七月上席 九日目 夜の部@新宿末廣亭(2022/07/09)【寄席編#4】

こんばんは。飯山大五郎です。

今日は、新宿末廣亭に行ってきました。今席夜の部は、人間国宝の神田松鯉先生が主任で怪談をお読みになっています。今日、10日には千穐楽ですが、七月中席後半夜の部、浅草でも松鯉先生が主任で怪談をお読みになる予定なので是非に。

今日の演目はこんな感じでした。

○「寛永宮本武蔵伝 山田真龍軒」神田梅之丞

開口一番は梅之丞さん。今日は「神田伯山の弟子の神田梅之丞」、と自己紹介をしてから本編に。自己紹介しているとこ、初めて聞いた。高すぎず低すぎずのいい声。今日は真龍軒と武蔵が対峙する場面で時間いっぱい。

○「大安売り」桂鷹治

次に鷹治さん。鷹治さんは「大安売り」に出てくる関取の体格の真逆をいくような体型(←失礼)ですが、ちゃんと弱々しい関取が浮かんできます。「今日こそは勝たないと」という台詞がフラグでしかなくて、段々と客席もわかってくる感じが面白かったです。

○「(漫才)」カントリーズ

そういえば今席、漫才が2本出てますね。カントリーズ先生は、短めの漫才を3本立て。3本目のえざお先生の投げやり感と、福田先生がえざお先生のスイッチを入れたのにどこか他人事の感じが面白い。まあでも、私もあの衣装どこで買ったのか気になります!

○「(落語)」三笑亭可風

なんかもう出てきたところから面白い空気感の可風師匠。話し始めても面白く、まず、お年寄りを題材にした小噺を連発。その後おやりになっていた根多の名前はわからず…有識者求む。忘れっぽくなった老夫婦の噺で、二人とも家がどこだかわからなくなってしまう、というところでサゲ。

○「代書屋」三遊亭萬橘

今日の萬橘師匠はやる気に満ちていたようで「代書屋」を。ずっと聞きたかった噺。萬橘師匠のは、代書屋に駆け込んでくる人たちのヤバさが際立っているんです。当事者ヅラをしたお供の方、イライラする身振りをする当事者とか。にしても恋文を書いてもらった女の子、どうしてそうなった?笑

○「(奇術)」小泉ポロン

おろ、お囃子さんとのコラボレーションでリングのマジック。機械の調子が悪かったようです。コップが吹っ飛ぶマジックのあとの黒板とチョークを使ったトランプ当ては初めて見た。すげえ。積みマジの紹介のあの花、知ってても高座終わりの雰囲気が出ちゃいますね。

○「味噌豆」三笑亭夢丸

夢丸師匠は「味噌豆」。師匠、まだ30代なんですよね。なんでしょうあの安定感。味噌豆を煮ている鍋の蓋を開けたときの湯気、すくってつまみ食いをするときの幸せそうな顔。こっちまで味噌豆食べたくなります。でも、バレずに食べるためとはいえ、便所では食べたくないな(笑)。

○「ちりとてちん」桂伸治

ニッコニコで伸治師匠が登場。夢丸師匠の入りがギリギリだったことを暴露した後、「準備万端です」との宣言!ハードルをご自身で上げる師匠(笑)。ちゃんとそれを飛び越える面白さ。ちりとてちんの強烈な匂いがこっちにまで来ました。豆腐は早めに食べよう、うん。

○「(幇間芸)」松廼家八好

伸治一門の幇間、松廼家八好さん。世界で6人しかいない幇間のおひとりです。花火と世界の名画シリーズ、そして今日の踊りは深川を。パントマイムの動きも取り入れながら、ぐっとイメージしやすかったです。最後は客席を巻き込んでみんなでパントマイム。めちゃくちゃ盛り上がりました。

○「大岡政談 五貫裁き」神田伯山

仲入りは伯山先生。まくらを振らずにスッと滑稽なところ、「五貫裁き」へ。いくら嫌われてるからって五貫払えってそんな無茶苦茶な裁きすんのかよ大岡様…と思ったらちゃんとお考えがあってのお裁きでした。八五郎が途中で意味がわかった後の徳力屋の戸を叩く時のニヤついた顔と声がいい。

〈お仲入り〉

休憩です笑(15分程度?)

○「(漫才)」宮田陽・昇

クイツキは陽・昇先生。ニッコニコの陽先生と対照的に、真剣な表情の昇先生。地図の件、飛ばしちゃうかな?と思いつつも、やってくれました。今日の広島は初めて見るバージョン!見たことあるやつでも飽きないので続けてほしいなあ。アメリカ50州も行けるとは!

○「柳沢昇進録 お歌合わせ」神田阿久鯉

阿久鯉先生、久しぶりに見たなあ。阿久鯉先生は個人的に天明白波伝と柳沢昇進録のイメージがあるけど、中でもお歌合わせはよく聞きます。短歌の読み物は意味がわからないとポカンとしてしまうところですが、阿久鯉先生のは客席を置いていかずにわかりやすい。

○「牛ほめ」三遊亭遊馬

遊馬師匠は「牛ほめ」。遊馬師匠の与太郎が大好きでして。間抜け具合、愛くるしさが突き抜けているんです。なんかもうつられて笑顔になっちゃう感じ。カンペ持って行ってたのに使わなかったな…(笑)。牛をほめる時も、単に「すげーな」って言って乗り切っていくのが、妙に納得。

○「(太神楽曲芸)」ボンボンブラザース

ヒザはボンボンブラザース先生。今日は時間に余裕があったのか、久しぶりにゴルフボールを使った曲芸をたっぷり。鼻の上に紙テープを載せてバランスをとるあれが大好き。書いてしまえば単純なものが実際に見るとめちゃくちゃ面白い。今日の帽子投げのお兄さんは結構早めに成功させてました。

○「四谷怪談 お岩誕生」神田松鯉

お待ちかね、松鯉先生登場。「冬は義士夏はお化けで飯を食い」から始まり、本題へ。松鯉先生の高田大八郎は体格のいい男の感じ。鳴り物や末廣亭の雰囲気、照明効果も相まって、客席からは結構な人の悲鳴が。ゾクゾクっとしましたね。にしても伝助、自分の家になんで持って帰っちゃったかね…

という感じで4時間ほどたっぷり楽しんできました。これで3000円は安いよなあ。それではまた。

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