神田愛山→神田伯山「相伝の会」@イイノホール(2023/03/01)【講談編#47】

こんばんは。飯山大五郎です。

先日、神田愛山→神田伯山「相伝の会」に行ってきました。会場は、お馴染みイイノホールです。

この「相伝の会」は伯山を襲名する前から開催されてきた会で、愛山先生がその日かけた読み物を、伯山先生が次回ネタ下ろしするというもの。ここ最近は、三代目伯山が得意にした連続物『清水次郎長伝』を2席ずつネタ下ろしされています。

有難いことに、ここ3回連続で伺うことができている上、最近まで愛山先生が「昼の茶会」でかけておられたので、ストーリーの骨格は出来上がっております。伯山先生のネタおろしと、愛山先生の2席目が何になるのか、ワクワクしながら会場に向かいました。

そんなわけで、この日の演目はこんな感じでした。

○「和田平助鉄砲切り」神田青之丞

この日の開口一番は、伯山先生の二番弟子、青之丞さん。読み物は「和田平助鉄砲切り」。やはり芸協の定席で場数を踏んでいるからでしょうか、ぐっと安定感が出ておられました。梅之丞さん同様、青之丞さんも、オリジナルのお酒にまつわるエピソードが挟まっててこれまた可笑しかった。

○「清水次郎長伝(四)秋葉の火祭り」神田伯山

続けて伯山先生。まずは四話目「秋葉の火祭り」。たっぷりめに前回までのおさらいをしてから本編へ。台詞の中に「カタギの皆様に迷惑になるといけない」というようなニュアンスの言葉があったり、次郎長が致命傷を与えなかったところなど、侠客とはどうあるべきかが描かれている気がしました。

○「清水次郎長伝(五)興津河原の間違い(上)」神田伯山

一度下がってから五話目「興津河原の間違い(上)」へ。文吉と太左衛門の間で大間違いが起きようとしていたところ次郎長が間に入る。血気盛んな次郎長の身内と、金太のビビりなところが可笑しい。「わからねぇんだ」という台詞の間の抜け具合もよかった。いいところで愛山先生へバトンタッチ。

〈お仲入り〉

休憩です(10分程度)

○「清水次郎長伝(六)興津河原の間違い(下)」神田愛山

お仲入りを挟んで、愛山先生が高座に上がります。簡単におさらいをしてから、伯山先生の続き、「興津河原の間違い(下)」へ。喧嘩を売ったものの、自分が間違っていたことがわかれば潔く、きちんと太左衛門に詫びを入れる、当たり前のことを当たり前にやる文吉の姿がかっこよかった。

○「清水次郎長外伝 小政の生い立ち」神田愛山

釈台横に置いていた白湯を飲んで、ここで外伝「小政の生い立ち」を。笑いの多い読み物で、芸協のひまわり先生がよくおやりになっているのを耳にしています。愛山先生のは、小政の小生意気な態度がいい。次郎長と石松とで小政の対応に差が出るのも賢いなあ…なんて思いました。


今回愛山先生が高座にかけた2席は、次回伯山先生が高座にかけることになります。どんな感じになりますやら。次回もチケットが取れますように。それではまた。

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