第686回紀伊國屋寄席@紀伊國屋ホール(2022/08/15)【寄席編#5】

こんばんは、飯山大五郎です。

昨日、紀伊國屋寄席に初めて行ってきました。会場は、こちらも初めましての紀伊國屋ホール。紀伊國屋書店新宿本店4階にこんなホールあったのですね、知らなかった…。

この紀伊國屋寄席、チケット発売開始時間に丁度仕事があって諦めていたのですが、帰宅後にサイトを開いてみると、なんとチケットがまだ残っておりました!!よかった!!

この日の演目はこんな感じでした。

○「黄金の大黒」古今亭菊一

開口一番は前座の菊一さんで、「黄金の大黒」。初めて拝見しましたが、ひとつひとつの言葉が聞き取りやすく、太めのお声。威勢の良い連中が似合います。令和では難しいかもしれないなあと思いつつも、何かいいこと、嬉しいことが起こったときに、お裾分けをしたりご馳走したりするあたたかいつながり、いいなあ。

○「名医と名優」田辺いちか

続いて二つ目、いちかさん。「名医と名優」は三遊亭志う歌師匠がおやりになっているのを聞いたことがありますが、講談で聞くのは初めて。名医・半井先生が名優・中村歌右衛門の眼の病気を命懸けで治し、半井先生の一大事の際には歌右衛門が駆けつけていく。「この御恩は一生忘れません」という台詞もありますが、それをきちんと果たし、信じた二人がかっこいい。

○「天使と悪魔」春風亭百栄

続けて真打、百栄師匠。初めて高座を拝見しました。昔から自分の心の中には「天使と悪魔」がいると言われますが、この噺は百栄師匠が二つ目の時の心の中にいた「天使と悪魔」が、とあるものをめぐりバトルを繰り広げる…というもの。一つひとつの言葉がすれっすれで、ちょっとでもズレたら引きそうな感じなのに、客席にバシッとハマってて凄かった。

○「千両みかん」五街道雲助

新作の空気感をちゃんと古典の空気感にグーッと変えていったのは、真打、雲助師匠。久しぶりに高座を拝見しました。ある夏の日、冬の食べ物であるみかんを食べたいという若旦那のために番頭が駆け回る…というもの。番頭が磔にされる様子を想像するときの表情が笑えます。みかん蔵を開けたときに、ピンポイントでひんやりとした感じがして凄かった。

〈お仲入り〉

休憩です笑(15分ほど?)

○「(紙切り)」林家正楽

クイツキ?ヒザ?は紙切り、正楽師匠。正楽師匠も久しぶりに拝見しました。この日は、線香花火、相合傘、盆踊り、伯山先生、スイカ割り、茄子娘と…あと何か一つ忘れている(笑)。茄子娘なんかどんな感じで切るのかな…と思っていましたが、なるほど納得。合間のお喋りも面白いのですが、何よりあの正楽師匠の雰囲気というか空気感が、もう面白いのです。

○「お岩誕生」神田伯山

そして主任、伯山先生。この日の「お岩誕生」、めちゃくちゃよかったのです。伝助と高田、炊き立てのおまんまと血の滴るおまんま、この対比がはっきりしていて、高田と血の滴るおまんまがすこぶる恐ろしく気味悪く感じた。お綱のお腹をお岩が蹴っているところで、緊張感がぐーっと増す。いやあ凄かった。ハメモノなしでの高座でしたが、めちゃくちゃ良かった。


終演。気づけば3時間近くが過ぎようとしていました。寄席の空気にどっぷり浸って、いやあ面白かった。それではまた。

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