」。この日の根多は、前半部分(1話〜8話)にあたるところ。この日まで私は「天一坊の生い立ち」しか聞いたことがなかったので、どんな読み物なんだろうとワクワクしながら、会場へ向かいました。

この日の演目は、こんな感じでした。

○「寛永三馬術 出世の春駒」神田梅之丞

開口一番は梅之丞さん。ぬお、「出世の春駒」ですね。梅之丞さんでは初めて聞きました。曲垣の馬って、もうほんと「人は見た目で判断してはいけない」の良い例ですよね。松鯉一門特有の曲垣と馬のやりとりは可愛らしい。

○「徳川天一坊 名君と名奉行」神田伯山

続けて伯山先生登場。まずは1話目「名君と名奉行」。名君と呼ばれた江戸幕府8代将軍吉宗と、名奉行と呼ばれたお馴染み大岡の出会いの場面。「余は源六郎であるぞ」と言えば何でも許されると思っていたのに、偽物扱いされて大岡の調べを受ける羽目になる様なんかは愉快痛快。後に将軍となった吉宗と大岡のやりとりもまた面白かった。

○「徳川天一坊 天一坊の生い立ち」神田伯山

一度下がってから2話目「天一坊の生い立ち」。吉宗の御落胤と偽り将軍になろうとした天一坊がどのようにして誕生したのかが描かれるところ。物悲しさと何処か誇らしげな様子の婆さんと、そんな婆さんを○めてしまう天一坊の残忍性という落差がすごい。何度聞いてもゾクッとしてしまう。

〈お仲入り〉

休憩です笑(15分程度)

○「徳川天一坊 伊予の山中」神田伯山

3話目「伊予の山中」。天一坊は雪の中、伊予の山中で山小屋に厄介になるが、実は山賊の溜まり場で命を狙われる、という場面。天一坊は自ら偽物であると言いつつも山賊が天一坊に従ったのは、心の何処かに武士であるという意識があり、また武士として生きたいと思ったからなのだろうか。

○「徳川天一坊 伊賀亮加担」神田伯山

一度下がって5話目「伊賀亮加担」。伊賀亮も悪党だと思うのですが、なぜこうも格好良く見えるのだろう。天一坊の懇願する姿との対比なのかな。そこそこの品があったはずなのに、ひと目見て偽物とわかった伊賀亮の力で、天一坊がどのように「御落胤」に仕上がるかはダイジェスト(笑)。

○「徳川天一坊 越前登場」神田伯山

一度下がって8話目「越前登場」。大岡っていう人はやはり凄いなと思いますね。伊賀亮が「御落胤」に仕立て上げたのに、本当に悪い人の人相はしっかり現れるんだなあ。老中に再調べを願い出るのも、大岡の確固たる信念からなのでしょう。この話自体はめちゃくちゃスルッと終わりました(笑)。


この日は前半部分のみでしたが、いつかはこれを5日間連続で聴ける日が来るのだと思うと、今からとても楽しみです。そしてこの後、夜には「グズグズ寺」が開催されていたのですが、所用のため伺えず。義士勢揃い、ネタ下ろしで聞いてみたかったなあ。それではまた。

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